しゃぼん玉のレビュー・感想・評価
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この男は、愛着と絆を掴み始めている。
この男は犯罪しかすることがなかったかというくらい人の心を信じていなく、持とうとしななかった。生まれた環境も悪かったが、やったことも相当だった。人は金の宝庫、としか。
途中に若い女性が出てきてからこの人の心境は変化した。途中で出て徐々に打ち解けていった女性の過去が、自身の行動を反省するトリガーとなり、自身の行動を反省していった。
最初これが恋愛モノに発展するシナリオなのか?と悪い意味でハラハラしていたが、さっぱりしていた。フラッシュバックを起こし、おそらく罪悪感から(友人としてすら)仲良くなることに躊躇したと思われる。
ばあちゃんの愛情を利用した子供に対する取っ組み合いがあった時点で、家族に対する感情?縄張り意識が芽生えていたと思われる。
受けていた無償の愛に対して懐疑的だったから、最後過去を打ち明けたんだと思う。
最後行くところがある...の意味が読み取りきれなかった。
家の飼ってる柴犬に語りかけるシーンが何度かあったが、犬に対する言葉も、家族に対する愛着心と口調が比例していて、反映されてて良かったです。最初にタバコを吸うときは家族に対してまだ打ち明けておらず窃盗の記憶が鮮明だったときと、そばにいるのが当たり前のように語りかける口調と、家族に語りかけるような口調というように。
自然な日常的な流れが(意識されていたのかはわからないが)良かったのかなと思いました。
癒されていく主人公
市原悦子のはまり役だった。温かくてでも芯があるお母さん的な演技は彼女ならでは。惜しい方を亡くしたなあ。綿引お父さんもできて、主人公は癒され和んでいく。主人公の身の上でなかった家族の愛情にぎこちない感じが良いね。
途中から登場の彼女との関係がもう一押しあると、物語が膨らんだかな。ここが残念な感じ。
ベタなストーリだけど、宮崎の山あいの風景も美しく満足。
しゃぼん玉
最初に原作を読んでから、映画を見ました。ほぼ原作に忠実で、本では味わう事の出来ない(宮崎県椎葉村の)風景にも目を奪われました。本と違い映画には、時間的な制約が有ると思います。なので、私の感想は多少とも無理が有るかも知れません。でも、少しばかり違和感を感じた所が有ります。①主人公の若者が、悪事を繰り返した部分②トラックに乗せてもらい、そのトラックの運転手から、途中で放り出された部分、この二つが説明不足の感が有り、(本では説明されていましたが)なぜ椎葉村に来たのかが良く分かりませんでした。ただ、③最後のシーンでは、刑期を終えて椎葉に戻った時、老婆が高齢なのに待っていてくれた事を示すシーン、この部分は映画のほうが、見る方に正確な想像を想起させる点において、勝っていた、と感じました。
優しく温かい映画。
暗い映画でもあるけど、人の温もりを感じることができる、素敵な映画でもありました。
自分は、お母さんやおばあちゃん、お父さんから愛情を感じ、育った。
人の温もりを知っている。
それは、とても幸せなことだ。
自分を受け入れてくれる人、
自分を必要としてくれる人はどこかにいて、
その人たちに、「ありがとう」と感謝される。
そんな人生を送りたい。
"今、お前が身につけることは、
逃げることではなく、
厳しいことに立ち向かっていく力だ!"
「しゃぼん玉とんだ、(宮崎の)山までとんだ、山までとんで“壊れもせずに消えもしなかった”」
①泣かされた😭ただ原作で泣かされたのでその読後感と併せて泣いてしまったのかどうかは微妙なところ。②原作は一人称ではないが全て翔太目線で描かれている。だが映画というのは観客目線で作られるもの。翔太の心の振れ、翔太を変えることになったもの、は全てカメラを通して観客に伝えられる。ここを間違えると『映画』としては成立しない。③スマ婆ちゃんやシゲじいの台詞はほぼ原作通りの内容・量である。問題は翔太の台詞だ。原作での翔太の独白を台詞にせず、ここでの林遣都扮する翔太は美知と話するシーン、ラスト近くにスマ婆ちゃんに告白するシーン以外は悪態は多いがあまり喋らない。ここが巧いと思った。
実際の田舎はもっとよそ者に厳しいというか排他的だと思うんだけど、こ...
実際の田舎はもっとよそ者に厳しいというか排他的だと思うんだけど、これはフィクションだし、孫だと思われてるからまぁいいか。
「うめー」「うめー」の連発に「ヤギ」と言ったのには笑ったw
乃南アサの原作未読。ひとの優しさ
雨の中のひったくりをスローモーションで見せるオープニング
もの凄い田舎、雲海が見える山の上
宮崎県椎葉村
腹減った〜後にタイトル
犬
わらわらと婆さんが出て来た
猪の味噌漬け他どれも美味そう
ええ名前じゃねぇ
超人的回復の市原悦子
箸の持ち方がらしい。
すぐ刃物出すビビリ
おにぎりでかい
なんでん気づいたときに直したがええ
髭剃った
祭り?
坊はええ子じゃ
逃げるなやれば出来る
ファーストシーンと顔つき変わった
椎葉平家祭り
やっぱり感謝されると嬉しい
シャボン玉みてえなもんかな
通り魔事件
えづく、会えない。眠れない。神経が細い
へそくり見つけちゃった
このタイミングで実のクズ息子登場
やられる側の気持ち
帰ってくるまで待ってて欲しい
フルネーム名乗った
罪の告白
戻ってきたいんだ
ちゃんと償っておいやれ
いっておいやれ
3年で出てこれたんや!
エンディング曲かぶせんでー
秦基博の歌はいいアコースティックバージョン
家の灯りだけはいい
やさしいおはなし
最初のシーンがなかなか殺伐としていたので、
殺伐としたシーンや策謀なんかが盛り込まれるのかと思ったら全然そんなことなく。
あったかくて優しいはなしでした。
美味しくて暖かいご飯と、「迎えられること、頼られること、受け入れられること」といった柔らかな人との繋がり、なんかが椎葉村の、風景の美しさとともに素直に描かれている。
主人公の具体的な生い立ちや背景が見えづらいから、
「この結末でいいのか?」と言われたらちょっと
肯定しかねる(とくにヒロインの人との今後の関わりは、とても難しいものになる。彼女にとっては苦痛だったりするんじゃないだろうか、とか。彼の正体をニュースなどで知った村の人が果たして受け入れてくれるんだろうかとか)
んだけど、市原悦子の「坊〜」という声で、なんだか全てのそういった不満や不安が溶けてしまう。
最後に主人公は漸く人に頼れたんだなあ。
私も撫でられたいなあとか。祖母との思い出を思い出したりなどしました。
優しい雰囲気、優しい話。
心がトゲトゲした時にまた見たいかもしれない。
やればできるってことは、わしが一番よくわかっちょる
映画「しゃぼん玉」(東伸児監督)から。
社会や自分に対して、自暴自棄になっている青年が、
宮崎県の山深い「椎葉村」の人々に支えられながら、
自分の居場所を見つけ、少しずつ更生していく。
物語的には、普通なんだけれど、
女優、市原悦子さん演じる「スマ」さんがあまりに温かくて、
観ている私まで癒され、涙腺が緩んだことを記しておきたい。
私も「ぼうは、えぇこじゃ」って頭をさすって欲しくなった。
また「シゲ爺」と呼ばれる老人が、青年を山に連れて行き
キツい仕事をさせながら、自信を付けさせるシーン。
こんな言葉でアドバイスをした。
「お前、もっと厳しい目に合わんとダメかもしれんな」
「俺、嫌いなんだよ。厳しいの」
「お前はいつだって逃げることばっかり考えている。
けど、もういいかげん自分から向かっていく力をつけにゃ。
やればできるっことは、わしが一番よくわかっちょる。
今のお前に大切なのは逃げん癖をつけることだ」
数日間だけど、辛い仕事を一緒に過ごした「シゲ爺」からの
「やればできるっことは、わしが一番よくわかっちょる」は
何より嬉しい言葉だったに違いない。
誰かが自分のことをわかってくれている。
それこそ、荒んだ心を治す、特効薬だったかもなぁ。
【見知らぬ若者への村人たちの素朴で温かい気持ちや態度に心癒される、人間の善性を見事に表した映画】
イスミ(林遣都:彼には珍しい汚れ役である)が、自らの罪を償う思いへ傾いていく姿を林遣都が絶妙に演じている。
罪から逃げるように椎葉村の山道を歩くイスミは怪我をして倒れていたスマ(市原悦子)を”面倒くさそうに”助けるが、スマは彼の素性も訪ねずに自らの家へイスミを誘う。
ぶっきら棒なシゲ爺(綿引勝彦)に椎葉村の奥深い山に連れていかれ、猟をし、ヘトヘトになって帰ると、そこにはスマが待っている暖かい灯りがもれる平屋の家と食事が待っている・・。
イスミの荒れた仕種、風貌が徐々に変わっていくところが良い。それは口のきき方であったり、箸の持ち方であったり・・。
徐々に山の生活に馴染んできた彼は、麓の祭に参加することになり、ある人物と出会う・・。
今作は故、市原悦子さん演じるスマの無私の姿が雄弁に人間性の善性を物語る。
<ラストシーンは涙なくして、観れない作品である。又、偉大な女優さんに有難うございました、と心の中で呟いた作品>
<地元の映画館で、何故か公開後1年経って上映されたが、大変感謝感動した作品である>
<2019年3月16日 劇場にて鑑賞>
「坊はええ子じゃ」がリフレインする
強盗・人を刺すという犯罪からの逃亡中に迷い込んだ、ポツンと一軒家的な家に住み着いて、ばっちゃんとの生活と祭りを通して自分の罪に向き合うという作品。
劇的なことがあるわけでもなく、ぶっきらぼうなイズミとぶっきらぼうな田舎の人たち。何のバックグランドを詮索することもなく、目の前の今の姿・状態をそのまま受け入れ、交流が進んでいく。
折々に「坊はええ子じゃ」と全面的に肯定する大いなる母性が自然と罪と向き合うことに導いている。シゲ爺のぶっきらぼうなのに面倒見がいいのがこれまた見つめ直すきっかけを作っている。
これまた偶然に都会でひったくり・襲われてトラウマ抱えて戻って来た若い女性との交流も更生の1つとなる。
自然と田舎の純朴さは心を浄化させるはたらきを感じる。
都会で馴染むとは干渉せずにただ近くに存在する、田舎で馴染むとは敬語なしでそれぞれのプライベートにも干渉していくことなのかもしれない。
愛情の無償性が試されている
赤の他人同士がひと月一緒に過ごしただけで親子になれる、
という設定からして無理があり、全体的に雑な話ではあるものの、
観賞後にやさしい気持ちになれる良い映画。
主人公が求めているものは絶対的な愛情のようで、
境遇からしてそこを望む気持ちは理解できるけど、
残念ながら限界があることに気づかないとその後も生きづらいだろうな、とは思った。
しゃぼん玉みたいなもの
市原悦子さんの出演作、代表作はたくさんあり何度も目にしているにも関わらず、このスミさんはスミさんでしかないのが凄い。本当に宮崎に存在してるんじゃないかと思わせる。
林遣都さんも、役者の幅のある方だなと毎回感動しています。
ストーリーはステレオタイプなのですが、役者さんの演技や風景が世界観をしっかり作っていて、なんだか実話の様に感じさせてくれます。
女の子も、主人公の贖罪を促すきっかけとなるところで、結ばれない上に中途半端なお別れになっているところが良かったと思います。
泣いてしまったし、心が温まる良い映画でした!
林遣都ファンです
涙腺崩壊しました。自分のありのままを受け入れてもらえることで、過去を反省し更生できること、一方自然の中で、また自然の中で収穫した食事を通じて、悲しい幼少時代や自分の犯した罪を振り返り、大切な人ができてやり直そうとする主人公が描かれています。心の移り変わりを林遣都くんの目で感じることができて、ファンとしては感無量の作品です。
もう一度劇場で観たい作品です。
そこにいていいと誰かに許されたい
予告編の市原さんの「ぼうは、ええ子」という台詞だけで、物語を見ていないのに涙がこみ上げ、自分も誰かに肯定されたがっているのだと気づきました。
孤独な人が心を開いていく姿が観たくて観に行き、望んだとおりのものを観せてもらえました。
ただ、食べて寝てまた食べて、おばあちゃんじゃないけど「いつまで寝てるんだ」(笑)と思いながらも、伊豆見の表情がほんの少しずつ変わっていて、いつのまにか可愛いと思えるようになっていく、その過程の林遣都さんのお芝居も素晴らしいし、料理や犬や風景、そうした場面の絶妙な長さと配置の良さなのだと思いました。
おばあちゃんが、ただ田舎の人はいい人だとかそういうことではなく、伊豆見の存在を必要としていたのだとわかる、それがあるから、できすぎたおとぎ話では終わらない。
相島一之さんが本当に嫌なダメなやつで、だからこそ、その背中が切ないです。
この後の人生がめでたしめでたしであるわけはないのですが、誰かに愛してもらった記憶が、きっと伊豆見を支えると思いたい。
おばあちゃんに会いたい
ありがちなストーリーだなあ、と最初は思いましたが、林遣都さんと市原悦子さんの名演技で、最後まで引き込まれました。ラストは涙が止まりませんでした。そして、数年前に他界した、私の大好きなおばあちゃんを思い出しました。どんな事があっても、慈愛の心で温かく迎い入れてくれる、大好きなおばあちゃん。
ラスト、スマ婆ちゃんの家から出て、車に乗り込んで警察に出頭する姿は、すっかり別人の様な面持ちでしたね。俳優さんって凄いなと思いました。
田舎の老人たちがここまで優しく見ず知らずの人間を受け入れてくれるの...
田舎の老人たちがここまで優しく見ず知らずの人間を受け入れてくれるのか?疑問を感じる流れでしたが、市原さんのいい演技でうまく展開されていったのかな。
祭のあたりなど、宮崎の街おこしPR映画見てる気分にもなりました。
最後は主人公が更正して里帰り、きっと市原さんには暖かく迎えてもらえるんでしょう。村自体にも受け入れられたらいいな。
もう一度観たい
主人公の最初の表情
ひったくり、人をナイフで切る
その表情から、徐々に変わっていく過程が素晴らしい。改心してから村を出る時、そしてその後
安心して観れる、そして感動させられる。
また人生はやりなおせると自分の息子にも伝えたくなる。
もう一度、観たくなる良作
大切にしたい人には嘘をついてはいけない
女性、老人などをターゲットに通り魔をして生きていた若者が、ひょんなことから田舎の老人を救い、そこに居候してそこの人々との交流を通して更正していく姿を描いた作品。
とても感動的なお話ですが、決して重くなく、特に序盤はコミカルなシーンも多く、人間らしい愛らしい人々の姿に心温まります。人間らしいとは何かわからないけど、食べて働いて周りの人と話してってだけで、ちゃんと充足感を感じられるもんだなと改めて思いました。
全体としては田舎ファンタジーですが、すぐに噂が広まったり実は陰湿さもあったりと山間の集落から出た世界には現実感もあり良かったです。最後の終わり方もエピローグがあるけど描き切らず、ちょうど良かったです。美知との関係性についてはちょっと中途半場だった気がします、、、彼が通り魔をしていたと聞いて同じ被害にあった彼女がどう思うか、どう反応するか、これが解決しないとあの村では生きられない気もするので。
気づいた時に直せばそれでいいとか、大切にしたい人には嘘はついてはいけないとか、逃げるばかりではダメお前はやればできるとか、婆ちゃんとしげじいから言葉がグサグサ刺さる反面、勇気をもらえました。なんというか本質をえぐらずさわさわしてる感じが優しい。
市川悦子さんが本当に現地の人のように見えるほどかわいらしく、ポジティブで真っ直ぐなスマお婆ちゃん役、見事でした。最後の翔人を見送るシーンの寂しい表情、名シーンだと思います。林遣都くんも段々と心を開く翔人役良かったです。綿引さんも田舎の強くて頑固なしげじい、でもちゃんと深い優しさを感じられる、いい役どころでした。
予告編見ただけでも泣いてしまうぐらい心を動かされて記憶に残る作品でした。素晴らしい景色とおいしそうな料理の数々も魅力です。
育て直しとやり直し
どうも日本映画には、地味なご当地映画であるためあまり話題に上らないけれども実は名作、という系譜があり、
(2016年で言えば比嘉愛未・鈴木保奈美主演の映画『カノン』)
この作品もそんな隠れ名作のひとつだった。
荒んだ心を持つ強盗犯・イズミが田舎に逃げ込み、スマやシゲ爺、美和と触れ合い人の温もりを感じて贖罪に至るという、キャッチーなあらすじながら、丁寧な脚本と美しい映像で仕上げているためか、素直な気持ちで感動しました。
イズミが再生に至る過程において、スマの包容力が不可欠なのは予想できます。それだけでなく、厳しい山仕事をともに行い、やり抜いたイズミをきちっと評価するシゲ爺の存在もイズミの再生に不可欠なんだよな、としみじみ実感。
イズミはスマやシゲ爺の力を借りて自分自身を育て直していったのだな、と思いました。
育て直し・やり直しはイズミだけではなく、実はスマもしていたのでは、と感じてます。
息子をしっかり育てる(もしかしたら愛する?)ことができなかったという、息子及び自分自身への罪悪感が、イズミを大切に世話をする原動力になったと思う。イズミに息子を重ね、できなかった100%の優しさをかけたのだろう。
息子に対してはきっと「坊は良い子」と受容できなかったんだろうね。スマは子育てをもう一度やり直したかったのではなかろうか。
あと、藤井美菜演じる美和は、とても爽やかで魅力的でした。田舎の風景と彼女の透明感ある美貌はとてもマッチしている。カジュアルファッションで田舎に佇む藤井美菜には持って行かれてしまった。美和がイズミに恋して浮かれる感じは観ている方としても幸福感を味わえました。
秦基博のエンディングテーマも良かった。アイはややスタンダード化した名曲だけど、この映画のエンディングで聴くと、男女の性愛としての「アイ」ではなく、もっと広い意味での「アイ」を歌っているように思えてなりません。
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