「私も」彼らが本気で編むときは、 Mikaさんの映画レビュー(感想・評価)
私も
私はアメリカに向かう飛行機の中で見ました。
飛行機の中にもかかわらず涙が止まらなくなって
実は私も、40代後半の性同一性障害者です。
ストーリーの中で幸せなこと、悲しいことすべてに自分が重なってきて泣きまくりました。
病院にも掛かって、ガイドラインにも沿って2か所の精神科、婦人科で治療を受けています。
治療の結果胸も膨らんでいますし、既に男性としての機能はしなくなっていますが、工事はしていません。
私も最初は小学生10歳を前にして違和感を覚え、母の服を着たりし始めたのがきっかけでそれから40年間
まだ社会が今ほど開かれていない時代。
ずっと内に秘めて過ごしてきました。
両親は中学のころからは知っていた様ですが、何も言わず育ててくれました。
内に秘め、こっそり外で着替えては車でどこかに出かける程度で20代が過ぎ
30過ぎで流されるように結婚し、子供も2人出来ました。
世界が変わったのが同じく30過ぎくらいの頃でしょうか?
ネットが普及し情報が集まり、仲間も出来て、自分の意識がそちらに向かうようになり
日本でも性転換が出来るようになり、性別も変えられるようになったのはこのころからです。
妻ともいろいろとありましたが、今は容認してくれています。
皮肉な話で、結婚したとたんに世の中が変わっていったという感じでしょうか。
子供たちにはちゃんと話していませんが、既に知っているようです。
会社に女性として行ける様な状況になるにはまだハードルはかなり高いと思っていますが
既に会社関係者も何人かにはカミングアウトもしてしまっています。
この年齢もあり、どこまで出来るのか?常に自問自答しながら、また子供たちが映画の中にあったように不当ないじめを受けたりしないか心配は尽きません。
でも正直私は女性であり、女性として生きたい気持ちは強く、実は家庭には内緒ながら、知り合った彼氏とも7年以上付き合ってきました。
世間的に見れば異常かもしれませんが、何とかこんな状況を維持しているのが今の現実です。
良いのか悪いのか境目を探しながら、でも子供たちは成人させなければならないという責任感と、妻への感謝しきり。
そんな私にとってこの映画は本当に自分の過去と未来を考えさせられる映画でした。
本当にひたすら泣き続けました。
世の中の差別が無くなることは難しいかもしれません。
でもそんな未来が来ることを当事者の一人としてお話しすると共にこの映画の素晴らしさに感動しました。
ありがとうございました。
今度ぜひ映画館で女性として見たいと思っています。