「家族」淵に立つ ななぼんさんの映画レビュー(感想・評価)
家族
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この映画の主題は、
ある人の罪を、その家族が背負わなきゃならないのか、って事なんじゃないかと思った。
母グモは、子供のために犠牲になることを美しいと言う。
子供は、母グモを犠牲にしてまで生きたくないと言う。
父グモはどうなのか?
父グモである利雄は、殺人事件の共犯者でありながら、自分だけ罰を受けなかったのみでなく、妻と娘に囲まれて客観的には幸せに暮らしていたが、彼なりには罪の意識に苦しんできた。
だから、母グモが共犯者と不倫をするように仕向けることで、自分の罪の意識を軽くした。
そのせいで、共犯者は子供を暴行し、子供が重度障害者になってしまった。
父グモは、母グモと子供が不幸になることを、犯罪者である自分に対する罰だと言い、
自分のせいで娘が重度障害者になってしまったことを「安心した」とまで言う。
罪の報いを受けることで、自分の罪が軽くなった気になるのはわからなくもないけど、
それは、本来なら無関係なはずの家族が背負わなければならないのか?
始終、他人事のように飄々としている利雄に、胸糞悪くなる。
しかし、最終的に母親は子供の命を奪おうとし、
子供は、母親を犠牲にしても生きようとする。
父親は、どこまでも傍観者…
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