「ロックは希望」シング・ストリート 未来へのうた kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
ロックは希望
女の子にモテたいとかも含め、音楽活動の素晴らしさと、それによって彼らを取り巻く世界が変わっていく状況を誠実に描いていて、グレートな青春映画だな、と感じました。
初めての音合わせとか、曲作りとか、初めてのライブの前の準備とか、音楽活動がもたらす高揚感が本当に丁寧に描かれていて、感動しすぎてちょっと泣けるレベル。
ロック=希望という真実を高らかに謳いあげている感動的な映画でした。
主人公・コナーと兄貴の兄弟愛も心に残ります。兄貴はコナーよりもロックを信仰しており、ロックの預言者です。ロックの本質を突いた助言はもはや神託。確かに、カバーなんかよりもオリジナルの方がいいよね!
その一方で、自分を諦めている兄貴の鬱屈も悲しみを誘います。マリファナ止めたり最後は詞を書いて渡英するコナーに渡すなど後半は復活の兆しが見えるので、弟に夢を託さずにいつかは自分の人生を取り戻してほしいなとしみじみ思う次第です。
オリジナル曲も良かったし、ヒロインも魅力あったし、ギタリストはコステロ似だし(狙ってるだろうね)、いろいろ楽しい映画でした。
日本との文化差を感じたのはマネージャーの存在。日本のアマチュアバンドには専属マネージャー文化はほとんどないと思われます。マネージャー大事だよね。コナーがバンドをスムーズに組めたのもマネージャーの尽力あってこそだし、敵対していたいじめっ子のスキンズを仲間に加えるとか、すごく力を発揮してる。イギリスではストーンズの昔からマネージャー文化があるので、アイルランドでもバンド+マネージャーという組み合わせは自然なのかな。
あと、バラードがライブで嫌われるところも文化差かな?ロマンティックだしチルアウトだし、女子の多いライブではバラードがいいスパイスになるのかなと認識してたので結構ビックリしました。
サントラも素晴らしかった!
Drive it like you stole itは超名曲です!