隻眼の虎のレビュー・感想・評価
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虎の恩返し…?
日本統治下の朝鮮。山岳地方で、“山神”と恐れられる獰猛な大虎による被害が相次いでいた。
この地を治める日本軍元帥・前園は地元の猟師らに駆除を命令。
だが、体長4mをも超える怪物のような虎に駆除は難航。猟師たちのリーダー格であるクとチグは先輩のマンドクに協力を依頼。
マンドクは凄腕の猟師として名を馳せていたが、ある事件により引退。山奥で息子ソクと静かに暮らしていた。
断るマンドクだったが、父の跡を継ぎたいソクが猟に参加。マンドクは助けに向かう。
嫌な予感は的中。猟師たちは二手に分かれ、ソクを含む経験浅いグループの方に大虎が現れ…。
片目。タイトル通りの隻眼の大虎。
ドデカい図体(アムールトラかな…?)もさることながら、その凶暴さと力。
牙や爪を駆使した体当たりや攻撃でほぼ瞬殺。…ちょっと強すぎないかい?
銃を持った猟師や軍人が大勢いるのに、いくら怪物のように恐れられてるとは言え、一頭の虎を退治出来ないの…?
今は亡き大杉漣さんは堂々とした存在感だが、ステレオタイプな旧日本軍人像。
ツッコミ所も多々。
アニマル・パニック×ハンティング・アクションとしての赴きもあるにはあるが、140分ちと長い。全編張り詰めた緊迫感ならまだしも、展開など鈍い点も見られ、冗長さを感じる。
まさかの感動展開にはびっくり。
大虎の襲撃後、重傷を負ったソクは狼の群れに連れ去られる。
一巻の終わり…。
しかし、そこを救ったのは…。息子が居なくなり、泣き悲しむマンドクの前に息子を連れてきたのは…。
何と、大虎…!
かつて獰猛な虎を仕留めたマンドク。母虎で、子虎が牙を剥く。
クやチグは子虎も仕留めようとするが、母親を殺してしまった罪悪感から子虎の命は助ける。母親を亡くし、生きる術が無いであろう子虎に食べ物を与える。
その子虎は隻眼。今この地を震え上がらせている大虎だった…。
大虎にとってマンドクは親の仇。
が、罪滅ぼしで命を助けてくれた恩人。
それを忘れていなかった…。
まるで“虎の恩返し”。
まさかの人と大虎の絆…?
かと思えば、マンドク以外の人間には牙を立てる。
かと思えばラスト、命果てたマンドクと大虎は雪に包まれ…。
大虎との死闘を描きたかったのか、絆を描きたかったのか…?
一応アクションやドラマに見応えはあったし、チェ・ミンシクの重厚な演技も良かったけど…、
ちょっと見たかったのと違ったかな…?
虎~
古風でいぶし銀でいい感じ。虎がかっこいい!
冒頭の草原と狩りのシーンも渋い。
動物と人間の共通の情は期待してなかったので、虎が幼子の遺体を持って来るっていうのは、フィクション色が強くてクサく感じた。もう少し泥臭くて地味な戦闘シーンになると思ったけど、なかなか最終決戦は派手だった。
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