劇場公開日 2016年7月16日

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「河崎監督の特撮愛を感じる」大怪獣モノ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0河崎監督の特撮愛を感じる

2019年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 冒頭から超理化学研究所によるセタップX細胞の疑惑会見の映像が流れ、「STAP細胞はあります」で話題となった小保方晴子氏をネタにしたギャグ満載の展開。これが大巨人・新田陽出人を作り出すセタップX細胞という重要なアイテムなのだ。もしかすると『大日本人』が酷評の嵐だったので、ここまで作り上げればネタ的にも大成功なんだと皮肉ってたのかもしれません。

 心霊スポット.comなる若者たちがもののけ峠へとやってくる中、泉老人が言う「ゆとり教育の弊害じゃな」とか、西郷博士の娘美和(河西美希)の放つ「お父さん、プロレス用語が昭和だわ~」といった言葉に笑ってしまう。また、『フランケンシュタイン対地底怪獣』の志村喬の物まねにも大笑い(未見だが・・・)。

 怪獣特撮での疑問にも苦肉の策が見られ、巨大化したらパンツはどうなるんだ?といった点を見事に解決していたり、デジタル兵器が効かないから肉体で戦うしかないとか、あらかじめツッコミどころを考慮しているのがニクいところだ。また、怪獣を救え、殺すなといった自然保護団体のデモを入れたり、すぐには攻撃できないといった問題も取り入れたり、大巨人から元に戻った新田をマスコミがもてはやしたりする細かな演出も面白い。

 外国のスパイのエピソードはさほど面白くなかったのですが、「ロッキーのテーマ」そっくりなBGMも笑えるし、モト冬樹やなべやかんといったお笑いタレントもなかなかいい配置。とにかく、特撮愛を感じる河崎実監督作品。『いかレスラー』や『ギララの逆襲』でもウルトラマン愛を感じたが、ハリウッドCGでの怪獣作品に負けずに、ずっとこの路線で頑張ってもらいたい。

kossy