「己をみつめさせられる」彼らが本気で編むときは、 きよさんの映画レビュー(感想・評価)
己をみつめさせられる
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作品の主軸上、偏見や差別があることの上にあるテーマなだけに、人間のずるさ汚さ本質も描いているが、映像の空気感がとても美しく、全体的に「キモチの良い映画」であった。
生田斗真の演技がとてもよかった。特殊な演技ではあったろうが、とても自然で「リンコ」がそこにいた。
トモやマキオの3人の関係が構築されていく様は言うまでもなく。
小池栄子やミムラが本当に憎たらしかったのが素晴らしかった。
あの二人の役柄、関わりは重要。
自分はどちらかというとそちらに近い存在であると思う。
頭では差別したくないと思っていても、やはり現実にそこにあったら、彼らをまず否定してしまうだろう。
理解する受け入れることは簡単ではないだろう。
だからこそそこを描いてくれて、どんな思いをするのか、思い知らされた。観ていて憎たらしいむかつくわかるだけにむかつく。ああ私も洗剤ぶっかけられるなと。
最後に、ミムラ演じる母が嫌悪していた自分の母に会いに行き、また娘が戻ることを待ちながら、部屋を片付けていたことに救われた。
普通ってなんなのか。彼らのことも普通と思える世の中になるよう、この映画に出会えたことが、自分はもちろん観た人たちから変っていくことを願う。
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