「そこにいていいと誰かに許されたい」しゃぼん玉 rindouさんの映画レビュー(感想・評価)
そこにいていいと誰かに許されたい
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予告編の市原さんの「ぼうは、ええ子」という台詞だけで、物語を見ていないのに涙がこみ上げ、自分も誰かに肯定されたがっているのだと気づきました。
孤独な人が心を開いていく姿が観たくて観に行き、望んだとおりのものを観せてもらえました。
ただ、食べて寝てまた食べて、おばあちゃんじゃないけど「いつまで寝てるんだ」(笑)と思いながらも、伊豆見の表情がほんの少しずつ変わっていて、いつのまにか可愛いと思えるようになっていく、その過程の林遣都さんのお芝居も素晴らしいし、料理や犬や風景、そうした場面の絶妙な長さと配置の良さなのだと思いました。
おばあちゃんが、ただ田舎の人はいい人だとかそういうことではなく、伊豆見の存在を必要としていたのだとわかる、それがあるから、できすぎたおとぎ話では終わらない。
相島一之さんが本当に嫌なダメなやつで、だからこそ、その背中が切ないです。
この後の人生がめでたしめでたしであるわけはないのですが、誰かに愛してもらった記憶が、きっと伊豆見を支えると思いたい。
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