愚行録のレビュー・感想・評価
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まずは原作から見て欲しい!
原作を読んでいたから、妻夫木くんと満島さんが予告の時点で姿を現していることに疑問が湧き、映画ではどういった展開で物語が進行して行くのだろうと興味津々で見ました。
私は小説の方に軍配が上がると思いました。
映画を見て、この後に小説を読もうと思っても、もうネタバレしちゃってるので、きっと面白みは半減すると思います。
まだ映画を見ていない方は、ぜひ小説を先に読んでください。
しっかりと登場人物たちに嫌な思いを抱いた上で、映画を満喫できると思います。
まさに愚行の連続
殺人事件の犯人を追うジャーナリストが出会う人達の証言は、誰も彼も悪意のある昔ばなしばかり。人は意地悪な心を持っていて、自然に愚行を犯す。回り回って人の怨みをかう。見終わったら嫌な気分になりました。俳優さん達はみんな上手いです。
満島ひかり エエなぁ 妻夫木聡とは スマグラーと悪人で共演してたね...
満島ひかり
エエなぁ
妻夫木聡とは
スマグラーと悪人で共演してたね
他にもあるのかなぁ
冒頭のバスのシーン
好きだなっ
引きずる足から普通に歩くとこ
「ユージュアルサスペクツ」
思い出しちゃった
小出のクズぶりも良かった‼︎
夏原役の人は
老けてたなぁ...
邦画はムナクソ系…
またしてもムナクソ系の邦画だがなかなかの出来。
進むほどにすべての登場人物がイヤな奴らであることが分かるし、唯一天使のような存在は最初から最後まで酷い目に遭っている…
ストーリーには無理があるが、それは原作に帰すべき問題なんでしょね。知ってて始めたことなのかが分からないのがモヤッとしますが…
ホントにこういうムナクソ映画が次々に出来てくるのが今の日本の閉塞感を表しているのでしょうね。
しかし慶應に対する悪意スゴい…
面白かった
今年鑑賞した18作品目にして邦画はこれが1作品目。しばらく観たいと思う邦画が公開されず、この作品についても期待半分で鑑賞。しかし、これが面白かった。俳優たちの多少大袈裟に見える演技は、演劇のような演出にも感じます。初めのうちは半笑いなエピソードも段々と深みにはまっていく。観ていて惹きこまれます。
私自身、原作は未読だしトレーラーもあまり見ないで映画に挑んだのだけど、はっきり言ってこれ以上の情報は入れないで観た方が良いと思うので、私のレビューはこの辺で(笑)。
上質のイヤミス。
人は、こころに悪魔を飼っている。いやむしろ、人間自体もともと悪魔なのであって、犯罪者と健全な一般人の違いなんて、なにかのきっかけでその本性が現れるかどうかなのだ。
それを自覚しているのならむしろまだ救いがある。
ほとんどの人間は、その自意識がないままに悪魔の本性が顔を出している。それを知るのは、近くで観察している他人だけだ。
・・まるで、そう誰か語りかけてくような気分になった。
徐々に知れる、いくつかの衝撃の事実。
なによりも、最後の事実に気づいたときの、ドタマを割られたような気持ち悪さ。説明過多にならずに、匂わすさじ加減がまた絶妙。
最近のイヤミスといえば、「ミュージアム」「クリーピー」があるけれど、どぎつい映像を使わずに(ちょこっとはあるが)ここまで後味悪くさせるのはすごいなと感心した。原作に負けていない。
バスの車内で始まり、バスの車内で終わる。
最後、ゆっくりとカメラでなめ回した乗客の表情を眺めながら、うすら寒い感情を抑えきれなかった。この人たちだって、人に隠している愚行の一つや二つ持っているのだろうな、と。
まさに愚行
冒頭から引き込まれる
終始どんよりとした、画面もグレー調の雰囲気で物語が進んでいく。
進むにつれて、終盤での衝撃(しかも3回)は驚いた。身体が前のめりになるほど引き込まれた。
役者さんの演技も素晴らしいのだが、脚本、カメラワークその他全てが最高潮
ゆっくりと紐解かれて編み上げられる物語
全体に漂うノワール感。
冒頭からいきなり不穏な空気。なんだこの空気は…。
ゆったりとしたカメラワーク、
(ただしワンカット長回しでは無かったりする)
大きな音を出さない演出で静かめに進む物語は何本もの線が紐解かれていき、そして編み上げられていく。
伏線が回収されてドヤッ!という物語では無いので、そういう意味で伏線モノが嫌いな方もゆったりとした気持ちで観れると思います。
妻夫木さんも良かったですが、特に満島ひかりさんの演技が良かったです。
まさに「愚行録」
満島ひかりさんのファンなので、予備知識は予告編程度といった状態での鑑賞。
感想としては、2017年早くもベスト10に入るんじゃないかという素晴らしい傑作。
全シーンの色合い、音楽共に暗く、作品の世界観にぴったり。小出恵介さん演じる、「田向」と会社の同期の「尾形」がどういう人物なのかが分かった時点で、「あぁ…嫌な話なんだな」というのがはっきりとし、どんどん暗い話になっていく。なかでも、松本若菜さん演じる「夏原」の「女に嫌われるタイプの女」が男の自分からみてもかなり不快だった。
そして終盤。「宮村」が語る、「光子」についての告白、そして満島ひかりさんのシーン。今までの話はこのシーンまでの布石であり、それに満島さんの演技が加わって、息をのむ素晴らしいシーンとなっている。
人間にとって、自己利益のためだけ行為は、愚かに映る。
まさに「愚行録」なのだと感じた傑作でした。
面白かった
丸の内ピカデリー初体験。
この辺りの劇場はでかくていい!
サービスデイだったが平日午前中ということもあり、まばらな入り。
ミステリーの謎解き自体はなんとなく予想はできたが、映画としては満足できた。
殆んどの登場人物がクソなのだが、個人的には小出恵介の同期の男が一番クソだと思った。
暗いな〜
お分かりであると思うが、とにかく暗い。暗すぎる。
人間の愚かさというものを伝えたいのであろうが、それにしても暗いよ〜。
登場人物は一人一人が笑えるほどクズ。よく一つの環境にこれだけ集まったなというくらいw確かに人間は欲を中心に動く愚かな生き物だ。そういうキャラクターがたくさん出てきた。それにしたって感情移入できる登場人物がほとんどいないw人間の愚かさを伝えたい映画でこれは致命的だ。
記者が過去を調べていき、当時の回想シーンが流されていくときの雰囲気は、「凶悪」に物凄く似ていた。
女子からはカリスマ的存在、男子からは完璧な女、同時に人を傷つけることを全く厭わない女。そんな一人の女を中心に物語は進んでいく。これは「渇き」に物凄く似ていた。
この映画を見て一番強く思ったのは、親が子に残した傷というのはどんな形であろうと、一生残るのだなということだ。
妻夫木聡は爽やかな役だけではなく、こういうシリアスな役もできるから凄いと思う。
満島ひかりが演じる精神異常っぷりも素晴らしかった。
他の俳優たちの演技は……w
妻夫木は幸せになれない役を敢えて連続して受けたのかな?
妻夫木と満島ひかりの演技に最後までグッと引き込まれてあっという間の2時間だった。
手の伏線がまさかの予想外の展開に。
サスペンスとしては相棒より断然見応えあると思うけど、客入りの違いはテレ東とテレ朝の違いかなw
観客の経験値に問いかける、"自分自身の愚かさ"
観客が試される作品である。ミステリーだから、一家惨殺事件の犯人とその動機に興味がそそられるかもしれないが、ほんとうのテーマは、登場人物たちの素行から見えてくる、"人間の愚かさ"だったりする。はたして客観視できるだろうか。
原作は直木賞候補にもなった、貫井徳郎の同名小説。イヤミス系(=読み終わったあと"イヤ"な気分になる"ミステリー")なので、好き嫌いは分かれるかもしれない。
日本社会特有のエピソードではあるが、おそらく観客の経験値がそのまま跳ね返ってくる。人生経験を積み重ねるほど、何かしら不都合なことに目をつむっているはずで、それが重くのしかかってくる。
実は、この原作の映画化は、監督によって百人百様になるはず。なぜなら原作はインタビュー形式に近い一人称で書かれており、場景の具体がない。主人公である田中の人物像も、読者の想像力によって自由に作ることができる。映像化の自由度が高いぶん、演出の実力が問われる。そこで長編デビューとなる、石川慶監督の名前を頭に刻まざるを得なくなる。
とにかくオープニングのカットを一瞥するだけで、この映画のルックを決定づける要素が、すべて詰め込まれている。エキストラひとりひとりにまで、演技をつけているであろう演出も面白い。オープニングの映像で一気に作品に引き込まれる。
映画はシリアスな空気感を充満させるために、カラーグレーディングで色彩調整をしている。全体の彩度を落としているだけでなく、小物や衣装、背景に移り込む構造物に至るまで、徹底的に無彩色・中間色(白・黒・グレー・ベージュ…)のものを揃えている。その中で、キーパーソンとなる夏原友希恵の服と、弁護士と大学生のクルマだけ赤色で際立たせている。
撮影監督としてタッグを組むポーランド出身のピオトル・ニエミイスキのテクニックも大きい。シネスコの画角を活かしきるカメラワークが印象的だ。水平パンニングが多用されているほか、水平直線を強調したフレーミングや、人物の左右相対ポジショニングなどもなされている。それによって画面スペースが左右に効果的に広がる。またカメラは長めに回され、その間に映る人物はずっと演技を継続させている。
また”雨”と”ガラス(窓)”も、この映画の特徴的な素材である。バスやクルマの窓、ビルの窓ごし、接見室のアクリル板など、多くの透明なフィルターを介して人物が出てくる。その目に見えない存在に雨粒がつくことで気付かせる。最初、フィルターを通して見る人物は、第三者の観察視点であるが、ズーミングとともにいつの間にか当事者視点に同化させられる。
主演の妻夫木聡は、異常キャラクターの役が少し多すぎるキライもあるが、"妻夫木主演に間違いなし"。その期待に今回も応えてくれる。共演の満島ひかりをはじめとするキャストの演技にも感服する。
(2017/2/18 /ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ)
「愚行」は誰でも持っているもの
誰も嘘はついてない。
でも、感じ方や考え方が微妙にずれている。
その結果、一人一人の発言も違って見えてくる。
妻夫木聡さん演じる田中は、一家殺人事件の真相を調べるために動き出します。
取材で、聞き取り調査をすればするほど、見えてくる真相が違うため、何が真実で何が偽りなのか分からなくなってしまいます。
また、記者である田中は、妹が育児放棄で逮捕されたことを受け、かなり精神的にも厳しい状況に…。
取材を続ける彼のバイタリティの強さは、妹を思うが故に発揮されている状態のようです。
秘密を隠し持っている妹と、一家殺人事件の真相が意外なところで繋がり、衝撃の結末を迎えた瞬間には驚きました。
毒にはなっても薬にはならない、ドロドロとした内容に、観終わった後に残るのはドロドロとした感情のみ。
誰も救われない結末が悲しいです…。
映像表現が上手い
まずは冒頭のバスのシーン。映像表現に鷲づかみ。この先の展開に大きな期待を抱かせる。
妻夫木が事件の真相を求めて取材をするが、登場人物の個性がさほど強くはないため、現在と過去のシーンの幾度もの織り交ぜに若干の混乱をきたしてしまう。ここはしっかり整理をつけながら見ていく必要がある。とにかく仕掛けが多く目が離せない。正直もう一度見ないとわからない部分もあって、リピートしたら見えない気づきがたくさん出てきそう。
真実は何か、それぞれの人物の立場と思惑、性(さが)、身勝手さ、自己中・・・。人間誰もが持つ裏の部分が炙り出される。それを愚行と呼ぶのか・・・。ラストを迎え、全体像が見えたとき、人間の「愚行」が明らかになる。ぞっとするというより、ぞっとしない自分にぞっとする。
妻夫木の雰囲気も良いのですが、満島ひかりは彼女ならではの役どころ。語りのシーンは見事でしたね。そしてラストシーンも見事だった新人監督の力量もなかなかで今後も期待。
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