シング・ストリート 未来へのうたのレビュー・感想・評価
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音楽聴いてるだけで楽しい
80年代のアイルランドが舞台の本作。
両親の離婚問題、不況、転校先でのイジメや厳しすぎる規則。いろんな問題の中、1人の女性に完全にお熱になった少年コナー。
その女の子ラフィーナの為に、バンド発足。というか、お近づきになりたくて、バンドやってるって嘘ついたからそっこーでメンバー集めてバンド活動スタート★
そんな突然始めた割には、音楽好きの兄や、才能あふれるバンドメンバーがすぐに集まり、作詞作曲もできちゃって、愛しの彼女を誘ってMV作り。
冴えない少年が恋をして、音楽に目覚めたらえらい面白い事になりましたとさ。
ですが、どうしようもない悩みは悩みのまま。
50'sの米国のプロム(卒業ダンスパーティ)っぽいビデオを撮ろうとするシーンは映画の中で一番賑やかで華やかでみんな幸せそうなのに、現実は寂しい。
それでも彼らの初ギグのシーンはお見事。
これぞ青春映画。10代の若者が音楽を純粋に楽しむ姿はエネルギーに溢れていました。
バンドメンバーしかしどんどんカッコよくなっていったな。さすがやな映画は。
80年代の大流行した音楽がたくさん流れて、それを聴くだけでも楽しめます。サウンドトラック欲しくなる。
悲しみの中にも幸せを見つけて、最後は羽ばたいていく青春物語。スッキリした気持ちにさせてくれますよ。
なつかしい思い出
80年代、ヒット曲は何週も連続した。
見慣れてしまったプロモーションビデオが、これでもかというくらいローテされていた。
テレビを点ければ、ウッドベースをつま弾きながらスティングがEvery Breath You Takeと歌っていた。ジョージマイケルがケアレスウィスパーを歌っていた。フィルコリンズがワンモアナイトを歌っていた。マドンナがマテリアルガールを歌っていた……
今よりも、アーチストの動いている姿が、貴重なものに見えた。
極東の地方人にとって、それが見られるのはコンサートではなく、プロモーションビデオだった。
小林克也のベストヒットUSA、ピーターバラカンのポッパーズMTVを見るのが楽しみだった。夜中にやるのでとても眠かった。
80年代のプロモーションビデオは、稚拙な演出や誇張が目立った。
ヒューグラントとドリューバリモアのラブコメMUSIC AND LYRICS(2007)やこの映画には、当時のPVのキッチュ感が、よくあらわれている.
わたしはむかしから洋楽が好きだったが今でいう厨二であり洋楽一辺倒だった。
英米なら英。レーベルで言うとラフトレード、ヴァージン、ブランコイネグロ。ブリティッシュ・インヴェイジョンをとうぜんと思っていた。
いちばん手に負えない種類の洋楽厨だった。
が、いまと違い情報が無く、一人孤独に英米のロックを調べ発見し聴き収集していた。
よく西新宿に輸入盤を買いに行った。
あのころ、塩化ビニールの溝を、針が辿る、レコードというものを聴いていた。
それにまつわる再生機器は、何もかも滅茶苦茶に高かった。
秋葉原でテクニカの3万円もするカートリッジを買ったのをおぼえている。
カートリッジにおいて3万円は普及価格帯だが、わたしには痛かった。
それを買ったのはスクリッティポリッティのアルバムに、何か聞こえない音がある気がしたからだ。どうしてもカートリッジを変える必要がある──と信じていた。
すでにCDの時代にはなっていたが、それまでのレコードが山のようにあった。
なんとなく断ちきれない思いもあった。
ボウイでいえばtinmachineのあたりまで、アナログ厨だった。
映画で、主人公コナー君は、新しいアーチストとの邂逅のたび、それに傾倒する。
デュランデュランに傾倒してジョンテイラー、キュアをきけばロバートスミス、スパンダーバレーを見てニューロマンティック、ホールアンドオーツに惹かれてマンイーター。
面子をあつめてバンドを組み、外見や楽曲を模倣し、スターを夢見る。
わたしは、ただ聴いていただけで、なんにもしなかったのだが、あのころの楽曲とコナー君の衝動が、じぶんと重なって、一曲ごとに胸がしめつけられた。
In Between Daysを聴きながらハワードジョーンズにはしたけれどロバートスミスにはできなかった。ことを思い出した。ちなみに髪型だが。
ラフィナはキムワイルドを彷彿させた。金髪でブリッジのプロデューサー君、ドングリ頭のベース君が愛嬌たっぷりでかわいかった。また兄いのブレンダンがカッコよかった。
マンイーターを真似たモータウンサウンドを、プロムで生演奏、のシーン──がある。
現実のやっかいごとが解決して、みんなが仲良く一つになって、盛り上がった、と思ったらコナー君の妄想だったというくだり。理想と現実、どうしようもない隔たり。わたしも、あんな妄想を、何度したことだろう。
そのどうしようもない現実との隔たりを、何とか埋めようとする、コナーとラフィナの恋路が描かれている。
修道士長バクスターの面をかぶってのBrownShoesのシーン。ラーズのThereSheGoesをはじめて聴いたときみたいな興奮だった。
ラスト、海水に晒されながらロンドンへ向かう二人の小舟に、青春というコトバを思い出した。
ただしJohn Carneyは同世代=四五十代に懐メロを提供して涙をさそっている──だけじゃない。
バリーは、コナー君に目を付け、ことあるごとに、かれををいじめる。だけど、厄介者のバリーが、飲んだくれの親父から、虫けらのようにブン殴られるのをコナーたちは目撃する。ステージで、粗暴なだけのバリーが、生き生きとロードクルーをやっている描写がJohn Carneyの良心だと思う。ダブリンの低所得者層に寄り添っていた。たんなるノスタルジーのドラマじゃない。
監督がほぼ同世代ゆえ、じぶんの青春とかぶっていて、夢中になった英米ロック・ポップと同時に、懐かしい80年代を思い出した。
105分間、ずっと、死に際の、沖田艦長みたいに、なにもかもみななつかしかった。
John Carneyさん、ありがとう。
終わりは良かったが...
全体的に盛り上がりに欠ける。歌ももっとガッと爆発させてほしかった。特に最後の三曲目は不満に対するロックなのだから。
主人公と女の子の恋中心に描きたかったのは分かるが、メンバーに対する掘り下げが浅かった。特に遅れて入った3人はほとんど主人公と絡まない。メンバーとの繋がりが薄いから歌のシーンがみんなバラバラに見えて辛かった。
これは本当にどうでもいい個人の感想だが赤髪の子がすっごく可愛かった。ド真ん中タイプです。
メガネのあいつと友達になりたい。
「人の趣味の話聴いて盛り上がれる人にはたまらん映画」
・ダンサー・イン・ザ・ダークのように妄想し、ブルース・ブラザーズのようにバク転し、MJのビートイットのように刺し合い、バック・トゥ・ザ・フューチャーのように人を眺める。
あのシーン、素晴らしい。
・元軽音部の人とかは、ライブ中の変化ゼロの照明環境や、観客目線のリアルなアングルを観て、懐かしさと恥ずかしさで爆死できる可能性大。
・監督の好きなものが凝縮してる。人の好きなものとかの話を聴いて楽しくなれる人におすすめの映画。
・くすんでる現実と輝きすぎてる妄想の間がリアルに実現する。
・監督の今がストーリーの今後を語っている。
・劇中歌がだいたいプロが作曲しました感満載でクオリティ高いのに、「モデルの謎」だけガチゆるで最高。
・なんでも100賛成してくれるメガネのあいつと友達になりたい。
・100恋愛な感じにならないさじ加減が、毎作品いつも優勝。
・いじめっこのあいつが居場所をみつける瞬間がたまらない。
さらに音楽の力を感じる
昨日観た「はじまりのうた」と同じ監督の作品。
「はじまりのうた」と違い青春グラフィティなんだけど、楽曲の良さ、挫折を乗り越えて成長する過程は共通点。
こちらの方が最後はスカッとする。
さあ寝ましょ。
悲しみの中の喜び
演技、演出、ストーリー、音楽とどれをとっても優れていると感じます。この手の映画に求めるものとしては多くが高く評価できると思えます。
社会的背景も実にわかりやすく表現されており、主人公の心情は表情からひしひしと伝わってきました。
気になった点としては、ヒロインやいじめっ子の葛藤やバンドメンバーたちのそれをもう少し深掘りし、関係性を明白にして欲しかった点くらいでしょうか。
推測できる余白として残しているのかもしれませんが、特にいじめっ子との関係は、ラストギグにおいて曖昧であったように感じます。
様々な意見があって然るべきですが、私はこの作品を青春映画の定番としてこれから何度も見る機会を設けるでしょう。
ふつうううううううううう
80年代のヒットソングに惹かれて視聴。まーまー。話もそんな悪くないと思うが、主人公が楽器も弾けて作詞作曲も出来て、絵も上手いのが、すげぇーと思った。(けど何でもできすぎじゃん)
あと最後の船で行くシーン可能なの?ガソリン足りる?あと出たがりの黒人は何やねん。
ちょっと期待はずれ…
『はじまりのうた』が良かったので気になってたけど、あんまし共感出来ずイマイチ…
それにしても、素人が作ったわりには、良い曲が多かったな♪
ってゆーか、監督は俺と3つしか違わないのに、使ってる曲がひと世代上な気がする…
アダム(MAROON5)の曲が1番良かった♪
意外と観て良かった映画です
お父さん役以外、観たことない俳優さんでしたが内容も歌も、とっても良かったです。家庭(両親)が破綻しても、友人や彼女、お兄さんとの繋がりに涙腺が緩みそうに。学校に対しても、めげずに対抗。生きていくなら是非、前を向いて!と明快なメッセージも伝わってきました。
昔の曲が好きな人にオススメ
DVDで観ました。
色々な要素が詰まってて、ごちゃごちゃし過ぎず結構まとまってました。
a-haとか自分が好きなアーティストの曲がいくつか流れてたり、主人公達の演奏も話が進むにつれて上手くなったりと。
主人公のお兄ちゃんが好き
こういうお兄ちゃんが欲しかったなぁ。
Cool geeks love rock’n’roll and rabbits.
1985年のDublinは不況の真っ只中。
政治的には反発しても、経済的には英国に憧れるという感じでしょうか。
親は失業し、酒や不倫に溺れ、とばっちりは子供達へ。
主人公Conorの家も例外ではなく、両親は毎晩のように大喧嘩、そのお財布事情から転校することになった公立高校では、理不尽な言いがかりで、いじめっ子だけでなく、校長が暴力を振るってくる…(>_<)。
家庭も学校も、子供にとって散々な環境ですが、全く悲劇的には描かれておりません。
お坊ちゃんだったConorが、Raphinaに恋してバンドマンらしく変化していく様子が分かりやすいです。手当たり次第何にでも反発するという訳ではなく、恋の悩みを兄に告白したり、Barry the Bullyを仲間に入れたりと、素直で賢いロックンローラーへと成長した感じでした。
バンドメンバー達が、冴えないけど可愛いオタクっぽくて好感が持てました。Eamonの才能が凄すぎる。
オリジナルソングもどれも素敵でした。
強いて言うなら、素人の駆け出しバンドで、あれだけの完成度は奇跡的に感じます。即デビュー出来そう。
少し残念なのはRaphinaがとても16歳には見えないこと。化粧を取ってもせいぜい19歳〜?女の子が先に大人びてくるにしても、あどけなさが残っている子の方が釣り合ったかな。
宗教的規則や校則が大人にも生徒にも即してなかったですね。
ベッドで放し飼いのうさぎに、ここでトイレしちゃダメ!と説教するのが無意味なように、大きすぎるくらいの夢を抱いて冒険に出る若者を止めることも無理なのです。
所で、不遇の兄は弟の旅立ちに救われたのでしょうか。
また兄と弟に挟まれて存在感があまりなかったAnn。建築家を目指して軌道に乗っているからか、兄にあまり相手にされていないような…。残される2人のその後も気になります。
少しおとぎ話が入った青春物語と捉えました。同世代で爆音で観たら評価高くなると思います。
“Rock’n’roll is a risk. You RISK being ridiculed. “
“Your problem is that you're not happy being sad. But that's what love is..... Happy-sad.”
うだつの上がらない男子校生の日々を切り取ったオープニング、映像と音...
うだつの上がらない男子校生の日々を切り取ったオープニング、映像と音楽に早々にノックアウト。
デュランデュランのMVかっこいいんだよ!彼女を手に入れたいんだよ!理由なんてそれだけ。
カッコイイとモテたいが原動力の男子校生、単純で躊躇のない奴らの行動に清々しさを感じる。
家庭や学校全ての境遇への怒りが炸裂する、そのエネルギーが見事に音楽に移行されてスカッとした。
頰が赤い少年は、根拠のない自信だけでつき進む、そういう見えない力も必要だよね。
ちょーカッコつけてる傍にウサギ!なんともいえないとても良い絵だった。
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