グッバイ、サマーのレビュー・感想・評価
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周囲から浮いた14歳の二人の少年が、スクラップで自作した家の外観を...
周囲から浮いた14歳の二人の少年が、スクラップで自作した家の外観をした車で夏休みに旅に出かけ、旅先での出来事を通してひと夏のかけがえのない思い出を作る。典型的なロードムービー。
フランス中2男子のロードムービー
14歳、男子2人の一夏の冒険的ロードムービーということで、スタンドバイミー的な映画かなと期待して観ました。
基本この手の映画を観るとなると、「スタンドバイミー」や「打ち上げ花火 下から見るか〜」(もしくはぼくらの七日間戦争?等々どれも十代の頃好きだった、よく観ていた映画)と比べたりしながら観てしまうところがあります。
そんで、この映画。登場人物は、、、
メインの2人、名前なんだっけな、、
あ、ダニエルとセオ?いや、テオ?
ダニエルは絵を描くのが好きな、ひ弱な文化系男子。サッカーのシーンなど、運動はどうみても苦手そう。
所謂カーストのCグループ所属的なポジションだけど、以外にも可愛い女友達がいる。
以外と言っても、実際美少年でクソ面ではないので、めちゃくちゃ不釣り合いでありえない、と言うほどではない。
女子みたいだと笑われても長髪のままなのは、「周りと同じで普通でいたくないから。」しかしテオに「個性とは髪型ではなく、選択や行動を言う」的な事を言われてしまう。←このくだりはパンク精神が垣間見れて、ジョーストラマーの言う「パンクはファッションじゃない、態度だ!」がすぐ頭に浮かびました。
ダニエルは決してファッションだけで伸ばしているのではなく、根底には反抗がある。
テオも、個性を理解し、新しい発想を持つ、パンク精神を持っているなと。
つまりは監督はパンクを通っている、信用できる人間だなと思いました。
で、ちょいちょい出てくるダニエルの女友達かつ気になる系女子で、ダニエルより大人びているローラ。
あまり出てこないけど、一応ヒロイン?
ダニエルの家族は、干渉してくる母や、パンク好きな兄。どうでもいいけど、兄のパンクバンドの曲は本当に酷かった笑
逆にリアル。
今時フランスにあんなバンドをやる若者はまだいるんだろうか。
で、テオの家族、古物商。
いまいちよくわからんが、色々扱っている。
その流れでテオは機械に強いのか?
ここは結構謎でした。
テオ家よくわからん。
ところでフランス映画って、
ていうかフランス語って、なんか響きがモッツァリしていて聞いてて眠くなります。
これは映画全編において悩まされます。。
ストーリー的には、特に前半はこれといって引き込まれず、やばい!つまらん映画かも!と心配になりました。スタンドバイミーみたいにオールディーズポップスのような、楽しげな曲?が使われてたらまた違ったかもしれない。内容的にそうもいかないのだろうけど。
この映画のサントラは本当につまらない。
お手製の車で旅が始まってからは、ちょいちょい笑いを入れてきます。
警察に見つかりそうになったり、あやしい親父にからまれたり、中学生的冒険のスタートです。
日本と韓国が混ざっちゃってる(洋でありがち)裏系美容室の散髪のくだりはめっちゃ笑った。
あれはないでしょ笑
しかしあんな店フランスには本当にあるのかね?
途中これまた中学生的言い合いで喧嘩もしたりで、
少年の冒険に必要な要素は十分です笑
なかでも響いたのは、
テオ「俺に一度でも質問したことあるか?」「自分にしか興味がないナルシスト野郎!」この辺のくだり。
自分がよく感じていた事と同じだったので、おっと、となりました。実際今でもよく思う事なので。大人も子供も関係ないのかな。
最後はテオと離れ離れになる現実が待っているも、ダニエルはちょっぴり成長をみせる。
再度観たいとはあまり思わないけど、いい映画、的な映画でした。
アメリがママに!:よくあるひと夏の冒険
アメリのオドレイトトゥがおかあさんで違和感なしって!!!
卒業旅行でパリへ行き、
レドゥームーランにてクレームブリュレ頼み、
アメリのポスターの前で記念撮影をした者としては、
隔世の感を禁じ得ません。
最近のオドレイを全く見ていなかったわけではないですが、
あくまで主役、あるいはお話の主軸のオドレイだったので、
脇役のおかあさんとして初めてであって、
思わずときめいた、というところです。
変声期前の主人公が、ちょっと浮いてる転校生と仲良くなって、
手作りカーで夏の逃避行へと旅立つロードムービーです。
転校生テオのおうちがなかなかにヘヴィで、心配でした。
お母さんは食事作りも息子にさせてメニューにけち付けるし、
お父さんは学校辞めさせて、息子に働けというし。
主人公ダニエルのおうちは、それにくらべずいぶんと裕福そう。
おかあさんが勧める本も、難しそうだし。
身の回りをきれいにしたい弟と、ぐっちゃぐちゃのダニエルとの
線引きされた部屋など、かわいい。
2人で廃品から作る車が動くってゆうのが、にわかに信じがたいけど、
自分たちだけで見つけた秘密の隠れ家が、現実の憂さを忘れさせて
くれるっていうのは、分かる。あったもの、子供のころに、そういう
神聖な場所が。タイヤを隠して家に擬態するのも可笑しかった。
仲良くなって、けんかして、仲直りして、別れるという、目新しくない
筋ですが、ひと夏の冒険・経験物語としての王道が、見やすくて悪くない。
フランスの地方に疎いので、移動距離、どのくらい家を出ていたのか
(下着を一週間ぶりに交換するとはテオが言ってたけど)、とかが、
ピンと来なくて、やった事の規模が実感できなかったのが残念ではある。
ラストの、テオに習った攻撃方法で、いじめっ子に報復するのは胸がすいたね。
悪くないし、楽しめるけど、どうしてもこの映画でなくては、というものではないかなあ、
というのが、正直なところ。
結局誰も幸せにならず、持たざる者は去って行く
まず、「行く前」と「行ってから帰ってくるまで」の物語的スピード感のバランスの問題。
後半のローラーコースター的展開を決してご都合主義だとは思わないし、あのスピード感を主人公が精神的に成長する「前後の表現」であるとするならばそれはそれでわからないでもないがどうも急速すぎる。
主人公が決定的に成長するに至った究極に追い詰められた出来事もこれと言って特に思い当たらない。
ラストシーンはすごい好きだけど、トータルとしては、主人公は結局最後に全てを手に入れてしまったヒーロー誕生物語になっている。
やはり最後は、「セオに言われた通りワンパン喰らわそうと思ったけど返り討ちにあっちゃって、それでもそんな主人公でも、あの娘はずっと君を見てるよ」って話にしないとダメだ。
セオの扱いも悪すぎる。逃げるように街を出た彼のその後が語られないなんてあんまりだ。
結局誰も幸せになってないまま最後に突き放されてしまった。
素敵な映画
年相応の性への興味や悩み、スクールカーストなどが描かれていたがあの年で車の基礎を作ってしまうのことは少し利発過ぎではないかと思った。
だがその車を通じての旅や出来事はどれもキラキラしていて素敵で、思わず学生時代の親友に会いたくなった。
ぜひ続編があるなら観たいものである。
キュートなバディムービー
なんともキュートな思春期映画でした。
ダニエルとテオのバディ感がたまらないです。絵のコンテストが開催される街・オルー=アン=モルヴァンに着いたときに、2人でウキウキ歩きをするシーンとか最高!
それから、自作のハウスワゴンがとても可愛らしい。花がとても素敵だ。
バディムービーですが、主人公はあくまでもダニエルであり、ダニエルの成長していく姿が魅力的でした。
ダニエルが坊主になるところがイイですねー!長髪時代はただかわいいだけだったダニエルだけど、坊主にしたら表情もちょっと不敵になって、ちょっぴりタフないい男になったと思います。
誰かに頼らず自分で決めて行動することで人間は成長していく訳ですが、やはり顔に出ますねぇ。
一方、テオの気持ちはあまり描かれていないのがやや残念。ダニエルに比べて大人びているし、しょうがないのかな。兄と弟に近い関係性ですし。
とはいえ、テオの言葉「俺に一度でも質問したことがあるか」は悲しくて胸に刺さりました。テオは強いけど、ダニエルよりもずっと孤独だからね。ラストにおいては、テオはさらに孤独な環境に置かれてしまい、なんとも遣る瀬無い。いつの日か、ダニエルと再びツルめるようになればいいなぁと思わずにはいられませんでした。
ロマのキャンプが襲撃されたシーンなど、フランスの暗部もさりげなく描かれていて良かったです。
少年たちのちょっとおかしなひと夏の旅。
ミシェル・ゴンドリーの監督作品だけれども、彼の特徴的な作風とは少し違い、どこか正統派の少年物語のようでもある。とは言え「走る家」という発想やその光景は、確かにファンタジックなロマンがあるし、そもそも「少年時代」そのものがある意味ファンタジーだよなとも思う。
女の子のような容姿をした14歳の少年と彼よりも少し大人びた雰囲気の少年とが出会い、手製の「走る家」で小さな旅に出る。そんな夏休みの物語で、ひと夏を通じて少年たちが少し成長する、なんて書き方をすればあまりにありふれてしまうが、この作品はもっと瑞々しくて軽やかでどこかメルヘンチックでもあった。
この映画が違うのは、大人が少年時代を振り返るような描き方ではなく、今まさに少年時代を生きているその視点で物語が描かれていたところだ。過剰な感傷も懐古も挟まない。ついつい「大人が少年時代を懐かしむ」ような美化が青春映画には加わってしまいがちだが、この映画にはそれが無かったのがとにかく良かった。だから、大人のノスタルジーを喜ばせるようなエピソードはほとんどなく、特別な出会いがあるでも、特別な出来事と出会うでもなく旅は進む。けれども小さなハプニングの積み重ねが、少しずつ何かを引き起こしているのを感じさせつつも、それをさらりを描くさりげなさも含め、ひと夏の旅がチャーミングで愛おしかった。
主演の二人の少年たちがそれぞれに違った魅力を放っていて、それぞれにキュートだ。二人が笑っても怒ってもぶつかっても、すべてが眩しいほどのケミストリーを発生させていて、画面の中で二人が弾けるたびに映画の温度が少し上がるような熱を感じた(美少年はサムライヘアーにしても丸坊主にしても美少年なんだね)。
ミシェル・ゴンドリーの演出は、過去の作品を見ても時に華美になり過ぎて目にうるさいこともあったが、この映画ではそんなことは一切なく、寧ろゴンドリーは自分の手癖を最小限に抑え、代わりに少年たちにすべてを託していたように思えた。
テオの言っていた「個性は髪型ではなく、行動と選択で決まる」はまさしくその通りだと唸った次第。
どうでもいいことだが、私は「途中で髪を切る映画」が好きだ。
よかった
子供が自動車をDIYで作って旅に出るなんてもっとワクワクしていいはずなのに、あんまり魅力を感じなかった。『コップカー』の方がずっとワクワクした。DIYなら『グリーン・ホーネット』のカンフー男がすごくよかったので、また『グリーン・ホーネット』作って欲しい。
あんなふうに自作で車を作れたらさぞ楽しいだろうと思ったのだが、あまりに簡単に作っていて、ボディがエンジンと比較してでかすぎて燃費も悪そうだ。ブレーキもないみたいだった。外装はどうでもいいから、もっと機械的に苦労しているところが見たかった。
若い頃に見たかった
ミシェルゴンドリー監督作品はエターナルサンシャインしか見たことないが、エラく雰囲気が違うなぁと思った。
思っていたより絵面が地味(いい意味で)。
フランス映画にもかかわらずとても見やすく、ミクロが風俗店で髪を剃ってからログハウスに戻ってテオに爆笑されるシーンは笑いが止まらなくて大変だった。
青春系ロードムービーが好きで似た題材の作品をこれまでもいくつか見ていたが、この映画で初めて「高校生くらいに観たかったなぁ」と思った。私ももう感情移入できなくなるくらい大人になってしまったらしい。
ラスト数分がいきなりフランス映画らしさ爆発であっさり描かれていたがそれがより「その後」を妄想させて良かった。
まさかあれがテオの最後の登場だとは…
監督はテオのモデルになった友人達とは子供時代以来会ってないと言っていたが、きっとミクロとガソリンはすぐ再会するような気がする。
ダニエルはテオの言った通り、ローラへの思いが消えてからローラから想われるようになって、でも付き合ったりはしないんだろう。
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