「最後こそ、もうひとひねり!」イレブン・ミニッツ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
最後こそ、もうひとひねり!
たった11分間の出来事。
映画監督と女優とその女優の夫、出所してきたらしいホットドック屋とその過去を知る女、ヤクチュウで間男のバイク便の男、犬を連れたパンク娘、妊婦を乗せた救急隊員、などなど脈絡のない人物が次々と出てくる。時間に追われる者も多く、サイレンやジェット機の音がその焦りをさらに追い立てるように響く。その音はまた、いくつも重なり合ったシーンの数々を、ああ、このジェット機がやってきたときにはここではこうだったのかと同時進行であることの補足的役割も果たしているところが上手い。
これがどう最後に絡むのか、その着地点が気になって仕方がなくなってくる。
救急車、パトカーに追われるバイク、宙づりのゴンドラ、得体のしれない黒点、妻の身を案じる夫、、不穏な要素ばかりだ。そしてやってくるスローモーションは、ヒッチコックの「めまい」を連想させるような手法で、絶体絶命感、クライマックス感を頂点へと誘うのに効果的だった。
で、どうなる?
まさか夢オチはないだろうなあ?「神のゆらぎ」的オチか?それとも「サードパーソン」的オチ?
とあれこれドキドキしながら詮索していたのだが、え?それがラスト?ていうのが正直な感想。
そこまで煽って引っ張るなら、もうちょっとヒネリが欲しかったなあ。
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