しゃぼん玉のレビュー・感想・評価
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母性と地域社会の理想像に癒される
市原悦子が演じる農村の老女のキャラクターがいい。働き者で、親不孝息子を信じ愛し続け、素性の知れない流れ者でさえも疑うことなく面倒をみる。あふれんばかりの慈愛は、すさんだ主人公だけでなく、スクリーンを越えて観客の心をも癒してくれる。
原作小説の舞台で、実際のロケ地にもなったという椎葉村の風情も趣がある。山あいに農地が広がり、里山があり、しかしへき地というほどでもなくて、町のにぎわい、伝統的なお祭りもある。ここで暮らす人々の温かさに、都会暮らしで凍てついた心がとかされるのもよくわかる。
中盤あたりから出てくる藤井美菜も、さっぱりした性格の役どころでいい雰囲気。主人公との関係は、終盤にもう少し踏み込んで描いてほしかったと思う。ご当地映画の側面もあるので、その辺はさらっと軽めに、という意向があったのかもしれない。
刑務所で囚人に見せたい映画No.1。チンピラたちに見せたい映画No...
刑務所で囚人に見せたい映画No.1。チンピラたちに見せたい映画No.1。
人って環境が大事ですね。だが、不遇な環境だったからといってもやったことの責任は免れない。
林遣都、似合ってた。藤井美菜さん、お綺麗。
J:COM
【これからが、これまでを変えていく】 オールタイムベスト★ 何度見...
【これからが、これまでを変えていく】
オールタイムベスト★
何度見ても考えても泣いちまう。
もうなんで泣いているのかさえ分からなくなる。
大好きな市原悦子さんの遺作でもあり、心を整える一作でもある。
【あらすじ】
通り魔殺人で逃亡中の男が、字をに巻き込まれた老婆を助け
山奥の自宅で世話になるというストーリー。
初めは自堕落な生活で警察に怯える毎日だったが、自然の豊かさ
人の温かさに恵まれ心を溶かし改心していくのだが…
市原悦子さんのTHE優しいおばあちゃんの役に癒される。
「頑張った…!よう頑張ったね…!」となんでもない事で褒め、
優しい子だと労い、一緒に食事を囲む。
勿論主人公である泉にかける言葉なんだけど、
私たちにも声をかけてくれているような安心感のある存在なんだよね。
主人公とおばあちゃんの関わりを通して、自然と周りに感謝したくなるような気持ちを整えるための作品であり、田舎の自然と人の温かさ、距離、お節介にやややりずらさを感じながらも、その繋がりが誰かの過去を暖かく包むこともあると気がつかせてくれる。
犯罪者の更生施設や刑務所でも視聴される作品と聞いて納得。
今でもロケ地には感謝の手紙とか電話が来るらしい。
それだけ影響力のある映画だったということよね。
ラストのカット、どんな顔で再開したのだろうと想像するだけで泣けるんだ。
ただ感動した~~と消費するだけの映画じゃない。
刺々しい毎日におばあちゃんの温かさを感じ、休息と原点に戻る機会をもらえる作品。
DVD買いました
人生を諦めかけた青年が自分を見つめ直す!
機会を与えられたストーリーでした。
親からの裏切りにも見える生い立ち、
罪を重ねてきた青年が宮崎の田舎町で
お年寄りの女性スマと出逢う!
スマの手料理を味わい、無骨に見えても
自然の恵みを受けて、徐々に心を開いていく
姿が山の晴れた美しい風景と共に描かれていました。慣れない山登りの収穫に悪戦苦闘したり、犬に話す場面もユーモアを感じました。
村の平家祭り、結ばれなかった男女を
巡り合わせると言う由来、祭りの手伝い
ミチとの交流を通して
また、やり直したい!
新しい再出発ができると思いました。
坊はええこと自分を信じてもらえることで
愛されている実感が湧いてくる作品でした。
主題歌が秦基博さんのアイだったことをきっかけに 映画を見たあと原作...
主題歌が秦基博さんのアイだったことをきっかけに
映画を見たあと原作も読みましたがそこまで大差は無いように思ったので原作を忠実に再現してるのだと思いました。
坊がおばあちゃんの優しさで変わっていくのが本当に素敵でした。生きていく上での環境の大事さを改めて感じました。
世界中がおばあちゃんのように優しさで溢れた人ばかりになればいいのに、、
ええ歌
市原悦子の田舎のおばあちゃんがいい。
田舎の人たちと触れ合うことで、毒気が抜けていくというか癒されるというか、気持ちが和らいでいく。
そのとき自分のしてきたことが重くのしかかる。
ラストに流れる秦基博の疑ってしみる。
帰る場所
物理的にだけではなく精神的に帰る場所があるとこんなに安心して生きていけるんですね。坊を観ていて思いました。宮崎県の自然、人への思いやり、邦画の良い所が詰まった作品です。あんなお家に住んでみたいなあ。市原さんも綿引さんももう居ないということが寂しい。
役者さんの演技力が光る映画
何気なく観た映画でしたが、とても素晴らしく、心に響く映画でした。
派手なシーンや演出はなく淡々と進むストーリーですが、宮崎の美しい田舎の景色と役者さんの素晴らしい演技で、映画の世界に引き込まれました。
林遣都さんは、少ないセリフながらも、視線や表情、所作で主人公の複雑な心情の変化を見事に表現されていて、そこにベテランの市川悦子さんと綿引勝彦さんの演技が加わり、役者さんの演技力に魅せられました。繰り返し観ることで気付かなかった細かな表現も発見することができたり、何度観ても飽きない映画だと感じます。
原作のイメージがそのまま再現されている印象でしたが、「お前なんか死んじまえ」と主人公が叫ぶシーン、そして最後の3年後を描いた映像のみのシーンは、原作よりも映画の方が好みでした。
きめ細やかな心情を描く素敵な映画に出会えて良かったです。
いい映画に当たりました!
暇な巣篭もりでTVはコロナのニュースばかり、ふとプライムビデオで見つけたしゃぼん玉
キャストが良いのと、少しこちらのレビューみてみる事にしました
いやーほのぼのとした内容ですが、
って本当はほのぼのじゃないんですよ
ひったくり、強盗致傷ですよ
たまたま逃げた先で何となく流されて村人達と触れ合う
そのうちに改心していく。
よくある話しなんですけど
市原悦子さんの優しいお婆さん役歩いてるだけで涙が出そう。
それと林遣都くんは、上手いねぇ
オッサンずラブで知名度上がり、去年の姉ちゃんの恋人でもとても素敵な役柄でしたが
パレードみたいなちょっとわからない役や、ゲイの役なども多くこなしてて、味のある俳優さんで好きです。
自然と普通の日常を見ている様ですが、宮崎県の素敵な土地も一役買っていて。
素敵な映画でした。
残念なのは公開を知らなくて映画館で観れなかったこと。
エンドロールで流れる秦基博さんの曲に更に癒されました。
人におすすめしたい映画でした
しゃぼん玉
ばあちゃんとシゲ爺の日常の何気ない言葉が主人公の心に刺さる。彼らの優しさに触れて、主人公は変容する。
優しさは伝染する。
田舎ののどかさや方言の心地よさも、都会では味わえなくて良い。
メッセージが分かりやすいのもこの作品が評価されている理由かも。
市原悦子の存在に頼りすぎて微妙!!
出だしは観た事のないような独特の雰囲気で期待しましたが、市原悦子の存在に頼りきっていて、主人公がどう改心したかの繊維な箇所は伝わってきませんでした。凶悪犯なので無理だと思います。樹木希林作品と同じような雰囲気映画でした。
危うい感動
大変感動的な作品で思わず嗚咽が漏れてしまいました。
しかし、強盗致死障害はどうやらハンパな罪ではないようです。そこまでの罪を犯した人間を、鑑賞者が色眼鏡で見ることをしないと言うのは少し安易な予測ではないでしょうか。つまり、この映画は鑑賞者が坊は本当は善人であるという確信をもたなければ成立しない映画であると思います。
自分も途中まではこの野良犬がいつまで良い子のふりが続くか疑問だとワクワクしていました。しかし、ストーリーの進み方からしてそういう展開はなさそうだと感じ、じゃあいつどう改心するのかを待ち始めます。
最初の食事のシーンからしてあまりリアリティがあるとは言い難いですね。自分の中にある恐ろしく醜い偏見ですが、ああいった思慮が浅く、人から奪う事になんの抵抗も覚えないような人間は、出された田舎臭い食事を美味い美味いなどといって食べる訳はありません。食べたことのない物は「まずそう」といって決して手をつけず、肉しか口にせず、食後すぐに「はらへった」などと言ってカップラーメンを啜るような食事こそが彼らの現実の食事です。
書いていて思ったことですが、当然本当の善人も本当の悪人もこの世にはいるはずもありません。村の生活と老婆の善性に感化されて良心が芽生えるというストーリーなのでしょうか。そうならば非常に心打たれる素晴らしいストーリーだと感じます。
最後に警察に行くシーンには涙が止まりませんでした。
しかし、現実にはあの田舎で前科者がうまく溶け込める筈もなく、帰ってからが本当の禊、自分の罪の意識と償いというものを心から向き合う地獄になるでしょう。そういったことを考えると、また心が痛み涙が溢れました。
単にほっとする映画でもない奥深さ
闇に落ちた青年が田舎暮らしを経て再生するまでのストーリー。
単に良い人ばかりのほのぼのストーリーでもなく、勧善懲悪でもなく、悪い人もそれにより傷付いた人もそれを乗り越えて必死に善い人であらんとする人もいて、宮崎県の美しい田園風景とは裏腹に、なかなか奥深いストーリーだ。時間の経過とともに林遣都演じる伊豆見の身なりが整っていくのが象徴的。語られなかったが、3年で刑期を終えられたということは、殺人にはならなかったのだろう。
市原悦子さんはさすがの演技力だった。晩年だったので仕方ないが、もう少し若い頃のシャキッとした市原悦子さんが懐かしい。
今のお前に必要なんは、ちゃあんと誰かに見ててもらうことじゃな。
原作既読。そのせいか、映画で描かなかった場面まで脳内補完されてしまっている。
田舎の婆さんが知らずに逃亡犯を匿う。牙剥き出しの荒んだ神経の逃亡犯が、田舎の純朴さに心を洗い清めていく。・・よくあるストーリー。ゆえに役者の腕の見せどころ。その点、林遣都もよかったが、やはり市原悦子の抜群の存在感がいい。捉えどころがない佇まいは、あの柔らかい声が作り上げていく。「ぼうが、ええ子なとは、婆ちゃんがよおく知っとる。」と愛情あふれる言葉が抱きしめてくれ、冷え切った心が温もってくる。だからと言って全幅の信頼を寄せてはいない。そこは他人なのだ。だけど、親切にはちゃんと親切で応えてくれる。だから翔人も体を動かすのだ。この女優が鬼籍に入られたことが惜しまれてならない。
そしてシゲ爺の存在。田舎だからと言ってけして優しさだけでなく、厳しさもあることを示す。ぶれない態度でいつも。それが次第に翔人の気持ちに働く喜びが生まれてくる。そう、誰かに頼りにされ、見ていてもらえることの幸せをかみしめながら。
美知の存在は、原作でも尻切れ感があった。彼女を出さないと改心のきっかけがないのだけど、あの出番ならばもう少し距離(例えば、会ったことのないシゲ爺の孫の話に変えるとか)があってもいいんじゃないかと思えた。
小説では、翔人と婆さんの会話で、村には中学までしかないから子供たちは高校から村を出て、そのまま帰ってこないことが多いと話す。なかには中学から親元を離れ、寮に入る子もいるらしい。寂しくないのかという顔を翔人がすれば、「立派な人に育って欲しいって親たちは皆そう思っちょるけえのう」と婆さんが言う。「こんな村から?」と翔人の疑問に対する、「こげな村だからじゃ」の答えには、子を思う親の愛情が滲んでいた。そんな婆さんに「自分で大事にしたいと思うもんにはの、嘘はいかんとよ」と諭されれば、ほろりとくるわな。だから最後のシーン、家の灯りが点っているだけで、こちらももらい泣きをしてしまうのだ。(シゲ爺とは原作通りのシーンがほしかったけど)
余談ながら。
僕は去年の今頃、この舞台の椎葉村を旅で訪れた。柳田国男や宮本常一で読んだ土地をこの目で見たかったからだ。人吉から向かう国道は驚愕の山道で、道は狭隘で片側は崖下の奈落。想像を軽く超えていた。峠を越えてたどり着いた椎葉村は、たしかに山、山、山。ここに住む人々の不便さを思いやった。平成16年発表のこの小説では、「香川県の1/3の面積」というほど広大な村に、人口3,700人だと書かれていた。気になって調べると、大正から昭和初期には10,000人前後を行ったり来たりしていた。その頃から半分は切っていたようだが、想定内ではあった。それよりも驚いたのは、現代令和元年にはなんと2,579人にまで激減していることただった。発表の数字に頼れば、ここ10年で1,000人以上も人口が減っていることになる。これから数年は更に加速するであろう。
やり直しができる。
犯罪を起こし逃げてきた若者が、怪我したおばあちゃんを助けて一緒に暮らすことに。
山での暮らし。おばあちゃんの優しさ。周りの人達に触れてだんだんと心が柔らいでいく。
林遣都の心の葛藤がいい感じでうまく演じられていました。
市原悦子の独特の語り口で心が癒されます。
包み込む優しさがそこにはありました。
自分の居場所を見つけて。警察に。
人の温かさに触れて罪を償って帰って来る。
仲間のところに。胸が熱くなりました。
エンドクレジットをチェックしてると那須姓、椎葉姓が多かった
田舎の祭りはいいもんだ。老婆スマの温かさもさることながら、間違いに気づいた伊豆見の改心に泣ける。人間性善説と言ってしまえばそれまでですが、出自とか周りの環境とかに人生を決められるのはとんでもないこと。たまにはリフレッシュして田舎の人たちの心に触れたくなるなぁ・・・
人生80年。20代で人生を決定しちゃもったいない。やり直す機会もいっぱいある。多分40歳くらいまでは何でもチャレンジできるのだ。一番可哀そうだと思えるのはスマの息子。息子だから50~60歳くらいなのだろう。もうやり直すこともできやしない。
しゃぼん玉なんて、しばらくすると弾けて消えるもの。悲観的になっちゃいけない。などと自分を励まそうとしてみるのですが、もうすでにあの息子くらいの年齢。ハゲ増すくらいだな・・・感想書きづらい。
むかーしむかしの事じゃった
「ある日ばあさんが出かけた途中で怪我をした。そこへ見ず知らずの若者が通りかかってばあさんを助けたそうな。それからばあさんはその若者を命の恩人として、家に泊まらせ飯を出し、お礼をしたそうな。」
「あん」からの流れで、またもやAIに勧められるまま観た。
序盤は市原悦子の語りで済む様な話。
藤井美菜に会って平家まつりの件を聞き、更に藤井の経緯を聞き、市原の息子と喧嘩になった所で、嘗ての自分を振り返る事になり、常々言われたシゲ爺の「逃げるな!」と最初から最後まで褒めてくれた市原に、人の温かさを感じていく、林遣都の変化が素晴らしい。
そしてラストのばあさん家の温かさと、秦基博の歌が沁みる。
シゲ爺もお元気そうで何より。
いわゆるの地域映画かなと思ったけど、主人公の変化がしっかり伝わる脚...
いわゆるの地域映画かなと思ったけど、主人公の変化がしっかり伝わる脚本で、非常に良い作品だった。林遣都さんと市原悦子さんにがっつりやられて泣いた。
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