LION ライオン 25年目のただいまのレビュー・感想・評価
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サルーが賢くて強くて可愛くて!!心をくすぐられる!
冒頭の荒涼とした風景に、心に響く何かを感じ最初から惹き込まれた。
ストーリーにひっくり返る様なネタがあるわけではないものの、再会シーンはやはり涙を誘う印象に残る作品。
優しいお母さんやお兄ちゃんに甘えていたサルーが、不安や恐怖に押し潰されそうになる中で、涙も見せず胸にしまい込むひたむきさ、大人の微妙な声色から危険を察知する賢さ、新しい環境を受け入れ馴染む柔軟性を身につけて行く。
目の前に当たり前にある劣悪な環境に、生きるのが精一杯の人々の狡猾さと冷酷さは、今の日本では考えられない。そんな貧困などの社会問題が渦巻くインドの現状と対象的に、サルーの幼少期の屈託ない笑顔や明るい声は、幸せをくれる。
サルーが一生懸命走る姿にはキュンとした!本当にカワイイ!
再会のシーンももちろんだが、幼少期のシーンが作品の価値を高めていると思った。
一方で、オーストラリアで不自由ない生活を送ってきたサルーが、心の奥にしまい込んでいただろう孤独感、実母や兄に対する罪悪感、養母の期待を背負う重圧感に育んできた絆など複雑な感情があったと思うが、その辺りの描写があまり厚くないと感じた。幼児期から成人の間の心情がもっと描かれていればより深みのあるストーリーになったと思う。
1人に手を差し伸べるということ
その記憶は、未熟すぎた自分への嫌悪感しか呼び起さない。だから意識的にずっと封印していた。だがこの映画の冒頭、私はその忌々しい自分と対峙せざるを得なかった。
もう二十年も前、リュック一つでインドを歩いていた時のこと。街角には職のない大人たちがあふれ、同様に多くのストリート・チルドレンがわれわれ外国からの旅人に手を差出し、金を無心していた。
その都度、
「お金はないよ、悪いね。学生だからね」
などと日本語でつぶやきながら、彼らの脇をすり抜けていたのだが、交差点のたびに必ずこうなので、うんざりを通り越し、日に日に心は疲弊していった。
「これは社会の問題であり、たとえ一人のその一日を助けても、何の解決にもならない」
などとうそぶきながら、私は彼らに決して何の施しもしようとしなかった。
映画の舞台はインドの貧しい田舎町。石運びが仕事の母の手ひとつで育てられているまだ五歳の子サルーは、兄と一緒に出た街の駅で一人誤って回送列車に乗ってしまい、二、三日降りられないまま遥か離れた大都会カルカッタ(コルカタ)に出てしまう。誰に助けられることもなく、言葉の通じない街でホームレスをしながら必死に生き抜こうとする幼き主人公の姿に、私は冒頭の記憶が生々しく蘇るのを抑えられなかった。人の命に貴賤はないというのは先進国のまやかしで、世界には本当に軽く扱われている人の命が今もある。
まもなく物語はオーストラリア・タスマニア島へ。サルーはカルカッタの保護施設からこの地の夫婦に引き取られ、そこで育てられることになった。貧しいインドでの生活とは何もかも違う豊かさの中、サルーは少しずつ新しい家族に慣れてゆき、やがて大学生になる。養父母の無償の愛とともに不自由ない幸せの中にいる・・・かに思えた。
だがふとしたことでその生活はスタックする。本当の母親が突然消えた自分を今も探しているのではないか、との積年の思いを抑えきれなくなったのだ。
うろ覚えの幼き日々の記憶を頼りに、グーグル・アースを使って自分の故郷を探り始めるサルー。ひどく難航するうち、オーストラリアでの今の日常とインドでの幼少期の激しいカットバック編集そのものに、その自我は激しく揺さぶられてゆく。やがて生活は破たん、すべてが順調だったはずの家族の歯車は脆くも壊れていった・・・。
中盤、ニコール・キッドマンが演じる義母がサルーをなぜ養子に迎え入れたのか、その告白を聞いて以来、人生について考えずにいられなくなった。子を育てるというのは、親が文字通り全身全霊を捧げなければ、とても成し遂げられない。血の繋がらない、しかも異国の子を迎え入れて育てるというのは、それに人生を賭す覚悟というのは、いったいどういうものなのか、想像すら及ばない。
義父母はそれを感情ではなく理性で決断し、そして立派に成し遂げた。そこにあったのは冒頭の私の浅はかな考え、つまり「たとえ一人のその一日を助けても、何の解決にもならない」とは対極の考えの表意であり、まさしく有言実行そのものだった。この物語は事実に基づくものだとされているが、実在するその養父母の心境も、映画に描かれていた通りだったのだろうか・・・。
インドという我々から見れば特殊な環境を入り口にしながら、中盤から終盤にかけて映画のテーマが普遍性を帯びてゆくにつれ、思いがけずグイグイと引き込まれていった。そしてエンディングは涙なしでは見られなかった。そこにあったのは、サルーの二人の母の愛だ。
サルーの子供時代の子役もいい。冒頭は「ニュー・シネマ・パラダイス」のトトをほうふつさせる純朴そのものの可愛らしい姿をさらしながら、大都会の路上に放り出されて以降、みるみるうちに表情は険しくなり、鬱屈したものを幼くして抱え込む様子を演じて見せている。
意外というべきか、観る前に聞こえていたあらすじから想像していたよりもずっと、既視感のない全く新しい映画だった。
そしてまた、二十年前から大して変わらぬ自分の小ささに目を向ける、いいきっかけにもなった。
親と子、家族の想いを深く描いた物語だ。泣いた!
素人という子役の演技が8割。 この子でなかったらこの映画は、ここま...
タイトルの意味は最後にわかる
2017/05/01、ファーストデー割引を利用して、TOHOシネマズスカラ座で鑑賞。
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』で顔と名前を覚え、『奇蹟がくれた数式』でファンになったデヴ・パテルが、主人公サルーの大人になってからの姿を演じています。
一般的には『スラムドッグ$ミリオネア』の子、として知られているであろうデヴ・パテルは、この作品で今年のアカデミー助演男優賞にノミネートされました。
主人公なのに助演なのは、少年時代の子役のほうが主演っていう判断なんでしょうね。
迷子になる前から迷子になったあとオーストラリアの夫婦の養子になるまでを丹念に描いたことで、主人公サルーの元の家族と新しい家族、両方への愛情がよく伝わりました。
養母のニコール・キッドマンがさすがの存在感。
そのぶん、養母への愛情と、必死に実家を捜してしまう気持ちと、そのことへの罪悪感に苦しむサルーの悩みが理解できます。
邦題で『ただいま』と書いているので、結末の予想はつくわけですが、それでもやっぱり感動しました。
家族というものについて、改めて考えさせてくれる、いい映画です。
あの子をずっと観ていたい♡!
最初の最初、何で迷子になったかってとこで、不覚にも睡魔(笑)。あのくらいの年なら電車に乗った時点でギャーギャー騒いで降ろしてもらうよな〜?とか、のんきに寝ちゃったりするもんかなぁ?と、色んな疑問が湧きましたが、冒険願望は男子なら誰にでもあるもの?
それに、駅の窓口で小さい子があんなに騒いでたら、大人はもっと何とかしてくれようとしないかな?と思いましたが、それは先進国の発想なんでしょうか。文化の距離を感じたとこです。あんなに可愛い子が困ってたら、きっと日本人なら何とかお母さんを探してあげるような気がしました。
まぁ、結局あの子の可愛さにやられて話に入り込んでしまいましたけどね。しかも、大きくなったサルー…そうか、スラムドッグ〜に出てたあの子かぁ、大っきくなったわ〜(笑)。でも、ちょっと顔の系統が違うよなぁ。
インターネットとかグーグルとか、文明が発達し過ぎて、人が横着になっていくような気がしてましたが、グーグルとインターネットがあったから、お母さんのところまでたどり着けたんですよね。それも裕福で知的な教育を受けられたからこそ。サルー君が動かなかったら、絶対に会えなかったでしょう。
国の成熟度や生活の格差、言葉の壁、子供の扱い…色んなことを学びました。インドって数学教育も進んでるし、IT大国で、英語もみんな話せると思ったけど、ああいう田舎では別の国が存在してました。
それにしてもエンドロール中に立ち上がってちんたら歩くのはやめてください。最後の最後に余韻に浸るためのメッセージが出るのに、よく見えないわ、イラついて興醒めでした。せっかくの最後の泣きの場面だったのに(♯`∧´)。
事実ですもの。
涙が止まらなかった
実話とは思えないこの人生。
鑑賞後にテレビ番組ア○ビリ○ボーで放送されていたけど、内容が少しだけ違っていた。
60分番組には詰め込めなかったのかな?
それとも映画は脚色されているのかな?
とにかく困難な25年間を生きていてとても強いサルー。
お兄ちゃんも結局亡くなっていて、本当に悲しかった。
あんなに難しい人生を乗り越えてきて、そして、長年かけて実家を見つけて帰る事ができて、執念というか、想いの強さが本当に凄い。
諦めない強さ。
途中投げ出したくなったり、頭がおかしくなってしまったのかと思うような場面もあったけど、最後本当に良かったと心から思えた。
家族の愛も本当に素晴らしいものだったし、配役もとても良かった。
アカデミー賞選ばれて納得。
観てよかった!!
実話の映画化
インドでは年間8万人もの子供が行方不明になってんですね。そして子供をさらって売り飛ばすなんて描写も生々しかった。
オーストラリアの心優しく裕福な家庭に養子として迎えられ不自由なく青年期を過ごしたんだと思うと、サルーはある意味とても運が良かったんかな。
迷子になってから収容所みたいなとこに一旦移されるんだけど、そこで出会ったアミタという娘が運が必要と言っていたのがとても意味深でしたね。
幸福な時間を過ごす中で忘れていた自分は何者かという疑問にふと気づかされ過去を思い出していく、産みの親と育ての親の思いの狭間で揺れ動くサルーの心情がリアルに描かれていましたね。
タイトルになぜライオンと入っているのかも最後に解けました。
予想していた通りだけど、涙止まらず。
アカデミー賞で知り、公開が楽しみだった映画のひとつです。
予想していたより、幼少期の描写が長かったのですが、それがあったからこそ、最後はとても感動しました。
親子愛、兄弟愛、恋人愛、様々なものがあり、涙が止まりませんでした。
単なる映画ではなく、実話をもとに作成されているだけあって、多くの人に考えさせられる映画だと思いました。日本には、まだまだ孤児を受け入れたり、養子を受け入れる文化はほとんどありませんん。私もそのような感覚はあまりもっていませんでしたがその行動がいかに素晴らしく、人を助けるかを思い知らされました。
インドを旅行した際にも、今回の映画で描写されていたシーンを多く目にしたので、心を締め付けられる場面も多かったです。
また、いかに、幼少期が大事かということも痛感しました。
一見、暗く思うかもしれませんが、ぜひみなさんに観てほしい映画のひとつです。
ダンカン、コノヤロー
はずれではない
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