「タチコマの祖先が八面六臂」ひるね姫 知らないワタシの物語 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
タチコマの祖先が八面六臂
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テレビインタビューで神山監督が喋っていたから正しいのだろうが、カラーリングも併せててこの作品の中で唯一、愛着が持てるギミックであるサイドカーであった。
但し、内容は・・・ 正直、オリジナルストーリーはこの監督はあまり向かないかと思わずにはいられない内容であった。せっかく『東のエデン』という傑作オリジナルを作った監督としては、今回は余りにもお伽噺に始終してしまっていて、ファンタジー色が強いせいで、飲み込み難いストーリー展開であった。夢と現実が行ったり来たりするというプロットは、しかしきちんと辻褄合せがあっての真実味を構築できるし、そういう意味では『君の名は』と比較されることを避けられないだろうが、そのパラレルワールドを圧倒的な映像美で強引に魅了してしまうところが、新海監督であり、今回は海vs山対決は、海に軍配が上がったのではないだろうか。
自動車メーカーのHONDAをモチーフとしてしてるところが玄人好みに擦り寄ってるきらいは感じられてそこも鼻につくが、最後のエンドロールで父ちゃんと母ちゃんの馴初めを挿入してきたのは、あざとさが残り、もっと本編で織込んでいけばよかったのではないかなと思うのだが…
『心根一つで人は空を飛べる』なんて、はっきり言って説教されてるみたいで、テストや受験の時の父親に怒鳴られた記憶しか思い出せない。『やればできる』という言葉が、非常に苦痛な、そんな教育映画みたいな作品であった。
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