「独裁者の暴走を止めるのは庶民の教養だ!!」花戦さ MPさんの映画レビュー(感想・評価)
独裁者の暴走を止めるのは庶民の教養だ!!
己の野望のために人命を軽んじる戦国の武将、信長に、命あるものの尊さを以て対峙しようとした華道界のレジェンド、池坊専好の、文字通り命がけの戦いは、改めて華道の奥義というものを我々に教えてくれる。生け花独特の時に大仰にも感じる表現が、実は限りある植物のはかなさと、だからこそ生まれる力強さの証明だと気づかされるからだ。野村萬斎の個性が専好の飄々としてユーモラスな佇まいとマッチしている。狂言と華道の融合とでも言おうか。それにしても「花戦さ」とは美しくも生々しいタイトルだ。"独裁者の暴走を阻止できるのは、庶民の教養とユーモア以外の何ものでもない"という映画のメッセージは、恐らく作り手の思惑を大きく超えて、今を生きる日本人の心に深く突き刺さるだろうから。
コメントする