「過去のFF映画では一番」KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV Kobyさんの映画レビュー(感想・評価)
過去のFF映画では一番
僕は特にファイナルファンタジー好きというわけではありませんが、一応ゲームは1,2,3と7,8,9,10まではプレイしています。
今回の予備知識は全くなかったので、正直観る前は「知らない単語とか横文字が沢山出てきてついていけなくなりそうだなー」と不安でした。
だけど蓋を開けてみると案外途中で飽きることなく普通に最後まで観れました。
少なくとも昔巨額の資金をかけて作った映画『ファイナルファンタジー』(2001)や『ファイナルファンタジー7アドベントチルドレン』(2005)よりよかったです。
ただし個人的に大きく気になった点が序盤の戦闘シーンから登場キャラたちが当たり前のようにバンバン使っていたワープです。
まず最初見た時は何の説明もなく突然消えたので何が起こったのか戸惑いました。
で、どうやらそれらを見ていると持っている武器を投げた先にワープできるというものらしいということが分かってきました。
注意点はこれも分かってきたというだけで、作中で説明はありません。
今回なぜこういったワープができるという設定にしたのか?これがちょっと引っかかりました。
なぜなら「ワープができる」となると、作品のストーリーを構築していく時に常に「ワープ」というものを意識して作らなければなるからです。
そこに穴ができると「あのシーン、ワープすればよかったんじゃない?」ってなってしまったりするんですよね。
なのでこのワープという扱いづらいとても難しい設定を持ってきたということは、必ず作中のどこかで「ワープできる」ということがキーとなる展開が待ち受けているんだろうって思ってました。
しかし、そんな期待はあっさり裏切られ特にワープができるということの必然性はないままに終わってしまいました。
となってしまうとさらに気になるのは何故ワープできる設定にしたのかということ。
確かにワープのエフェクトはかっこよかったです。
でもアクションシーンでワープができるというのはアクションの命である動きの連続性を殺してしまうというデメリットがあります。
それによって本作のアクションはかなり見辛いものになってしまい、いわゆる「何が起こっているのか分からない」という穴にハマってしまっている気がします。
それでも本作の戦闘シーンの圧倒的な物量とCGのリアリティは本当に圧巻ですね。
間違いなく国内フルCG映画の中では歴代1位の出来だと思います。
2016年は映画『GANTZ:O』もありましたが、キャラクターやロケーションの数が段違いで本作の方がさらにお金がかかっているなという印象。
それでもガンツの方の良い点はクオリティの差が激しくなく全てにおいてバランスが取れていたということ。
一方、本作は「えっ?ゲーム?」というようなクオリティに突然なってしまうシーンがいくつか見受けられました。
あと作品の世界観的にもファイナルファンタジーといえばというような建築物から、「あれ?ここ日本?」と思ってしまうような物まであって少し世界観の徹底っぷりが曖昧でした。
(例えば日本と同じ電柱やガードレールがあったり車のナンバープレートが日本のものと同じデザインだったり)
と、気になった点を挙げていたら何か悪いところばかり言ってるようになってしまいましたが、当初の不安を良い意味で裏切ってくれてちゃんと映画として成立していたなーと思います。
ゲームには興味はありませんが、ゲームの方のストーリーがこれからどういう風に進むのかなぁってくらいには思うようになったので宣伝効果としても悪くはなかったのではないでしょうか。