「流行の多角視点映画」イレブン・ミニッツ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
流行の多角視点映画
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下心が見え見えの映画監督がホテルの1室に女優を招き、一対一の面接に臨もうとしていたが、結婚したばかりの女優の夫が妻が英語が苦手ということでなんとか駆けつけようとしている。
ホットドッグ売りの男がシスターや派手な女にホットドッグを売っている様子。その息子である郵便配達の男が若きツバメとなって人妻のところから逃げ出している。質屋に強盗に入った若者は首吊り死体を見て逃げ出す。絵描きの老人が橋の下で絵を描いている。救急隊員たちが小さなアパートから妊婦を運び出しているetc.
『バンテージ・ポイント』や『運命じゃない人』そして『11:14』と同じく多角視点の群像ドラマ。11分間を描くために同じシーンを違う視点から撮っているのだ。中心となるのは映画監督と女優夫婦の目線となるが、最後のディザスターに向けて、全ての人たちが巻き込まれていくのだ。途中、飛行機が高層ビルの脇すれすれに飛ぶシーンが映され、空に何か黒い点が浮かんでるんじゃないかと想像させる会話も出てくるが、エンディングにもモザイクの右上にポツンと黒い点が描かれていた。
11ミニッツというタイトルが提示されるため、5時11分には何が起こるのだろうかと興味津々となり、UFOでもない、天変地異でも飛行機激突でもない、などとあれこれ思いをはせる。結果、ヤキモキした女優の夫が1111号室のドアをぶち破り、消火器で吹いた泡によって2人を突き落としてしまい、階下ではビルメンテナンスの男やバスや救急車、そしてホットドッグ親子まで巻き込んだ大事故に発展するといったもの。
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