「筒井真理子を観る映画。」淵に立つ だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
筒井真理子を観る映画。
重い。
しかも観終わった後、
消化するのに
かなり時間がかかるくらいに
重い。
誰も救われないエンディング。
間違っても気軽に
観に行ける映画ではない。
「怒り」のレビューにも書いたが
「怒り」は
「観て欲しい」とは思えない映画だったが
「観てよかった」と思える映画だった。
「淵に立つ」はどうだろう。
正直、どちらでもない。
でも心の中の
奥の方をぎゅっと
握りしめられる
そんな映画だった
オープンングの
オルガンの音と
メトロノームの音。
その音に合わせての
タイトル表示。
オルガンは
その音色と主に
鍵盤を押す打鍵音まで
聞こえてくる。
そこが妙に生々しかった。
浅野忠信。
この人の演技って
上手いんだろうか?
下手ウマっていうか。
感情を殺したような演技。
抑揚もあまりなく
棒読みに近い。
でもそれが
八坂を表しているのか?
白と赤の対比。
言わんとしてることは
わかるのだが。
ちょっと露骨過ぎないだろうか?
古舘寛治。
この人の声がすごく好き。
台詞回しも好き。
リーガルハイでの
頼りないコメディっぽい演技しか
知らなかったから
驚きつつ楽しめた。
太賀。
この人の演技もすごく好き。
だけど、どうしても
「ゆとりですが何か?」
のうざい後輩役がチラついて(^^;
最後まで良い奴で安心した。
もし、八坂から送り込まれた
第二の刺客だったらどうしようと
最後までハラハラした。
利雄ににいきなり
平手を食らうシーン。
監督の真意に関係なく
思いっきり爆笑してしまった。
多分演出の真意とは
違うんだろうけど。
観客4人全員爆笑してた(^^;
そして何と言っても
筒井真理子。
この映画はこの女優さんに尽きる。
かなり以前から
ドラマやCMでお見かけしていては
「綺麗な人だなぁ」と思ってた人。
この人が出てなかったら
この作品はあと
星2つくらい少なかった。
妖艶な魅力はさることながら
カメレオンばりの役作りには驚いた。
3週間で体重を13キロ増やしての
時間経過の表現。凄い。
「あれから8年後・・・」
なんてテロップは全く必要なかった。
家族みんなで行った川辺。
八坂と二人っきりになった
森の奥でのキスシーンは
今までの映画のキスシーンの中で
トップ3に入るくらい
リアルで綺麗で、猥褻だった。
後ろから八坂が
躊躇いながら近づく。
一瞬ビクッとなるが
瞬間的に八坂を受け入れる章江。
このシーンがひどく生々しくて
今も脳裏に焼き付いて離れない。
映画は最近見始めた私。
基本はテレビ大好きの私。
そんな私にとって
いつもテレビに出てた
気なる俳優さんを
スクリーンで発見できる。
そんな喜びを再確認できた
映画でした。
浅野忠信ではなく
筒井真理子を観る映画です。