「拘って悪いか。」花戦さ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
拘って悪いか。
クリックして本文を読む
生け花に疎い自分ですらあれほどの木花の美には心を奪われる。
暴君と化した秀吉の粛清が後半かなり残酷度を増すまで、前半
はほのぼののんびりとした味わいが若干長く感じられるものの、
池坊専好のお人柄が野村萬斎にピッタリで楽しめる。そんなに
物忘れが酷くて(またこういう話か)大丈夫なの?と思うほどの
重要ポストに座らされるものの、持ち前の明るさと人の良さで
次々と町民をも虜にするのだが…。利休が拘った黒い茶碗だが
人には拘りたいものが一つ位ある。他人から見れば何だそんな
と思うような趣向や習慣が当人にとっては大切な選択だったり、
何を言われようと曲げたくない頑固さを持つ。そんな拘りに対
して「あぁそれもアリだね」と認められない傲慢な性格を持った
現代人もたまに見受けられるが、さらに異常に攻撃する狂人の
悍ましさを見た思い。〇〇には〇〇の、✖✖には✖✖の…という
専好の台詞にその通り!と心で拍手。それぞれに美、それぞれ
に心、それぞれに趣があって、芸術って生まれるんじゃないの。
コメントする