ルージュのレビュー・感想・評価
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【”53年年前に貴方から貰った紅箱・・。”香港の早逝した大スター、レスリー・チャン とアニタ・ムイの共演作。切ない恋に身を焦がした遊女が、霊となって恋人を求めて彷徨う幽玄譚でもある。】
■1930年代の香港。
芸妓のユーファは(アニタ・ムイ)良家の息子・チャン(レスリー・チャン)と恋に落ちる。
だが家柄の違う2人の関係は認められず、彼女はチャンと心中を図る。
50年後、新聞記者・ユンの元にユーファの幽霊が現れた。
あの世で会えなかったチャンを探しているという。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・アニタ・ムイ演じるユーファの哀しきチャンへの身分違いの恋心が切ない。
・彼女は、チャンと共にアヘンを呑んで心中したと思って逝ったのだが、あの世でチャンに会えず、50年後に幽霊となって現代の香港へ戻るのである。
ー ユーファの想いを知り、恋人と一緒にチャンを探す新聞記者。-
・だが、ユーファの想いは哀しき現実に直面する事になる。
ー チャンは、生きていて今は老醜をさらしながら、映画のエキストラとして生きていたのである。-
<そんな老いたチャンに対し、ユーファは優しく顔を寄せるのである。何とも切ない恋愛映画である。
1930年代の香港の街並みも、この作品に余韻を与えている作品である。>
放蕩息子役もセクスィーなレスリー
原作は『さらばわが愛〜覇王別姫』と同じ作者。
ある夜、新聞記者のもとに古風な服装の女性が現れ、待ち人の広告を依頼するがその後も家までついてくる。女性が待っているのは再会を契った恋人で女性は霊だった。記者も記者の同僚の恋人もすっかり同情し、女を助け見守るのだが、約束の時間に恋人は現れない。調べていくと、彼女が霊となって地上に彷徨い続けている哀しい事情(身分違いの恋の結末)が明らかになっていく。
だが、日本の能のように、「話を聞いてもらってスッキリしました。ありがとうございました。これで私天国に行けます…」で終わらないのが面白い。不甲斐ない境遇に陥っている男を確認してキッパリと別れを告げ、颯爽と成仏していくのだ。53年越しの怨みを自分で晴らしていった。w
売れっ子娼妓を物量作戦と甘い言葉でモノにするわりに根性なしのイケメン金持ちアホぼん役に当時三十路のレスリー・チャン。あのセクスィーさで言われたら真に受けたくなるよね…。
娼妓役のアニタ・ムイさんもニュアンスのある昭和(香港だから違うw)美人だった。
お初徳兵衛、品川心中、牡丹灯籠、浦島太郎を分解してミックスしたような…
予備知識もなく、始まってもどう進むのか全く見当つかないままで、どうしょうかなと思っていたら、現代に来てしまった!えー、そうなるのー?というお話でした。
レスリー・チャンの京劇姿は、見事に美しかった。それを見た甲斐はありました。
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