「テレンス・マリックのすることだ。」聖杯たちの騎士 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
テレンス・マリックのすることだ。
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テレンス・マリックがこういう映画を撮るヤツなのは分かっていた。
むしろそれを知らずに見に来てしまった人が気の毒だ。象徴的で抽象的なイメージ映像とモノローグの羅列。ストーリーなんてほぼ分かりません。
「ツリー・オブ・ライフ」は木と宇宙が象徴的に映し出されていたけど、この「聖杯たちの騎士」は強いてあげるなら「海」と「女」が象徴的かな?美しい女優たちとすれ違っていくクリスチャン・ベール。その姿はとても美しく、映像もとても美しくて雄弁ではあるのだけれど、「ツリー・オブ・ライフ」が精神世界どころか環境ビデオにしか見えなかったのと同じで、この作品もまるで「音のないミュージックビデオ」のようにしか見えなかった。美しい映像と、美しい登場人物たちと、水際の夕陽に、揺蕩うようにして浸ることが出来ればいいのだけれど、そこに意味を求めようとしてしまうと、あまりに雲を掴むようで途端に虚無感が襲う。
でも仕方ない。テレンス・マリックのやることだ。ケイト・ブランシェット見たさに、分かっていて観に来たんだから仕方ない。
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