グッバイ、サマーのレビュー・感想・評価
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奇才の原点を垣間見ることができる自伝的冒険ストーリー
世界を歓喜させる才能を持ちながら、決してメインストリームに流されることのなく、やりたい場所で、やりたい作品とだけ格闘し続ける奇才ミシェル・ゴンドリー。彼の自由なスタンスと唯一無二の創造性が一体どこから湧き出るのかいつも不思議でたまらなかったが、自伝的要素を併せ持つ本作では少なからずその源泉を探ることができる。彼が少年だった日々、親友の男の子と繰り広げる奇想天外な家出の旅。それもスクラップをかき集めて、住居にも変身できる車を作り上げてしまうのだから(ここら辺は自伝ではなく創作のようだ)、観ている側もあの夏の少年に戻ったみたいにドキドキしっぱなし。トリュフォー映画を思わせるような繊細かつ大胆な会話や、彼を見守る家族の絆も根っこの部分でグッと暖かく、何よりも輝いているのが「みんなと同じでいたくない」という切なる思いだ。その延長線上に今の作家性があるのだと考えると、ファンならずとも感慨深い想いを抱くに違いない。
風俗理髪店
2023年1月28日
映画 #グッバイサマー (2015年)鑑賞
#ミシェル・ゴンドリー 監督の作品と言うことで期待値は高かったです。
14歳の息子のお母さん役に、#オドレイ・トトゥ って感慨深いな。
さいこう
1番好き
無邪気な子供の頃の冒険を自分も味わえた気がした。そんなシリアスなところがなく笑って見てられたからすごい楽しかった。どこで仲良くなるかなんてわかんないよねww深い関係になるかどうかに一緒にいた時間は関係ない
ダニエルがラグビー部から逃げてる時にテオが「ゲイジュツカー!」って言って再会するところとか、相棒だけどくっつきすぎずないで小馬鹿にしあったりするところとか、私はあんま体験したことないから憧れちゃう
サムライカット
ラグビーボールにどんだけがっつくねん
オシャンティーなんよ
セリフのテンポがいい、コミカルで好き。こんな感じの映画で他におすすめあったら教えてちょ!
【”自作のオンボロ家の形の車で旅に出よう!”性と恋愛と親との関係に閉塞感を抱く少年二人の少しの成長を描く。】
ー 夏休みの映画と言えば、少年達のロードムービーだよね・・。-
・クラスメイトから小柄で女の子みたいな容姿をからかわれる日々を送る14歳の少年・ダニエル。過干渉な母親(ダニエル・トトゥ)にも、うんざり・・。
・ある日彼は、変わり者で機械好きの転校生・テオと出会い意気投合。
2人は息苦しい毎日から脱出するため、スクラップを集めて「動くログハウス」を作り、夏休みに旅に出ることにする。
<監督の思い出が元になったという自伝的物語は、思春期ならでは好きな女の子への気持ちや性や、親との関係性で悩みが沢山。
そんな思いに駆られた二人の男の子の、少しだけのほろ苦い成長物語。>
夏の擬人化
思春期のこんがらがった自意識に対して、夏という季節はある種の特効薬として機能する。事実、巷には夏を背景としたビルドゥングス・ロマンがごまんと溢れている。
『グッバイ、サマー』というかなり安直な邦題からも推察できる通り、ミシェル・ゴンドリーもまた夏を下地にした少年の成長譚を描き出そうとするのだが、ここでの夏は単なる背景ではない。
ちょっと前にネットでサボローというキャラクターが流行った。これは明光義塾のキャラクターで、「花火しようぜ」とか「近くでお祭りやってるらしいぜ」とかいって受験生たちをあの手この手で誘惑する。明光義塾としてはサボローを反面教師に夏期学習を促そうと目論んでいたのだと思うが、Twitterでは「サボローめっちゃいい奴じゃん」といった肯定意見が沸き起こった。
ダニエルにとってのテオはまさしく受験生にとってのサボローだ。内へ内へと自閉していたダニエルを、転校生のテオは問答無用で外の世界へ引っ張り出そうとする。テオは面倒臭いことは何も言わない。「俺たちで車作ってどっか行こうぜ!」それだけ。だからこそ破壊力がある。こんなの断れるわけねーじゃん!という。
ダニエルはテオと共に見知らぬ街を「小屋カー」で爆走する。時には警察に絡まれそうになったり、歯科医のオッサンに追いかけ回されたり、散髪屋と間違えて風俗店に入ったり、散々な目に遭いながら。
終盤、ラガーマンの軍団からボールを奪って逃走するシーンはとりわけ印象深い。ラガーマンはマッチョ的な「強さ」の表象であり、彼らからボールを奪うことは、ダニエルが自分の意志でそういった「強さ」を否定することに他ならない。テオと過ごしたひと夏の成果が感じられる素晴らしいシーンだ。
しかしラガーマンからの逃走の最中に小屋カーは大破してしまう。そこには旅の終わりの、あるいは夏の終わりの予感が兆していた。
車も金も失ったダニエルとテオだったが、麓の町で開催されていた子供イラストコンテストで2位を獲り、賞品としてパリまでの往路切符を得る。
ここでダニエルは不思議な光景を目の当たりにする。飛行機に乗っているはずなのに、景色が前へ前へ流れていく。つまり、機体が後ろに戻っている。ダニエルはそのことをテオに伝えるが信じてもらえない。
季節は春から夏から秋から冬へと絶え間なく移り変わっていくが、人はそう簡単には変わらない。たとえ物理的精神的に何らかの成長を遂げていたとしてもそれは微々たるもので、真緑の森が黄色と橙色を経て白一色へと変化する季節のダイナミズムには遠く及ばない。
私はテオが夏そのものなんじゃないかと思う。少年を奮い立たせ、成長をもたらし、そして最後には去っていく夏。
ダニエルはテオと時間を共有するなかで、自分だけが置いていかれてしまうイメージを肥大化させていく。テオは絶えず進み続ける季節である一方、ダニエルは一人のか弱い人間だからだ。
したがって飛行機に関する二人の認識の差異は、そのまま彼らの存在形態の差異だということができるんじゃないか。
ダニエルとテオは家に戻るが、テオの母親は既に死んでいた。怒り狂ったテオの父親はダニエルを遠くの街へと追い出すことを決める。二人の仲は夏とともに終わりを告げた。
新学期初日、ダニエルは学内ヒエラルキー上位の男子生徒にテオのことをおちょくられる。彼は他ならぬテオのために腹を立て、耳打ちをするフリをして男子生徒をグーで殴りつける。もちろん自分の意志で。暴力的な手段に打って出るのはあんまりよくないとは思うけど、自分の意志でそうできた、というのが一番の力点だと思う。
私も学生時代にもっと周囲のサボローたちに流されまくっておけばよかったな、と改めて少し後悔した。
ユーモアたっぷりの溢れるセリフで14歳の心境をみずみずしく描く
フランス版、「スタンド・バイ・ミー」。
セリフ多めなとこがフランス映画っぽくて、個人的に好きなところ。
フランス人って、本当に議論好きだよねぇ。
映画の随所で、クスっと笑えるユーモアたっぷり。
そのユーモアが、単純に「子供っぽい中学生のおバカ」だったり、「大人顔負けの深い議論」だったりして、少年と青年の間の微妙な時期、14歳の心境をみずみずしく描いている。
「30年後に再開して、その時夢をあきらめたなって昔ばなしでもするのか?」
「あの夏を覚えてる。自作の車で旅に出よう」
って感じの場面があって、これが、この14歳の夏休みが終わった後、彼らはどんな30年を歩むんだろう、とか、30年後の彼らにとっての「14歳の夏」はどんなだっただろうと、映画が終わった後にも広がりを持たせてくれる。
主人公は14歳の画家を目指すダニエルと機械好きな同級生のテオ。 周...
主人公は14歳の画家を目指すダニエルと機械好きな同級生のテオ。
周囲から浮いてしまう二人の閉塞感と、その二人だから芽生える絆が暖かい。
聴き慣れないフランス語であったが、耳障りがよかった。
ダニエルの青いスニーカーが映画全体の雰囲気と合っていて印象的だった。
めちゃ日常的な青春映画
全編の演出もよく、ストーリー構成もいい。変わり者少年二人の前半での葛藤、いかにも少年らしいトークと思いつきによる後半の冒険はとても面白く、大人への反抗、そして別れというありがちなテーマが全部詰まっていていい作品だと感じた。
ロードムービー部分がもうちょっと見たかった
ミシェルゴンドリー監督によるフランスの青春ストーリー。
ナイーブな14歳の少年が…というよくある設定をこの監督がどう描くかという興味で観た。
ちょっと面白くなるまでの助走が長く感じたかなー。あの車を作ってからは楽しめた。女の子に間違われてたダニエルが少し逞しく見えるラスト、良かった。
フランスっぽくビターな味わいの青春映画でした。
青春は挑戦するためにある。
少年が「ひと夏の冒険に出る」という話は、よくある話で。
ま、そんな感じでスカッとさわやかを期待したらそうじゃない。
14歳という微妙な年齢の二人。男の子と男の中間。
そうなかなか物事は進まないのが、ビターな感じがいい。
親の愛がうっとうしい主人公と、親から邪険にされる転校生。
そんな凸凹コンビが、廃材から作った一号機(ゴーカート風)は会えなく役所から却下され、めげずに作った2号機の完成度。っていうか、よく思いつくなーこの車?!。「これは家なんだ、何かあったら停車して家のような格好をするんだ」って~。
「俺たちは過小評価されている!」と大冒険にでた二人のいろんな騒動。
どうも個人的に母親目線で見てしまい、二人の運転にハラハラドキドキ。怖いわー(笑)。
どちらかというと女の子に間違われる線の細い主人公が。なんでも知っている頭脳派な転校生の影響を受けて、チョッとだけ大きくなったシーンには。ガッツポーズでした。
自伝的映画ということで、最後はサクッと終わったのが心残り。
そういえばこういう「ひと夏の冒険もの」って。女子版って見ない気がする。それだけ女子は、地に足がついているってことかしら。
おしゃれな少年映画
少年時代の話ってハズレがないよね。フランス映画だと更におしゃれ。2人の男の子もすごく可愛くてイケメンだし。何故、男の子は、機械に強いのか?廃品で動く家自動車を作ってしまうなんてね。
ちょっとした、夏の冒険と少年の成長の物語です。
,,,無限
スタンドバイミーみたいな作品を期待したので楽しめた。奇をてらう訳でもないストレートさが最近では逆に珍しく好印象。かわいらしい。数あるスタンドバイミー作品として記憶されていくのだろうど。何一つ間違いがなく、キチンとし過ぎていることが良くもあり、物足りなさでもあるのだろうけど。監督のキャリアからすれば余裕の仕事ぶりといった感じ。ご馳走様でした。
切なさ半減
「ムード・インディゴ」でまさかのバッドエンドに愕然としたが、そのショックから立ち直るべくリベンジを仕掛けて、またはぐらかされた感じであった。
少年二人の手作り自動車による冒険譚であれば、もう少し切なく、甘酸っぱい感じになるはずなのだが、観終わってあまり後に残るものがない。
どうしたのかな?ミシェル・ゴンドリー。
決して悪くはないのだけれど、彼らの冒険にあまり必然に感じられる偶然がなかったからだろうか。パリに帰ってくる手段もあまりにあっけなく、そっけないし。
「恋愛睡眠のすすめ」「僕らの未来に逆回転」のようなワクワクする手作り感は、もしかしたら大人がやるからワクワクするんじゃないだろうか。大人がやることの危うさや、今にも失われてしまいそうな純粋さが、これまでのゴンドリー作品から感じていた切なさだったのだと改めて実感した。
子供にも同じようなことを感じるはずなのだが、どうも子供は危うさや喪失の切なさが前提となりすぎていて、そりゃそうだろうという気持ちで観てしまうのだ。
次に期待。
青春ロードムービー。 思春期ならではの悩みを抱える主人公がアウトロ...
青春ロードムービー。
思春期ならではの悩みを抱える主人公がアウトローな転校生と一夏の冒険に出て成長していく物語。
主人公のビジュアルがすでに可愛いのだが、1シーン1シーンの演出もいちいち可愛い。サッカーのゴールシーンをハイライトするシーンや、誰もこない個展でのパントマイム、ラグビーチームから逃げるシーンなど微笑ましい演出が満載。
少年期のころの友人を思い出してしまう、そんな作品。
ベンチの上でメシ食うだけで絵になる人種だなー。
2人の少年がひたすら可愛い。
14歳のダニエルとテオ。
性に恋に家族に自意識、そんな思春期な悩み満載の年頃。
周りとなじめない。でも他と同じような人間にはなりたくない。
そんな2人が自作の車で旅へ出る。
ダニエルとテオの2人がひたすら可愛かった。
手作りおうちカー(お花つき)も可愛い。
ティーンの少年の目から観る世界がこそばゆいし、クスリと笑えるシーンも多く楽しく観れた。
メカに強く博識でユーモアもあるテオが格好良い。
でもだからこそ、テオとの友情や旅を経てダニエルは大人の階段を登ったのに、テオはダニエルとの旅で何かを得られたのかしら?と思わなくもないラスト。個人的にはテオが導く側に終始してた感が否めなくて少しモヤモヤ。
せっかく2人の関係が描かれてるのに。
フランス映画観るとフランス語は響きがかわいいなって思う。
そしてダニエルのお母さん、見覚えあると思ったら「アメリ」のオドレー・トゥトゥじゃないか・・!
予想通りの青春ロードムービー、 だけど、 ちょっと期待外れの内容で...
予想通りの青春ロードムービー、
だけど、
ちょっと期待外れの内容でした
ロードムービーは「成長」を描くもの
もちろん本作も 一夏における少年の成長を映しているんだけど、
成長の起点となる負の要素を描き方が 不足しているように感じられて、
「あるある!」「わかるわー」っていようなシンパシーまで至れなかった
少年ならではの、
どうしようもない 苦悩 や焦燥感、
閉塞感、
行き場を失う性衝動、
未来への期待と不安、
この辺りの描写が弱いなって感じた
ロードムービーにおける
マイナスとプラス(成長)は バランスするから、
マイナス要素に共感できると
ラストに用意されているであろう 成長という大団円に もっと共感できたはず
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