彼らが本気で編むときは、のレビュー・感想・評価
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人として
リンコほど人間性の高い人はあまり見かけない。
LGBTのことよりその希少な人間性に
皆気づかないと、と思う。
ストレスたまらないだろうかと、思っていたら、
解消法というか、
グッとこたえた気持ちのまま編み針を動かし
あるモノを作るのである。
彼女は言う。
私の煩悩108個作ったら燃やすのよ、と。
タイトルのように
マキオやトモまでもが三人仲良く並んで
編み針を動かす姿は微笑ましく家族そのもの。
そして出来上がった108個のモノを
積み上げて燃やした。
とここまではふむふむと来たが、
リンコの煩悩ならリンコ一人で作るべきでは?
また映し出されたモノを見ると
アンゴラモヘア系統の高級そうな糸で、
編まれているモノもあり、
燃やすのはもったいないと思ったし、
できるなら実用的に使えるものを編めば
いいのにと思ってしまった。
また燃やしても煩悩とやら、
日々生活しているといくらでも、
湧いて来るのでは⁉️また編むの⁉️
上記のこと以外なら、
心にジーンと来るし、
人として考えていくべきことの提示を
してくれた内容だと思う。
マキオ、リンコ、トモの三人家族、
もうバッチリ‼️
壊すのは誰だ❓
トモの実母ヒロミ。
何でいいところに出て来てしまうんだ。
bad timing⁉️
トモにすれば、リンコ大、大、大好き❣️
だけど、優しく抱いてもくれないけど、
ママはママ、なんだ。
(実母に虐待されていても子は母を信頼する。
たとえその実母に自分の命を奪われることがあろうとその意識が無くなるまで母を想う、らしい。
‥‥そんな母親に比べたらヒロミまだマシ⁉️)
編み物🧶の中で一番のヒット❗️を
プレゼント🎁されたトモ👧🏻
リンコの愛が詰まった素敵なモノ💕
多分、ヒロミママ、近いうちに男と
どっか行くから、
またマキオとリンコと暮らせるよ。
その時は、リンコ頑張って養子にするんだよ❤️
リンコの母がいい、なかなか思えないけれど、
わが子の幸せを願えば。
両親が皆こうだったら、本人の苦労減るな。
結局性差を考える部分と考えない部分を
昔からの固定観念からリニューアルする必要が
あるのでは。
もちろん、意識だけでなく法律などからも。
生田斗真さん、優しい女性を演じてくださった。
映像の半々、男にしか見えないやろ、という部分と
大柄な優しい女性にしか見えない部分とあった。
真ん中辺り以降、リンコにしか見えなかった。
マキオ役桐谷健太さんも優しく穏やかな
パートナーを演じてくださった。
最初に女性にしか見えずに愛してしまったら、
他のことはどうでも良い、と。
一番重きを置くところを大切にしてブレない
マキオに惚れますね。
トモ役柿原りんかさん、上手かった。
現在二十歳。活躍されているのだろうか。
カイの母ナオミ役、小池栄子さんとは❗️驚き‼️
実の母親は悪人ではない。勿論、悩めるジェンダーも悪人ではない。
女性から見た『ジェンダー』の姿だと思う。先ずは『ジェンダー』をそれだけで善人として描いている。そして、
母親や級友の母親を悪く描いている。
さて、そう云うものなのだろうか?
血の繋がはない他人から見て、子供をカワイイと思うのは理解出来る。しかし、自分の子供はカワイイだけじゃ済まされない。
それを主題にして、ジェンダーの悲しみを描いたのだろうが。
やはり、女性から見たジェンダーの姿なのかなぁ。残念ながら、その通りだと思う。しかし、強く生きなければならない。
僕はジェンダーではないけど、強く生きなければならないと、普段から思っている。
追記 『煩悩としてそれを燃やして、女として生まれ変わる』と言ったセリフが登場するが、その点が矛盾する。それでは、煩悩=男性器なのだから、まるで男であった事に未練があるように感じた。その点が女性監督の目なのだと感じた。矛盾しても共感出来るので。
この映画に一人も男が登場していない。そう、登場する男は、鼻垂れ小僧と横暴すぎる体育教師(まさか、こんな教師いないだろ)。つまり、男なんかいなくとも社会は成り立つって言いたいのかなぁ。そこまで、踏み込むと実に奥が深く感じる。
やはり、LAの方のアメリカだった。女監督でもNYは駄目だ。
退屈しない。 最後まであっという間だった
リンコという役だとは解っていても
生田くんの演技が素晴らしかったためか、違和感を感じずに最後まで見られた
理想があるのか必要以上な女性らしさがある部分
当事者でしか触れられないようなユーモアに富んだセリフ
それらが合わさってより引き込まれた
デリケートな内容の映画は当たり障りのない内容が多くて
見たいけど退屈だったら嫌だなぁと思いつつ見始めましたが
とても良い映画だった
ラストの偽乳は何を表現したんだろう?
てっきり男根かと思ったら偽乳だったのは意外だった
リンコは悔しい事があったら編み物をすると話していたから
姉とのやり取りで女性としての初めての事を教えられないであろう事、トモが
母を選んだこと・・(選んだというより自分が居ないと母がダメになると感じたのだろうか?)
悔しさを紛らわすために編みながらも
母でもない増して父でもないトランスジェンダーとしての等身大の自分が
人生の転機を迎えた重要な思い出(偽乳)を
娘のように思うトモに渡して何かを伝えようと
考えたのだろうかと思いました。
具体的に何を伝えようとしたのか、 上手く言葉に出来ませんが
とてもあたたかいものを感じました。
性と向き合う
トランスジェンダーの女性とそこで暮らす男性の元にある日女の子が来た。その子は、男性の姉の子供で育児放棄をしていて、まともな愛を知らずに育てられてきた。
そんな女の子に対して優しく、包み込む様な沢山の愛を女の子に贈るシーンは、本当に素敵だなぁと感じました。
生田斗真が演じるトランスジェンダーの女性は、最初の方は少し違和感を感じたけど、物語が進むにつれて本当に女性に見えてくるくらい演技も凄かった。
自分が抱える心の病を周りに認められる事が少ないけど、それでも堂々と生きていればそこに受け止めてくれる人が現れる。
トランスジェンダーの事もそうだけど、人としての気持ちの大事さを感じるいい映画でした。
罪深きは親
あんたの親はたまに間違う。
この『たまに』っていうのが優しい。
全否定じゃない。
そういうものの見方ができるようになりたい。
トモってとても優しい子なんだね。
そして子供のものの見方を方向付けるのは親なんだな。
普通のあり方。
普通ってなんなのか、異常とは。
小池栄子がストレートにわかりやすく罪深き親を演じてる。
お母さんは私のことが嫌いなのか?
それに対する答えも優しい。
人間同士の相性、嫌いというのとは違うと。
全編通して何故か常に涙ぐんでみていた。
エンディングが想像できるだけに、それに向かって進む話に涙腺が緩む。
江口のりこ。
キュッと話を締めてくれて、去り際の表情がまた良い。
複雑である母と娘の関係性
結局は自分を捨てた実母を選ぶというラストで終わるけれど、子供のほうが母親の生い立ちを理解した上で母を捨てられなかったというように見えた。母親は自分の親から全く愛情を感じられずに育ったことで自分の子供に対してもどう育てたらいいのかわからないというように描かれているが、この子は実母からすべてを受容されて一番難しい思春期の時期を過ごせたリンコから理想の母親像を見せてもらえたことで、母と娘の葛藤の連鎖から解き放たれたという前向きなラストであったと思う。個人的にはおそらくまたしばらくしたら、母親は恋に生きるであろうからリンコの元に戻ってくるのではないかと予測して自分を納得させている。
ちょっと羽目を外して欲しかったかな、小さくまとまりすぎてる
CMにすごく興味をそそられて観ました。感想は、、ああ、バッドエンドかあ。と思ったのです。
設定が面白いんですが、盛り上がりがない、演出がチープ、なんか先が読める、ともちゃんがかわいい、トランスジェンダーであるリンコさんの心の揺らぎとかが見えない、話がよくとぶ、などなど。
私が一番期待したのは登場人物たちの気持ちの揺れ動きですがあまり演出に力を入れてないのかな、繊細に伝わって来ずなんだか期待はずれだったかも。
救いはある
一回与えられた愛はなくならない。
リンコさんが最後にトモに贈ったプレゼントはリンコさんがお母さんにもらった愛と同じものだった。
リンコさんはトモのお母さんにはなれなかったけど、自身に注がれた愛をトモに贈ることができた。
トモのお母さんは、今後もトモを残して失踪したり、もっとずっとひどいことをするかもしれない。
トモはこれからも辛いことに立ち向かわなければならなないのだろう。
でも、一人になっても途方に暮れても、トモにはリンコさんが与えたくれた愛がある。
誰かに愛を注いでもらえたという経験はトモの財産になったと思う。
これからのトモをずっと支えられるものをリンコさんはくれたのだ。
だから、救いはあるのだと思う。
キャストは良かったけど うーん、、 内容が薄っぺらい。 同級生の男...
キャストは良かったけど
うーん、、
内容が薄っぺらい。
同級生の男の子の話よりも
トモの気持ちとか
リンコさんとの関わりとか
もっとあってほしかった
トモが良い子で理解がありすぎる
感情をだしてほしかった
そりゃ、、
母親を選ぶよ
色んな問題が取り上げられてて
一つ一つが解決しないまま
終わっちゃった感じ
リンコさん
いい人なのかもしれないけど
良さが伝わってこない
素敵な映画でした。
同性愛、家庭環境など人の色んな部分が垣間見える作品でした。
自分の息子が心は女の子と知った母親の気持ちや、理解できない親の気持ち、母親の前に女だという育児放棄の母親、そんな中で良くあんなに素直な子供が育ったなと感心します。
ですがどんな母親であろうと、その子にとっては1人しかいないお母さんなんだなと思いました。
凛子さんもマキオさんも素敵な方でしたね。
トモ役の子がとても演技が上手でした。
だからこそ他のキャストさんも演技が上手い方しかいなかったので、しっかり見れた作品でした。
小池栄子さんは相変わらず演技が上手いし、なんか怖いですよね、闇が深い感じが出てます。
ちんこの編み物を投げ合ってる時、幸せそうでしたがなんだかシュールで笑いました。笑
最後のプレゼントが、初めてもらった毛糸のプレゼントになった物がおっぱいでした。笑
自分が母親に貰ったプレゼントをプレゼントした凛子さんなりの愛情表現なんだろうなと思いました。
ですがあそこでお母さんにも貰ったことのない初めての毛糸の物が、マフラー、手袋、セーターだったらすごく感動でした。
見ていて本当に素敵な作品でした。
見れば題名の意味がとてもわかります。
家族を編む
荻上直子監督の作品と言えば、『かもめ食堂』『めがね』などのようにちょっと風変わりで、ゆったりまったり時が流れていく。
本作も風変わりっちゃあ風変わりだが、ストレートに心癒される家族ムービー。
育児放棄され、母親は男を追って家を出、帰ってこない。
小学5年生の少女・トモは、叔父・マキオの家で暮らす事になるが、マキオには一緒に暮らしてる恋人が。
その人は何と、トランスジェンダーのリンコだった…!
生田クン、どうした!? まさかのトランスジェンダー役!
最初こそは違和感ありまくりだが、いつの間にか自然に“生田斗真”じゃなく“リンコさん”にしか見えなくなってくる。
元々美形だし、化粧や衣装もあるだろうが、やはり生田斗真の演技力。硬派な岡田准一ならこうはいかない。
繊細で、温かくて、柔らかくて、生田斗真のキャリアに於いてもとりわけ印象に残る好演と作品。
マキオ役の桐谷健太も、いつものオラオラ系の熱血演技とは違って、抑えた穏やかな演技。このマキオくんが、ちょっとリンコさんの尻に敷かれてる感じが面白い。
実質主役は、トモ。演じる柿原りんかが、小生意気でマセてる所もあって達者!
ミムラと小池栄子がダメ母で憎まれ役を引き受け、そしてリンコの母・田中美佐子が、結構豪快な所もあるが、誰よりも我が子を理解し愛情を注ぎ、出番は僅かだが、好演。
勿論最初は戸惑うトモ。
リンコは“体の工事”も終え、胸もふっくら。
トモのクラスには、同性愛の男子が居て、皆から“キモイ”と見られている。近所の仲良しではありながら、トモも。
これを布石にし、トモが徐々にリンコを受け入れていく様が丁寧に描かれていく。
母親と暮らしてた時はコンビニのおにぎりばかり。リンコの手作り料理、お弁当が美味しい。
髪を解かしてくれる。
イライラ怒りや我慢がどうしても抑えきれない時の解消法。
編み物を教えてくれる。
さながら編み物のように、温かい擬似家族のような関係を編んでいく。
全員が寛容じゃないのが、世間。
噂はあっという間に広がる。
クラスではのけ者。
本来なら偏見を咎めなくてはいけない大人たちが、一番の偏見の塊。
ああいう人と関わっちゃダメ。普通じゃない。
普通って何?
偏見の塊のコイツらこそ、普通じゃない。
日本でもパートナーシップが導入された事は記憶に新しいが、ほんのごく一部。
まだまだマイノリティー。生き辛さ。
好きな人と一緒に暮らせるありふれた生き方も出来ないのか。
ある時、リンコとの出会いをトモに聞かれ、そのマキオの答えにジ~ンとした。
「きれいな心に惹かれた」
結局人が人の何処を好きになるかは、容姿云々どうでもいい、心。
皆が皆、そんな純粋な心を持てば…
最後は切ない。
いや、これはこれで妥当だろう。ダメ母でも、母。トモの母親が今度こそ、“母”になる事を信じて…。
ありふれた幸せや家族を望んだリンコ。
甘くはない現実を突く。
しかし、リンコさんは短い間ながらも、優しく温かく編むように与えてくれた。
心に“ふっくら”と。
日本ではLGBTを題材にした映画は少ないが、邦画十八番の家族モノと絡め、良作に。
レンタルで見るのが遅れ遅れになってしまったが、見て良かった!と素直に思える好編。
リンコさんイイ女!!!
生まれたときの肉体と心がアベコベというのは、どんな感覚なんだろう。どれほど辛く、出口が見えない不安な気持ちか…肉体と心の性別が一致し、恋愛対象もストレートの、所謂ノンケの私には、到底理解の及ばないことだ。
私には子供はいない。女だからと言って必ず産めるわけではない。だからその点についてリンコさんの寂しさと、心の隙間は分かる気がした。
だけど女として男に愛され、守られ生きているし、そのことを誰からも笑われたり批判されたりしない。
男友達で、ずっと恋愛対象が女性だったのに数年前突然、パートナーが男性になった人がいる。
恋話の中でカミングアウトしてくれたときは嬉しかった。心から幸せを願っている。
世の中には偏見が多く、マイノリティとマジョリティは常に対立してしまう可能性を持っているけれど、私の女性としての生も性も、コレは私の力ではない。単なるラッキーだ。そのことを忘れずに生きたい。
そんなことを考えさせてくれる作品でした。
社会的にも、子供の条件反射としても仕方ないことだけど、トモちゃんにはリンコさんとの暮らしを選んで欲しかった、という不満がマイナス1点です。
それにしても本当にリンコさんは、生まれたときから何もかも女の私よりも、ずっとずっと心が女らしく、本当にイイ女で、そして良い人です。
108?、消費税込み
映画「彼らが本気で編むときは、」(荻上直子監督)から。
う~ん、なんだか違うなぁ・・という感想で鑑賞を終えた。
ではどこが違和感なのか、と訊ねられても、うまく表現できない。
ただ、市民権を得てきた性的マイノリティの「トランスジェンダー」が、
一昔前に逆戻りしてしまった感覚なのかもしれない。
性的マイノリティの人たちを「変態扱い」する時代はすぎたし、
「マツコ・デラックス」さんらの活躍をみれば、違和感は感じない。
今時の小学生が、黒板に「オカマ」という単語を大きく書きだし、
彼・彼女らをいじめの対象にするのだろうか?、それさえわからない。
そんな中で、久しぶりに笑えたメモをご紹介。
トランスジェンダーのリンコは、男性の性とオサラバする儀式として、
毛糸で、男性のシンポルの形をコツコツと編み続け、
「これを108個作ったら燃やすの」と、ある少女に呟く。
それを聞いた彼女が「108?、消費税込み」と返す。
「人間の煩悩の数」「除夜の鐘も108}」「数珠の珠の数も108」
こんな説明よりも「消費税込み」の方が、私には受けた。
このネタ、またどっかで使わせもらおうっと。
ただただもったいない。
まず生田斗真の女装は、どう見ても女性には見えないからこそ良かった。
すぐに男性とわかる女装はそれだけでギャグになってしまいがちなところを
リンコは天使のように美しく描かれ、身体的要素が女性らしくないからこそ「内面の美」を描いているのだとよくわかる。
これが言われなければ気付かないくらいに女性らしい姿だと、トランスジェンダーをテーマに据え置く必要すら無くなってくるので、
リンコの見た目の不自然さは映画に必要なものとして最初からすんなりと受け入れられた。
トモは現代っ子らしく、思ったより反抗することもなく、すぐにリンコに懐いてしまうが、
概ね切ない気持ちやその後の良かったという満足感も得られ、途中まではとても良い作品を観たと思っていた。
だがラスト、てめーはダメだ。
本当にそう言いたくなってしまうくらいラストが、トモが実母を選んでしまうのはいただけない。
分かる。現実はそうである。子供というのは、どれほど最低な人間だったとしても実親を捨てきれないものだ。
トモの母親は悲しいことに、現実によく存在する。リンコの母親こそ、あまりにも聖母過ぎてフィクションの存在だろう。
確かにここでトモが実母を許してしまうことで、観衆は最後までトモの母親に対して怒りが収まらないため、その対比はしやすい。
ここでトモがリンコを選んだら予定調和だろうという監督の考えも透けて見えるようだ。
だがここは、素直にハッピーエンドで良いだろう!!そう言いたくなる。
これほど重いテーマを扱い、トモの友人のゲイの少年は救われないまま終わる。
ハッピーエンドだけが正義とは言わない。だが、これまでの流れでそのラストは「違う、そうじゃない。」
という言葉ばかりが頭の中でグルグル回り、しばらく寝付けなかった。
良い映画を観た!という充足感と共に寝付くはずが、違う、そうじゃない。
ものすごくモヤモヤして印象には残るだろう。
しかし映画というのは娯楽作品であることを忘れないでほしい。
救われるシーンもあるから救われないシーンが引き立つわけで、
「こういったテーマを扱うのだから現実的に、ハッピーエンドにはしたくない」という考え方の方が、それこそ予定調和である。
リンコのプレゼントは趣向を凝らしてあって良かったと思うが、
トモの母親は絶対反省していないだろうし、またトモを捨てて出て行くだろうという後味の悪さでかき消された。
映画における「現実的」をはき違えている。
心が温かくなる。切なくなる。
マキオとリンコの恋人関係がほのぼのと描かれていました。
トモに対するリンコの愛情がとても温かい。
3人には本当の親子になって欲しかったけれどそういう訳には行かず…実の母親には勝てないのか…育児放棄する親なんて親じゃない。とても切ない終わり方でした。
自転車に乗って3人でお花見に行くシーンはほっこりしました。マキオとリンコが美味しそうにお酒飲むところ大好き。
あとトモの大好物がたくさん弁当に入っているところ。愛情が伝わる。
余韻がすごくて観た後にボーッとしてしまうけどまた観たいと思える映画でした。
子供のことを考えた。
どストライクで、ずーーーーーっと泣いていました。泣かずに見られなかったです。
男の子の体に入って生まれた女の子リンコの話であり、全ての母と子(特に娘)の話でした。
確かに荻上直子監督の第二章という感じです。
監督の主張が過去作よりも前に出てきたと思いました。
トモの母、ミムラが演じる母ですが、残念な人だなと思いました。
母である前に女であるのは、それはそうなんだけど、子供と相対した時、その意見は意味を成さなくなると思うんです。
だって、子供は大人じゃないから。1人ではまだ生きていけないんです。
女である前に、大人じゃないのかな?
彼女は悪い人ではないけど未熟なんです。いろんな理由があって幼いまんま。
だから、いつも子供を慮れないんですね。
その要因のひとつがりりィ演じる母にあるという提示がありました。
マキオの父は不倫をして家を永く空けていて、死んでから帰ってきた。
その棺に妻は恨みをこめて編んだ編み物をぜーんぶ入れて焼いたといっています。
そして、娘に編み物をたくさん編んであげたとも。夫への恨みをこめた編み物を、娘に。
マキオもいっています。母は姉に厳しかったと。
その辺りから、トモの母がその母の恨みつらみを一身に浴びて育ち、子供時代の悲しみを消化できなくて、大人になれない大人になってしまったのかなあと、想像しました。トモに毛糸の物を与えた事のない「ママ」に私は少し同情しました。
マキオの母のした事は、暴力でなくとも虐待だとおもいます。
マキオの母からマキオの姉に引き継がれた負の連鎖は、形を変えてトモへのネグレクトという形で現れています。
もちろんママは良くないんですが、ママだけが悪くないよってちょっとだけ思いました。
今後、ママが自力で成熟する可能性は、ない事はないけど低いと思います。
その時、マキオとリンコがトモに対して、親でなくとも、親戚として、ただの年長者として、支えてあげて欲しいなと思いました。
どの人も、リンコの母のように子供の全てを受け入れる器があればいいのだけど、親は資格がいらないから、誰でもなれちゃう。望んでいても望んでなくても。そこが悲しいです。
そしてカイくんです。胸が潰れそうでした。大量の錠剤をスイミーと仲間たちに模して並べ自殺をはかりました。スイミーはみんなが白いなか、自分だけが赤いことを受け入れられて生きることができた。なのにカイくんはその物語を思い浮かべながらスイミーと仲間達の共生が実現しないことに絶望するんです。もう今思い出しでも泣いてしまう。
子どもがこんな悲しいことを考えなくてはならないなんて。やるせない。助けたい。でも虚構の中には入れない!と座りながら地団駄を踏みました。
カイくんのお母さんは良くない。本当に良くない。あなたの信じる普通は、誰かを傷つける偏見です。
その自覚がないのがだめよ。個人の常識は所詮偏見です。世界にいるのは普通の人と普通を逸脱した異常な人ではない。そのことを知らず、息子を愛しながら殺している。絶対自分も幸せちゃうのに…どうして?
カイくんの母にも、極端な二元論にしがみつく過程があり、そこを見つめたら彼女を責めて終わる話ではないでしょうが。だとしても、子どもに罪はないねん。
そんなことを思いました。
そしてリンコの母みたいな人はあまり出会ったことがないけれど、カイくんの母のような人はいっぱい知っているなと思いました。
あ、これだと悲しいだけの話みたい…でも長くなりすぎ。この辺でやめときます。
カイくんには、とにかく今は耐えて、大きくなったら自分を受け入れてくれなかった人達を全部捨てて、落ち着ける所へ逃げて欲しい。それまで頑張って欲しい。今はあなたの周りには味方が少ないけど世界はとてつもなく広いから。だから今はただ生きていて。絶対幸せになれる所はあるよ。そう言いたい。
彼らが本気で焼くときは、
ベルリン国際映画祭でW受賞したのも納得の素晴らしい出来栄え。
土竜の唄でお馴染の生田斗真が正反対のLGBT女性リンコを演じる。
荻上直子監督5年ぶりのオリジナル作品は、海外生活や出産を経て
彼女の変化が伺える作品になっていた。作中で様々な母親を登場
させているが、リンコを含めてどの母親も個性豊かで其々が違う
考えの持ち主。自分と違う感性を持つ人への悪意と偏見。なにを
された訳でもないのに徹底して差別や中傷に走る人間の愚かさを
見せる一方で、我が子我が身オンリーで突っ走る人間も多数いる
ことを見せてさらす。本作で自分はこんな人間になれるだろうか、
あるいはこんな人間になってしまわないだろうか、もし子供なら
どんな母親に愛されたいかなど色々考えさせられてしまうだろう。
しかし監督はラストの選択にもあるように母親らを糾弾はしない。
絆は絆として、それが理不尽だろうと不幸だろうと個人が背負う
業になるのだから受け止める。そのうえで広がる可能性や選択肢、
例えばリンコがこの先「養子」を迎えて本当の母親になれる未来
や、トモが母親を支えながら自分自身で自立することを明示する。
監督自身が誰も差別していないのだ、弱さを抱えた愚か者でさえ。
あの「煩悩」108本の存在が忘れ難く心に残った。子供に真正面
から向き合える母親は凄いし包み隠さず話せる母親も素晴らしい。
性がどういうもので何故そうなるのかを早い段階で理解するのは
その後の責任に繋がるから恥ずかしいことでも忌むべきことでも
ないことを日本人も大らかに語れる段階にきてるんじゃないかと
今作を観て感じた。何より家族円満って本当に幸せなことだから。
(父性や母性も人それぞれ。向き合って受け入れることからだね)
美しいキャストが紡ぎだした良作
最近はLGBTをテーマにした作品が多いね。
『リリーのすべて』ではエディ・レッドメインがビックリする程の女装を披露しマジでビビったが、こちらの生田斗真も負けてはいなかった。
もともと演技力は素晴らしい物を持っている彼はキャラづくりはもちろんだが、今回は女性の艶っぽさや所作等も素晴らしく、最初はかなりデカいし大丈夫か?
と思っていたが、見続けていくうちに本当に女性に見えるのだから不思議。
桐谷健太もやんわりとした寛容な男を演じている。携帯のへんてこなキャラも面白いが、こちらも複雑でややこしい役を演じ切っていた。
トモちゃん役の柿原りんかちゃんは初めのうちはセリフが不自然な感じもあったが、徐々に打ち解けていく様子や心の機微を上手に表現していたと思う。ラストの母とのシーンでは思わずグッときてしまった。
作品自体はデリケートなテーマを扱っているがそれを感じさせないポップな雰囲気でありながらもそれぞれのキャラクターを上手にからめあい家族愛や人としての美しさが描かれていた。
タイトルの『彼らが』を指しているのは誰なのか?
リンコを一人称に捉えているのなら『彼女』ではないのかな~?w
とか色々と観ながら考えてしまった。
それにしてもチンコを編んでいくという内容はおもしろかったし、その編み物を投げ合うシーンはかなりシュールで爆笑してしまった。
リンコが言っていた「辛い事、悲しい事、腹が立つこと、そんな時はぐっとこらえてひたすら編み物をする」
世界中の人が編み物をしていけば、きっと争い事は無くなるんだろうなと観ていてふと思った。
意欲作ではあるが
トランスジェンダーを巡る諸問題に迫る意欲作で、生田斗真の演技には敬服する他ないが、その一方で、母娘関係は、生田斗真と田中美佐子という理想像を除いては、全て破綻していて、子どもが救われなさすぎる。無理解な母を持った少年は自殺未遂、ネグレクトの常習犯であるトモの母は、愛情に満ち溢れていた疑似家族を無残にぶち壊す。しかも、小学生の子どもに、最低な母と幸せな疑似家族のどちらを選択するか迫り、結局理性的な判断が出来ず、最悪な選択をしてしまう。
ラストがこれでなければ、相当高い評価が出来た作品だけに残念としか言い様がない。
リンコはなぜケガを?
LGBTの映画、というより、人間としての在り方みたいな感じの心地よい作品でした。
生田斗真が可愛い。トモ役のこも自然でよかったです。
途中、トモとリンコがケンカしてリンコが出て行った直後になぜリンコがケガをしたのか、病院で入院となると…世間からの見られ方をぶち込みたかったのか…
唐突すぎてビックリしました。が、あのシーンは、声高に叫んでしまうマキオの心情を理解できたよいシーンでした。
ネグレクト問題も描かれているので、家族問題のドラマとしてもよかったし、あの家族感が心地よかったです。宮沢りえ主演の湯を沸かすほどの熱い愛よりも私的にはグッときました。
男根燃やした割には実際はリサイクルってのも、ほぉ、と…
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