「やればできるってことは、わしが一番よくわかっちょる」しゃぼん玉 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
やればできるってことは、わしが一番よくわかっちょる
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映画「しゃぼん玉」(東伸児監督)から。
社会や自分に対して、自暴自棄になっている青年が、
宮崎県の山深い「椎葉村」の人々に支えられながら、
自分の居場所を見つけ、少しずつ更生していく。
物語的には、普通なんだけれど、
女優、市原悦子さん演じる「スマ」さんがあまりに温かくて、
観ている私まで癒され、涙腺が緩んだことを記しておきたい。
私も「ぼうは、えぇこじゃ」って頭をさすって欲しくなった。
また「シゲ爺」と呼ばれる老人が、青年を山に連れて行き
キツい仕事をさせながら、自信を付けさせるシーン。
こんな言葉でアドバイスをした。
「お前、もっと厳しい目に合わんとダメかもしれんな」
「俺、嫌いなんだよ。厳しいの」
「お前はいつだって逃げることばっかり考えている。
けど、もういいかげん自分から向かっていく力をつけにゃ。
やればできるっことは、わしが一番よくわかっちょる。
今のお前に大切なのは逃げん癖をつけることだ」
数日間だけど、辛い仕事を一緒に過ごした「シゲ爺」からの
「やればできるっことは、わしが一番よくわかっちょる」は
何より嬉しい言葉だったに違いない。
誰かが自分のことをわかってくれている。
それこそ、荒んだ心を治す、特効薬だったかもなぁ。
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