「【優しさに満ちたトランスジェンダー、リンコと恋人のマキオと孤独な小学生トモの心寄せあう、温かき生活を描き出す。荻上直子監督の慧眼と勇気に敬服した作品でもある。】」彼らが本気で編むときは、 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【優しさに満ちたトランスジェンダー、リンコと恋人のマキオと孤独な小学生トモの心寄せあう、温かき生活を描き出す。荻上直子監督の慧眼と勇気に敬服した作品でもある。】
ー 邦画でLGBTをテーマに大手商業ベースで制作し、公開された記念すべき作品。ー
・苦々しい思い出として、公開前にも関わらず、ある映画サイトで異常に低い得点が大量に投稿されていたことを思い出す・・。
・荻上直子監督の
「アメリカに住んでいた時はLBGTの人たちが普通に暮らしていたのに、日本に戻るとそういう風景を殆ど観ないことから、この映画を着想した。」
という言葉は今でも覚えている。
《登場人物》
・リンコ(生田斗真:ビックリするくらいの美しさである・・)
女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダー。
様々な偏見から守ってくれた母フミコ(田中美佐子)の深い愛の下、介護士として働く強い意志の有る慈悲深い女性。編み物が心を癒すアイテム。料理が見た目も含めとても上手。(彼女が作るお弁当がとても美味しそう。荻上組であるから、制作は、フード・スタイリスト 飯島奈美さん。そりゃ、美味しいよね、桐谷さん。)
・マキオ(桐谷健太:心優しき男を演じても天下一品である。)
母、サユリを介護するリンコの姿に一目ぼれする読書好きの男。姉、ヒロミとのほろ苦い過去を抱える。
・トモ(柿原リンカ)
母、ヒロミと二人暮らしの芯の強い小学生。ある日、ヒロミは男と姿を消してしまい、叔父マキオを頼る・・。
3人の不思議な同居生活は、安寧で、リンコの作る食事は美味しく、トモも優しいリンコに安らぎを覚え、信頼を寄せていく・・。
が、彼女達が生活する姿を誰もが好意的に見てくれている訳ではなく・・。
元号が変わった日本(特に行政システム)は今作公開時より、どこまで彼女達に対する見方、対応の仕方が変わったのだろうか?
<今作品を令和の日本でもう一度劇場公開したらどうだろう、と真剣に思う今日この頃である。>
<2017年2月25日 劇場にて鑑賞>