マダム・フローレンス! 夢見るふたりのレビュー・感想・評価
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メリル・ストリープのたおやかな魅力 ✨
献身的な夫シンクレア( ヒュー・グラント )に支えられ、ニューヨークでオペラ歌手として活動を続けるフローレンス・フォスター・ジェンキンスをメリル・ストリープが柔らかな魅力で演じる。
誠実で心優しいピアニストの青年コズメ・マクムーンを、サイモン・ヘルバークが表情豊かに演じる。耐え切れずエレベーターで失笑するシーンに、私も失笑。
室内で踊るシーンがノスタルジックでいい。
ポテトサラダがバ○○○に 👀
優しい余韻の残る作品
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (吹替版)
実話!
音痴な上に自信たっぷりのマダム・フローレンス(ストリープ)。周りの人たちも褒め称え、誰も批判したりしない。夫のシンクレア(グラント)も彼女に尽くし、否定的な声を封じ込め、気持ちよく歌える環境を整えるべく奔走する。しかし、シンクレアには若き愛人キャスリーンもいるという不思議な関係。フローレンスの病気は、最初の夫から梅毒を感染させられ、50年も病を抱えたままだったのだ。
レコーディングをしたことで、それがラジオに流れ、ファンもついた。そして、カーネギー・ホールでのソロ・コンサートを開くまでに・・・退役軍人たちにチケットを配り、いざコンサートが開かれると、会場は爆笑の渦。それほどまでに下手くそな歌だったのだ。新聞の評価を見たいと願うフローレンス。ニューヨークタイムス紙だけは酷評だったために新聞を買い漁り、ゴミ箱に捨てるシンクレア。しかし、とうとう記事を目にしたフローレンスはベッドに伏して、しばらくして亡くなってしまうのだ・・・
実話であるという事実に驚き、レコードもベストセラーになったというおまけつき。ただ、下手くそであっても味わいがあるというか、優しさを感じられる歌だった。大屋政子という人も、そんな感じだったかもw
愛人めちゃくちゃ可愛い
マダム(メリル・ストリープ)がめちくちゃ金持ちで、アホだけど純粋で綺麗な心の持ち主。その夫(ヒューグラント)はめちゃスマートな英国紳士で、マダムを心から愛していて、コンサートで歌いたいというマダムを支援する。客を買収してコンサートをひらいたりする。ひょんな事からマダムのレコードがラジオで流され、マダムをけなす内容が新聞に載る。夫はそれを必死で隠すが、マダムは見てしまう。ショックできを失うが、目を覚ましたとき、私が歌った事実は変えられない?的な事を言う。
評価は分かれるか?
ラスト近くで新聞記者が、音楽と観客への冒涜と言っていたが
全くそのとおりと思う、酷い主人公夫婦のふたり愛ですね
周りもおだてまくりだが、最後で本人にばれる
本人にも早くから本当のことを言うべき、音痴だと
いくら本人の境遇や夫婦愛や従軍兵士には受けた
とのたまわれても、嘘つきオンナの所業は隠し通せるものではない
ただ、カーネギーのアーカイブでは今でも一番人気とのこと
今のトランプ米国ならば、非難ごうごうの映画だろうね
唯一の救いは、観客の爆笑につられてこちらも笑ってしまうこと
腹をかかえるくらいに、久しぶりの健康笑いですよ
それと、最初爆笑していたギャル風の女性が
ラストではブラボーせんかぁ、と応援にまわっていたことかな
恥を知りなさい、声援も送れないの?
映画「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
(スティーブン・フリアーズ監督)から。
主人公は、実在の人物でストーリーも実話だというから、
さすが、アメリカ・・と拍手をしたくなる物語。
「音痴のソプラノ歌手、フローレンス・ジェンキンスが
カーネギーホールでコンサートを開催した」という事実を知り、
日本だったらどうだったろうか?と考えてしまった。
作品中(たぶんこれは脚色だと思うが・・)
アメリカ兵士をこのコンサートに招待し、
彼らを励ますつもりで歌い出したにも関わらず、
あまりの音痴に、笑い出す人あり、ざわつきはじめた時、
コンサートには不釣合いな服装で席についた若い女性が、
観客に向かってこう叫ぶ。
「静かに!、力の限り歌ってるのよ」
それでも「やめろ」「警察を呼べ」「引っ込め」等の
野次が止まらず、さらにもっと大きな声で、彼女はこう叫んだ。
「恥を知りなさい、声援も送れないの?」
これには、大騒ぎのアメリカ兵士も反省したのか、
会場は大きな拍車に包まれる、このシーンが一番好きだ。
上手い下手に関わらず、一所懸命の人を応援すること、
それが大人の対応なんだと知らされた。
作品の最後、彼女がこう呟く。
「ひどい悪声だと非難されても、歌った事実は消せないわ」と。
彼女は自分の音痴を知っていたのかな?
音楽の力
音痴の自覚がない歌手マダムフローレンスは梅毒を患いながら50年生き続けた彼女はブリーフケースにいつも遺言書を入れて持ち歩いている。夫は彼女のために無自覚な彼女をフォローし続けるが、恋人とゴルフに興じている間にレコードがラジオで流れ、軍人のためにカーネギーホールで歌うと言い出してしまう。彼女はカーネギーホールでの公演で新聞の酷評にふれてそのことに初めて気付くが幸せに死んでいく。カーネギーホールのアーカイブでは今もフローレンスが一番人気、レコードはベストセラーになった。
夢は支えあって叶う。
まさに夢見るふたり(三人?)の映画に間違いなかった。
夢はいつかは叶うものだと信じて頑張る人々は多いけど
その応援歌…になれば幸いの味わい深い作品。メリルが
ご本人完コピ音痴を延々披露するのは段々耳慣れてくる。
上手い下手というのは好き好きで例えば俳優の演技なら
味わい?ということになるのかしらなんて思ったりした。
更にそこにお金を払うことに関しては観客が決めること
であり、評価する他人がどうのこうのいうものではない。
各々楽しく観られることが舞台鑑賞なのだからマダムは
本人が気付かぬまま皆さんを楽しませていたことになる。
富豪のやることはハンパじゃないわね(^^;と恐れ入った。
メリル以上に功労者だったのがヒューさま。まさかこの
年齢を演じるなんて彼の足跡を思うと感極まってしまう…
そして長年伴奏者として寄り添い続けた彼も素晴らしい。
皆がマダムを好きで、マダムの夢を叶えるべく奔走した
ところに今作の魅力があり彼女の明朗さが際立ってくる。
(ラストにご本人の歌声が流れます。その後の話も素敵で)
パートナーとは
確かにヒュー・グラントは浮気はしてるし(若くて綺麗)、奥さんのカネにモノを言わせて買収するような姑息な男に見えるかもしれない。
でも、浮気してる時でも奥さんのレコードをバカにされたら許せない、つまりパートナーって、もっと言えば夫婦ってそういう物ではないのかな、と考えさせられる映画だった。
何十年も一緒だと「惚れた腫れた」ではやっていけない、これは洋の東西を問わず、今も昔も変わらないパートナーの関係だと思う。
そして、マダムの圧倒的な「陽」の力。
彼女の無邪気な「陽」の力によって、ある意味無関係なピアニストまで巻き込んでしまう一言で言えば「多幸感」に満ちたステージに笑いながら感動を覚えてしまった。
この映画に出てくる人みんな間違ってないんだよね、あのNYポストの記者だって、批評家としてのスタンスでは一ミリも間違ってない。
誰も悪者になってないところもこの映画のいいところかな。
ラストのヒュー・グラントの笑顔には嘘は無いと思う。あそこで泣いてしまった。
歌手としても凄いメリル・ストリープが見せる渾身の音痴っぷりも絶妙だったと思う。
夫婦や長いつき合いのカップルは観た方がいいね。
笑わずにはいられない
メリル・ストリープの演技に脱帽。
歌が最高です。
キャラクターが全員良い味を出していました。
みんながみんな純粋に自分の正義を追い求めて、それに一生懸命。
キラキラと輝いた瞳で夢を語るマダムフローレンスの顔は素敵でした。
ストーリーに驚きはないです。
星2つ半
もう見ないかな。
ヒュー・グラントがいい!
ヒュー・グラントとメリル・ストリープって組み合わせは珍しいなぁと思ったけど、これが意外としっくりきてて驚きました。夫婦の愛の形は様々。この2人の関係性も、これはこれでアリだなぁ、と。ヒュー・グラント演じるシンクレアがフローレンス婦人を寝かしつけるシーンが素敵でした。最期看取る時のシンクレアの微笑みには本当にジーンときて、涙ぐんでしまいました。ピアニストのコズメもいいキャラだったな。
夫婦で観に行くのもオススメです。
気になるマダムフローレンス
年末で終わってしまうのかと思ったくらい、上演場所と回数が減ってしまっていたので、あんまり…なのかな?と思いつつ、同じ人物が題材の映画の宣伝を続けて目にしたので、気になって見てみました。コメディタッチで笑えて、ほろっと泣けていい映画です。見た後幸せな気分になれます(^-^)ストーリーは予想とちょっと違って、自分が音痴なのを知らないままカーネギーホールの舞台に立ってましたが、小さい頃から音楽に触れて、更に愛好家である彼女が、自分のレコードを聞いて本当に気付いていなかったのか疑問です。何れにしても彼女の夢が本物だったからこそ、周りの人が助けてくれて、その人間関係に皆惹き付けられるのではないかと思いました。お金だけでは出来ないですよね。24時間テレビの企画を自力でやってのけたのだと思います。彼女がお金持ちだという偏見を捨てて、病と戦いながら、前向きに果敢に夢を追いかけた人物として称賛したいです。
Biographical-comedy-drama.
"Florence Foster Jenkins" directed by Stephan Frears, starring Meryl Streep as Florence, Hugh Grant as Clair, Simon Helberg as Cosmé (the piano man). It's been nominated for Golden Globes this year: For Best Motion Picture, best actress, actor in a Leading role and supporting role. Meryl Streep's singing in this film is, of course, so very terrible and even makes us laugh at it but which means that her performance as a terrible singer is really good, you all probably know that she is actually a really good singer in real life but is just performing in this film! That's what I really want you to know at least. And also I hadn't really cared about the piano boy named Cosmé in the beginning but as the story goes on and becomes interesting and funny, just realised that he makes half of this story hilarious by trying to help himself from bursting out into laughing before Foster. To say nothing of Hugh Grant, he is a brilliant British actor. Have fun
思いやりが切ない
実在する人物を描いた本作なので、派手さには欠けるかもしれない。
でも、メリルストリープとヒューの夫婦の歪さ、しかし歪ながらも互いに愛し合い想いあっているその姿に胸を打たれました。
こういう夫婦像があってもいいんじゃないか。
一般的には不倫している夫は糾弾されるでしょうが、
少なくとも私は切ないながらも素敵な夫婦像に思えました。
で、メリルストリープの歌に関してですが
声楽に馴染みのない方だとそんなに音痴に感じられないのかもしれません。
でも、一生懸命に純粋に歌う彼女へ向けられる意地悪なリアクションにはすごく嫌な気持ちにさせられる。
序盤で笑ってしまう自分自身が、話が進むにつれ、フローレンスを応援し始めている。
そんな、自然と感情移入できる作品だと思います。
悲しい話
裸の王様のように、陰でクスクス笑われるマダムの姿が居た堪れず、途中はなんだか観ているのが辛かった。
マダムのためにあれこれ裏工作をして彼女の望みを叶えていたシンクレアだけれど、そこにあるのが愛ではなくお金のようにしか見えなかったからかもしれない。
本当に愛があったのなら、マダムのご機嫌を損ねることになったとしても真実を告げ、陰で笑われるようなことにならないよう努めてあげた方が良かったのではなかっただろうか……と思わずにはいられなかった。
マダムの分厚い遺言書の存在をシンクレアが知っていたので、尚更そんな風に感じたのかも……
唯一まともな感覚でいたマクムーンも、遺言書の存在を知るや態度を翻したし、なんだかもうお金はあり過ぎてもいけないものだな、としか思えなかった。
ただ、最初は笑い転げて止まらなかったスターク夫人がマダムを庇ったシーンは、その優しさに泣けた。
その他の嘲笑シーンは悲しくて泣けた。
これからは貴方のためだけに歌うわ、とマダムが決めるためには、一度晒し者になるしかなかったのかもしれないけれど……それでも彼女が可哀想で。
孤独な富豪って辛いな、というのが一番の感想になってしまった。
けど、最後の歌うシーンは幸せだったかな。
せめてシンクレアが本当に心からマダムを愛していれば良いのに。
役者の技量頼みかなあ。
役者はよかったと思う。
メリルは前夫から移された梅毒を50年も患う、
裕福だけど本質的には孤独な女性をチャーミングに演じていたし、
老けメイクが似合ってたヒューグラントもよかった。
伴奏者のコズモ役の人もよかった。
おそらく、「偉大なるマルグリット」よりも史実に近いと思います。
美しいアリアを歌う歌手を、うっとりと目を潤ませて聞き入る
フローレンス(メリル)は、本当にかわいらしかった。
タレ眉毛も愛らしいし。
へたくそに歌う歌い方も面白かった。
でも、「偉大なるマルグリット」のマルグリットのほうが
感情移入度が高かったかな。
周りのメンバーも「偉大なるマルグリット」のほうが、
エッジが効いていて面白かったし。
いろんな愛があるというのは、分かってるし、
シンクレアがフローレンスを彼なりに愛したってのも分かるけど、
若い美女囲うならば、最初から妻のほうが大事だけど
いいですか?って聞いて、了承を得てから囲ってよと
思いました。
まあ、それゆって一緒に住んでくれる女性がいるかといわれれば、
いないでしょうよ。特に昔じゃ余計にね。
面白かったんやけどね。
バスタブいっぱいのポテトサラダとかさ。
見終わった後に残るものがないといいますか。
コズモの弾くサンサーンスの白鳥は素敵でしたよ。
メインキャスト3人の絶妙なバランス。
さすが!と言わずにいられないのは、相変わらず芸達者なメリル・ストリープ。実在した音痴なオペラ歌手の役柄を一切の吹き替えなしで演じている。歌を下手に唄うと言ってもオペラとなるとまた話は別で、やはり本人に音楽的な素養と歌唱力がないと相当難しいはず。どこまでも器用で研究熱心で努力家のストリープはここでも完璧に演じ切っていて、本当に感心しきりだった。
脇を支える夫役が、すっかり好々爺然としてきたヒュー・グラントで、彼もまた非常にいい味を出している。かつてのプレイボーイの様相は鳴りを潜めながらも、その分、年輪というか厚みが加わったようで、20年前とはまったく違う存在感があってとても良かった。ストリープもグラントも、二人を見ていると、年を取るってことは素晴らしいことだなぁって嫌味なく思えてくるような気がした。
そんな二人に加えて、ゲイの伴奏者役の若手サイモン・ヘルバーグがチャーミングに花を添える。本当「チャーミング」という言葉がしっくりくる感じ。シーンによってはヒュー・グラントよりも目立っていた部分も大いにあったほど。実際の演奏も彼自身でやっているというから驚き。音程やテンポを外した歌に合わせてピアノを弾くのはかなり難しいはず。それを成し遂げて見事だった。
ただ内容としては、「音痴な人気オペラ歌手」という実にキャッチ―な実在の人物を使った割に、映画自体はそれほどキャッチ―ではなく、脚本も演出もさほど充実したというほどでもなかった印象。確かにとても愛らしい映画ではあったけれども。「音痴なオペラ歌手」という設定の面白さに内容がついていけてないというか、活かし切れないまま終わってしまった感覚が残った。夫がどんな気持ちで妻の願いを聞き続けたか、妻がどんな思いで歌い続けたか、その辺が思いの外あっさりとしか描かれないのは少々不満だったかも。
とは言え、ずっとハッピーな気分で見られる可愛らしい映画だったので、気分よく2時間を過ごさせてもらえた。
日本と戦争中という時代にしては信じがたいアメリカのフトコロの大きさ
1944年10月、とんでもない音痴なのに、米ニューヨークの大舞台カーネギーホールでリサイタルを開き、満員にした歌手がいました。しかも、発売されたレコードは全米大ヒット!それがこの物語の主人公である当時76歳のフローレンス・フォスター・ジェンキンスでした。彼女が歌い上げたのは、ポップスやジャズならまだ納得できますが、オペラのソプラノ歌手だったというから驚きです。さらにさらに、彼女は自分が音痴であることに気付いていなかったというのです。一体、そんなことがあり得るのか。この驚きの実話が初耳なら、映画ファンもビックリするところでしょう。
ところが本作とほとんど同じ内容の実話を元にした作品が、今年2月に公開されていたのです。それを知っている人からすれば、どうしても2匹目のどじょうに感じてしまう面は否めませんでした。その「偉大なるマルグリット」(グザヴィエ・ジャノリ監督)という作品は、音痴の夫人がなんでオペラを歌い上げることにのめり込むのか、その裏側にある妻としての満たされない孤独が描かれていて、結末も何とも皮肉なものでした。
その点、本作の方はストレートに夫婦愛を打ち出して、優しい夫の愛情があればこそ、主人公は歌い続けられたのでした。そして夢に終わった「マルグリット」と比べて、本当にカーネギーホールでリサイタルを開き、大評判になった事実は凄いいし、映画としても惹き付けられました。
何と言っても凄いのは、主演メリル・ストリープの歌唱力。これ、一旦は各曲をプロのソプラノ歌手並みに歌えるくらいマスターしてから、音痴になる特訓をしたとか。「マンマ・ミーア!」などで抜群の歌唱力を披露したストリープが、どうやってヘタに歌うのか興味津々でした。だいいち歌のうまい人が音痴に歌えといわれても、自然に音痴に聞かせるのはなかなか大変なことですね。だからモーツアルト『魔笛』から有名な「夜の女王のアリア」を歌うシーンでも、うまくならないように、うまく歌っていることがよく伝わってきました(^^ゞそこは、さすがどんな役柄でも巧みに演じるストリープですねぇ。
印象に残ったのはグラントのうまさです。彼が演じるシンクレアの全てを包み込むような優しさにはきっと感激されることでしょう。彼はフローレンスが傷つかないように細心の心配りをしていました。音痴がバレないように、周囲に金をばらまき、マスコミを買収し、批判的なコンサート評が載った新聞は買い占めて、フローレンスに夢を見続けさせていたのです。
けれどもシンクレアには別な一面もあったのです。フローレンスが眠った後、こっそり愛人に会いに行くのです。しかも普段は愛人を囲っている別宅で暮らしていました。これは、フローレンス公認というからビックリです。その理由を探っていくと、健康に問題を抱えていたフローレンスの深い悲しみを知ることになります。シンクレアはそれを知っていても別れようとせず、彼女に尽くしていたのでした。ただ、離婚しない理由として、フローレンスの財産をあてにしている面もあることにはありました。でもシンクレアには、悪意はなかったのです。そんなフローレンスに対する一筋縄ではいかない愛情をグラントが、嫌みなく表現していて、直球の純愛よりも胸を打ちました。
他に、40年代のニューヨークの街並みを見事に再現しいて、臨場感たっぷりなのも特筆モノです。スティーブン・フリアーズ監督は、実話の面白さを損なうことなく、達者な役者たちの芸も生かして、当時の時代の気分を活き活き再現させてくれました。
注目して欲しいところは、本作の舞台が太平洋戦争中の出来事であるということ。カーネギーホールのコンサートも海兵隊の慰問という大義名分で実現にこぎ着けたのでした。またフローレンスのレコードが大ヒットしたのも、前線の兵士を多いに癒したことが、きっかけになったのです。
それでも日本と死闘を繰り広げているというのに、何とのどかな光景かと驚いてしまいます。日本と違ってこんな粋狂が許されるアメリカのお国柄について、フトコロの大きさを感じずにはいられませんね。
物語は、ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンス(メリル・ストリープ)が、自ら主催するクラブのチャリティコンサートで、彼女自身が歌うところから始まります。でも絶望的な音痴という致命的な欠陥があることに彼女は気づいていませんでした。
何しろ観客は社交界の名士ばかりで、誰も音痴を指摘しようとしないどころか、絶賛するばかりでした。それに気を良くした彼女は、本格的にソプラノ歌手を目指し始めます
そんな彼女の尽きない愛と財産は、音楽ばかりでなく夫のシンクレアにも捧げられていたのです。ふたりは、法的には結婚していませんでしたが、事実婚としてふたりは長く暮らしてきたのでした。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、高名な音楽家の指導を受けさせます。さらに、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていたのでした。
ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスでしたが、金目当ての音楽家から褒められて、世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出します。ただフローレンスはある持病を抱えていました。大きなホールでの単独ライブは、体力的に命がけの挑戦になると医者から警告されます。それでも音楽に生きる彼女のために、シンクレアも一緒に夢をみることを決めます。さあ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがります!
追伸
映画でははっきりと描かれませんが、カーネギーホール公演のわずか1ヵ月後にフローレンスは亡くなったそうです。まさに希望をかなえきった帰天だったのでした。
みんなが幸せだよね。けど、理解できない
音痴であることをみんなが隠して、フローレンスに歌わせる。観客は声が面白いから、身内はフローレンスを援助したらお金がもらえるから。
伴奏者はお金もらえて、音楽家の夢の舞台であるカーネギーホールで弾けた。
旦那もどきはフローレンスを支持しながら、寝るときは愛人の家に行き、フローレンスのお金で暮らしてる。精神的な愛でフローレンスと繋がってるって行ったけど、フローレンスがお金を持っていて、セックスが出来ない都合のいい人だから一緒にいるんじゃないって疑問。
フローレンスは旦那の愛を盲信。最後に自分が音痴であり、周りからバカにされても、「カーネギーホールで歌ったことは事実だ」と言って、亡くなる。
みんな幸せだし、綺麗な音楽を奏でるのが普通のカーネギーホールで音痴な歌を歌ったのは印象的で、面白いからみんなの記憶に残る。
でも、嘲笑されているのに、みんなフローレンスを活用してるだけに、思える。
価値観理解出来ないいい。
伝えたいこと分からないいい。
他の方のレビュー見てきます。
マダムが可哀想に思えてしまう
予告くらいしか予備知識もないまま鑑賞。
メリル・ストリープの浮世離れした奥様とヒュー・グラントの奔走する旦那様は可愛らしい夫婦だなぁと思いました。
ヒュー・グラント格好良すぎる…
ただ浮気してるわ奥様は生きてるのも不思議だわとなると楽しいだろうシーンも素直に楽しみづらかった…
確かに生殖本能的なのを考えると若い愛人がいるのも頷けるし「愛の形は一つじゃない」と言うから「あ、奥様公認なのね、それなら愛の形は一つじゃないわな」と思ったら結局隠したい愛だったし…
浮気となるとどれだけ奥様の為に頑張っていても「でも愛人いるでしょ?」と思ってしまう。
しかも奥様の資産で生きてる訳だから「金目当て…」と考えてしまった。
そういうの考えて観たらダメな映画なんだろうなぁと思った。
ラストは綺麗に締めてましたが色々邪推しちゃった。
ヒュー・グラントのダンスシーンは格好良かったです!
役者ヒュー・グラントが好きだから
何も事前の知識なく、試写申込みから、当選。実話と知る。実話として観ると、穿った見方をしてしまう。
フローレンスが資産家で、シンクレアには、愛人(?)いるしさ…。でも、この映画は、そんな穿った見方してたら楽しめないよ。
実話だけど、余計な説明染みた所がないのが良いね。(エンドロール中、ちょいと実在人物の解説ありますが。それ丸々信じたら、やはり本物の愛かと。)そして何よりも、これは良い役者が揃ったエンターテインメントだ!ヒューのいつもの甘い優しさと、『おいおい』って言いたくなるフットワークの良さ。コズメ役のサイモンも私、虜になりました。音痴なメリル・ストリープも可愛らしさと哀愁。酷い歌声に笑っていいの?って罪悪感すら生まれてしまうピュアさ。
取り敢えず実話は忘れて観よう♪
素敵な映画です。
音楽も素晴らしい。
因みに私も筋金入りの音痴な音楽好きです!
人前で全く歌えないから、カラオケさえパス!
誰か、私のシンクレアになってよ…愛。笑
脇役も含め、名キャストあっての映画です。あ~ぁ、素敵。
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