「池坊専好と千利休と猿の話」花戦さ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
池坊専好と千利休と猿の話
花を持って世に戦を仕掛けた1人の僧の話。
花道の池坊という名前は有名なので、私でも聞いたことがあります。
やはり、この時代の京の話となると秀吉と千利休が有名過ぎて全く知りませんでした。
どこまでが事実なのかはわかりませんが、本当に花で秀吉に立ち向かったのなら、あまり知られていないのが不思議なくらいです。
池坊専好がこんなはちゃめちゃで愉快な人なのかも少し不明ですが、野村萬斎さんだからこその池坊専好になっていました。
全体的に映画が明るく、京の町の華やかさがしっかり描かれている反面、秀吉の残虐な行為(これほどまでに秀吉が悪役で描かれているのは初めてでした)や、茶室内での侘び寂びを感じる空気感などのギャップある描写が当時の表裏ある世界観を上手く表現していました。
物語の前半は池坊専好のはちゃめちゃ感が少し退屈でしたが、後半は秀吉の悪態がどんどんと増し、意外にも沢山の知人が死んでいき、彼らの想いを継いで世に戦を仕掛けた池坊専好の姿には感動しました。
最後の笑いに思わず笑わされました。
個人的にはれん役の森川葵さんがとてもいい味を出していたのが印象的でした。
当時の芸術、文化と歴史を学ぶにはもってこいの作品です。
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