「圧巻のショータイムだけは最高」TAP THE LAST SHOW KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻のショータイムだけは最高
水谷豊、渾身の監督作品でタップダンスを扱うってことで結構楽しみにしてた一本。
冒頭のタップシューズを作っているシーンでのトキメキとドキドキを返して欲しいくらいの酷いストーリーだった。
本筋は普通に良いはずなのに、あまりにもツッコミ所と無駄が多すぎる。
メインキャラそれぞれ個人的な問題や課題があるのはいいとして、ストーリーにそれを活かせてない。
演出も台詞も空回りしているので無駄で間延びしてるようにしか感じられない。
横道に外れたエピソードよりも、仲間と切磋琢磨してショーの練習をしているところをしっかり観せて欲しかった。
ストーリー的にはなんとなくSINGやチア☆ダンと似たような話なんだけど、ドタバタ色んなことが起きてもテンポ良く楽しく粗が目立たない其二作とは明らかに違っていた。
水谷豊といえば相棒、テレ朝制作ってこともあり相棒サブキャストが多数出演。
私含め相棒が好きな人ならニヤリとしてしまうと思うけど、そのせいで内輪ノリで盛り上がってるように見えてしまい正直余計だと思った。
ほんの少し、コンマ何秒か音が遅れて聞こえたのも非常に気になる。
普通に話しているシーンでは気にならないけど、タップのシーン、特にアクセント付けた音はズレが目立って集中できない。
別撮りで音を載っけてるのかもしれないけど残念だった。
くどくど文句付けてしまったけど、最後のショータイムは素晴らしかった。
予算無いなかでLED付きシューズやらプロジェクションマッピングやらいきなり増えたダンサーやら、よく揃えたなーなんて、野暮な考えも吹っ飛ぶ圧巻のステージだった。
演出と音楽とタップが合わさって見事な迫力で思わず涙が溢れた。
ぐだぐだなストーリーも盛り返す、このショーをスクリーンで観ることが出来て良かったと思えた。
モタつくサイドストーリーや演出を削いでシンプルに作って欲しかったなーと思う映画だった。