淵に立つのレビュー・感想・評価
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どうにもならないもの、、、
エゴを正面から見据えて描ききった傑作。
出演している方すべて隙がなかったです。
「こころ」(市川崑監督)も同じテーマを描いてたけど、本作品は露骨だした。その分ゾッとしました。怖かったです。
あがいてもどうするこもできない。
突き詰めて考えるとああなってしまうのです、、、、、。
くれぐれも御用心を!!!
町工場を経営する夫婦とそこに同居することになった男。 11年前に殺...
町工場を経営する夫婦とそこに同居することになった男。
11年前に殺人を犯し服役した男は共犯者については一切話さず、それに怯える夫。
8年後に現れた若者は男の息子で、そこから少しずつ動き出してゆく。
夫婦の娘に障害を負ってから潔癖症になり、それが恐怖感をさらにあおる。筒井真理子の娘を思いながらも、恨み悲しみ絶望が見え隠れする演技に圧倒された。
最後のシーンで、夫がホントに誰を大切に思っているのかが露呈する。若者のその後はどうっだったのだろうと想像させるところは監督の手腕であろう。
ホラー映画である
厭な結末だと思った。決して驚きのあるものではないが、「家族」というのを、これほど否定したというか、あからさまに問題を張り付けてそのままにしておく・・みたいな、「希望の無さ」には、強い憂鬱感が沈殿する。
そして、この家族が決して特別なものではなく、ちょっとした仕草などは、もはや我々と同質であることが提示されているので、恐怖すら感じるのだ。
また、核心の「事件」については、具体的な描写が皆無であり、これについては観客にゆだねられているところももどかしい。
浅野忠信の装われた「白」の下に隠れる「赤」、筒井真理子が娘に着せる「赤」、筒井が見る「白い」シーツから覗かれる浅野の幻影などは、ホラーの領域に達しており、何かハネケの映画を観たような既視感に襲われた。
予想もつかなかった。
予告を見た感じで、浅野忠信が家族に侵食して壊して行く話やろと思っていたら、とんでもなく次に何が起こるのか予想も出来ずあっという間の2時間だった。
浅野忠信の存在感はやっぱり凄くて、高校生の頃に見てた若い頃の浅野忠信を思い出した。ただカッコ良いだけでなくて、怖さと掴み所のない感じ。二面性がある役をやると流石だなと思った。
川で急に本性を出すところも怖かったけど、白い繋ぎを脱いで赤Tシャツになるだけで、こんなにゾッとするか?とその演出にも驚いた。
だけど、一番の驚きというか、もはや畏怖?筒井真理子さんの8年に女優魂を見た。
幸せな時の方が家族のバランスが悪く、事件後に家族がまとまっているのが不思議だけどリアリティがあって面白かった。
一つだけ、何故あそこで終わるのだろうと言う疑問がまだ解決出来ずにいる。
監督がなぜこの映画を撮りたかったのか
上手い映画と思います。ありきたりでない。役者も、リアリティがある。よく出来ていると思います。
でも、そもそも映画ってなんなのかを考えてしまいました。家族、友情、愛、信頼、優しさ、努力、思いやり等々、善や美徳と思われているものが、実はカタチだけ、上っ面なものもある。本音と建て前、自己中心、無関心、支配欲。本能を理性が飼いならしたつもりが、突発的なリビドーで起こる不条理な事件は、世間に溢れています。普通な人にだって闇があるだろうし、怖い、不気味。そんなことは普通に生きている人の多くは、イチイチ言わなくてもわかっていると思うのです。自分の胸に手を当ててみれば。完璧なものはない。うさん臭い。
だけどだからと言って全部が全部、嘘で偽善、とも言い切れない。少しは人間にもいい面があろうよと、前向きに生きていくエネルギーを貰うために、映画だって観るんだと思います。その意味では、この映画は、オカネを出してネガティブなエネルギーを買うようなもの。才能はあっても、何を伝えたいかポジティブな目的がないと、ブラックホールみたいな怖いものが生まれてしまいます。不用意に覗くと闇に落ちかねない。要注意。淵に立ってはいけません。
辛口ですみません。
家庭・人生、翻弄される
最初から最後まで息苦しかった。
八坂が一家に到来してからもうすでに嫌な予感がする。
なんだろう。
確かに「家族ゲーム」を想起させるがそれもまた違う。
最初からお母さんの昭恵おかしかった。
こういう家庭って自ら崩壊への道を歩いていく。
当然元々そういう「罰」もありうる。
蛍の悲劇が発生した後さらに重くなったこの映画だが、
最後どういう話か主旨を掴めにくいという一面もある。
八坂の友達を裏切らないという信念も最初からいい糸になってるが、その人が消えることにつれ、あんまり意味のないことになる。
だから、
どういう話だろう。
しかもエンディングも好きじゃない。
どういうこと?
オープンして意味あるのかあー
せっかくいい演技を見せたキャストが集まったのに、
作品自体意味主旨不明。
こんな作品どこから意義を見出すべき?
残念ながら4点以上無理。
歓待
ほとりの朔子のときもそうだったけど、相変わらず水と緑と白の使い方や画の構図が美しく、それなのに、それでいて、全体の雰囲気は不快指数100%。
これはもう職人芸に近いと思う。
古舘寛治の薄ら寒さ、浅野忠信の薄気味悪い威圧感、太賀の浅はかなウザさ、これらもある意味職人芸に近いと思う。
とにかく色々引っ掛かりまくる映画だった。
26
役者の無駄遣い
筒井真理子の熱演に引き込まれました。
しかし、そこだけなんですよ。
何なの?この監督。
この作品の前に同時上映された『鳥』という作品も含め。
もうこの監督の作品は2度とお金を払ってまで見たいとは思いません。
何、このストーリー。
誰得?
誰目線に立っても寄り添えられない。
ものすごく味のある演者さんたちの、素晴らしい演技力を、このような作品のために浪費して欲しくないと思いました。
脳内処理にかなり時間が掛かった特別で初めての作品
演者さんの力もさることながら、深田監督の独自の感性と飾らない演出、そして音楽もマッチして良い作品である。
そして自分に置き換える事が出来る事象。
間違いなく観たほうが良い。
観てから暫くモヤモヤするのは覚悟しておきましょう。
重たい…
ハリウッド好きとしては、とても重たい作品だけど…浅野忠信さんの裏と表の強弱が素晴らしかったし、筒井さんの色気と生活臭の強弱も素晴らしかったです。筒井真理子さんってこんなに演技が上手くて綺麗だっけと思いましたよ。なんつーか、やましいことをしたらいけないよ。って言う作品だ。
人には勧められないけど観ておいてよかった。
じわ、じわ、じわっと寄ってくるカメラ、じわ過ぎてその効果が必要かどうか疑問。
全編、異様に長く感じさせられました。もう少し短くできないか?というプロデューサーさんはいなかったのか?
かといって綿密丁寧とも思えず、金属加工の場面と蘇生措置の作りもの感が特に際立ちました。
筒井さんが特にすばらしく、浅野忠信さんの役作りもさすがで古舘寛治さんの胡散臭さもいつも通りだっただけに残念。
観る人に何を伝えたかったのか、どんなことを感じてもらいたかったのかわからなかった。
傑作だ
傑作なんだよ。でも、どこがどう良いのか解かんないの。そこが凄いよね。
浅野忠信があんな感じで家に来たらさ、そりゃ筒井真理子じゃなくても惹かれるよ。そして筒井さんの恋する女っぷり。自分の存在で、あんな風になってくれる女の人がいたら嬉しくなっちゃうね。
後半はズドーンと来て「ここに主題があるんだ」と思って、なんか解った気もするけど、解かんないの。そこが凄いよね。
もう淵に立ちたくない
とてもホラーな一本
そしてとてもシュールな一本
中盤からドキドキが止まらない。疲れます。
まさにずっと淵に立たされてる様な、不安感、恐怖感がつきまとう。
浅野忠信怖いわ。
筒井真理子の演技凄い。
娘の「行ってきます」に応えるお父さん。妻の「行ってきます」には無反...
娘の「行ってきます」に応えるお父さん。妻の「行ってきます」には無反応な夫。
特別幸せそうでも特別不幸でもなさそうな平凡な家族の中に、殺人罪で服役していた夫の古い友人がザワザワって感じで入ってきた。
少し穏やかになったと思ったら突然嵐になって悲惨な爪痕を残して去っていった。それでも家族の日常は過ぎていく。もしもあの時って後悔と罪と罰、 復讐を背負って。
とにかく重たい内容だけど、役者陣が見事に演じてます。特に筒井真理子の歳の取り方がリアルで気持ちの変化が痛いほど伝わりました。役作り凄いです。
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