14の夜のレビュー・感想・評価
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80年代後半に生きたガキどものバカ話。
大好きな映画「百円の恋」の脚本家、
足立紳さんの監督デビュー作ということで、
期待して名作邦画の聖地テアトル新宿へ。
舞台は1987年の田舎町で、
性への妄想を膨らませる中学生たち。
街に一軒しかないビデオ屋に来る、
AV女優「よくしまる京子」
(多分薬師丸ひろ子と小泉今日子を足した、秀悦な名前!)
のおっぱいを吸わせてもらうために奮闘する、
一夜の青春劇だ。
お話は
「アメリカン・グラフィティ」や
「スタンドバイミー」のような、
オトナへの成長や存在意義やせつない友情など、
青春を定義するメッセージに期待してたけど、
繰りひろげられるのは、
80年代後半に生きたガキどもの「あるある」なお話。
ダメ親父と、エロ本と、ビデオ屋と、覗きと、暴走族....。
どっちかというと、グローイング・アップのようなバカ話だった。
「百円の恋」のような葛藤も、
大林監督「青春デンデケデケデケ」のようなノスタルジーも、
一切なし。(笑)
そこが、かなり残念だったかなぁ。
あと予算の関係かもしれないけど、
1987年のディテールが甘い。
ビデオ屋はよくできてたし、
ちゃりもリトラクタブルライトをよく探してきたけど、
台詞も車も町並みも現代感まるだし。
そこは「イニシエーションラブ」みたいに徹底しないと、
感情が入っていかない。
以外に大事なことだと思った。
主人公のタカシ含め
中学生たちはほぼ新人のようだけど、
演技はかなり頑張っていたなぁ。
この監督が多用する、
長回しカメラパンなシーンの
高いハードルも
しっかりこなしていたし、
難しいラストシーンの表現もよかった。
そして脇役が豪華でさすが。
タカシの父役の光石研さんは、やっぱりうまいなぁ。
姉役の門脇麦さんも、重要なシーンでの存在感がすごい。
濱田マリさんと稲川実代子さんも、渋い演技。
何もないストーリーも、救われた。
自分が中3のとき、
同級生がオンナとやって、
僕たちはそいつがめちゃオトナに見えたし、
自分たちは子供だと葛藤した。
リアルに生きててもそんなことがあるんだから、
映画はもっと語って欲しい。
少し大人になる夜
田舎の中学生が握手会に行く道中の話
期待以上の青春そして性春の物語だった。
中学生の頃、当時の不満や不安が呼び起される。家族に不満、仲間に不満、そして自分自身に不満だったあの頃、見ていてむず痒くなった。
1987年の夏、居ても立っても居られなくなって飛び出した夜の先にあるもの、そして朝が来たとき主人公は・・・
一夜の逃避は期せずして大人への一歩だったのかも知れない。
物語の期間は一日だし、近所を回るだけなのに物凄い冒険譚のようであった。中学生の夜はそれほどまでに非日常なのだ。
主人公と仲間たちが良かった、口だけの奴、クールぶってる奴、パシリ。不良にもオタクにもなれず、ただ見下して陰口を叩く。
自分にも心当たりがある、どの世代にもいるであろう中途半端野郎ども、本当に共感するところが多かった。
不自由ではないが不満ばかりの毎日、主人公の苛立ちと焦りが作品からにじみ出てくるようであった。
女子にはわからない男子の悩み、バカだなと彼らを笑えるのは、それを経験しているからではないだろうか。
全ての男子を経験した男性に見てもらいたい、笑いと感動の作品だ。
主人公たちの演技もなかなかだが、やはり脇を固める大人の俳優陣が出しゃばりすぎずにいい存在感をだしている点もよかった。
光石研の情けない演技は必見だし、理想のなりたくない大人代表をみごとに演じていた。
ビデオ屋も凄くよかった、チェーン店っだはない個人の店、ちょっと大人な雰囲気がなんとも懐かしい。あの独特の空間、居るだけで何だか少し大人になった気分のする空間の表現も素晴らしい。
個人的に主人公のかっこいい一面が知れるエピソードは正直グッと来た。ヒロインの不満もすごくわかる。青春だなぁとつくづく思わされた。
「私たちのハァハァ」と双璧をなす近年の青春ロードムービー、時代は変われど変わらないもの、今の子たちもこんな事で悩んでるだろうし、大人だって悩んでただろうと思うと少しほっこりする。
劇中セリフより
「お前がカッコ悪いのは、父さんのせいじゃないぞ」
周りを嘆いてばかりいると、いつの間にか自分も同類になってしまう
人の振り見て我が振り直せとはよく言ったもの、まずは自分を変える事からはじめればいい、踏み出す勇気が欲しいです。
絶望的なダサさの先で、輝く未来とおっぱいを掴め
とにかくもう絶望的にダサい。
あの枕。
絶対に自分で買ってない、いつ誰が買ってきたのかも分からない、異様に派手な枕。
あの柄みたいにヘンテコで、意味不明で、主張したいこともないくせに主張したがってて、見るに堪えないほどダサい、少年たちの話。
ヤンキーグループには標的にされて、バカにしてたヤツらが成果を出しては焦って、焦っても何もできなくて、とりあえずエロ本を眺める。
このままじゃ、一生おっぱいを揉めないかもしれない…と本気で悩む。
ダメな親父を見てめちゃくちゃイライラする。
ヤンキーの彼女になった近所の女の子を見てムラムラする。
ひとつひとつのシーンがもう徹底的にダサくて、見てる間は笑っちゃうんだけど、終わってから振り返ると、愛しくて愛しくて泣けてくる。
ボロボロに泣けてくる。
映画見たあと中華屋で五目そば食べながら、涙をこらえるのに必死だった。
1987年当時、ド田舎の小学生だった私には、ひとつひとつのディテールがもうそれだけでたまらなかった。
実家の玄関前に並べられてる鉢植えとか、田舎の個人経営のビデオ屋に並べられてる色褪せたパッケージとか。
(あと、あの頃のド田舎にはああいう何だかわからない白痴みたいな大人がよくいた。)
主演の犬飼君、ラストの長回しでの泣き笑いは堪らなかった。大俳優になって、「この人映画デビューの時から注目してたから!」って自慢させてほしい。
もちろん足立監督の次回作も楽しみにしてます。素敵な映画をありがとう。
彼らに、思う存分おっぱいを揉みしだける未来が待っていますように。
中学生の一晩の出来事
わけわからん中学生の一晩という話。わけわからんがぴったりな表現なんだが、なぜか飽きずには観られた。
なんか、ありそうなギリギリで、実際にはねーよという「出来事」を上手につないでいる感じ。
だから、お話にもなり過ぎず、あたり前で面白みなしにも陥らず。足立紳監督が上手なんだろうね。さすが脚本家上がりというところか。
観ているうちにおっぱいを揉めるかという不安と周りが出世しているのに...
観ているうちにおっぱいを揉めるかという不安と周りが出世しているのに自分は大丈夫なのかという不安が実は同じなんだということに気づきました。ラストの泣き笑いをエンディングソングが解説してくれるような妙な納得感がありました。馬鹿をやっているけれども大なり小なり年相応のやっとおかなければ勿体ない人生のひとコマを観させてもらいました。
こんな奴らもいたっけな
それなりに共感できる部分もあった。
が、中学生?。高校生っぽいところもあるような・・・
彼らが日本を背負えるかは疑問ですが、それなりに頑張っているんだと思えるのがほほえましい。
しかし、女の子は成長が早い!
僕の中3とは違っていた。
中学3年生の夏休みは、そんなに女の子のことばっかり考えていただろうか。
とはいえ、映画のなかでも、女の子のことばっかり考えていたわけではなかった。
ヒエラルキーに悩むというのは、大人になってからもあるし、中学生にはかなり重いことではある。そこも描こうとした足立紳の意欲はかう。
行動の動機が、いまでいうヌードOKのグラビアアイドル「よくしまる今日子」のサイン会と、おっぱいを吸わせてくれるというイベント。
あまり共感できないところではある。そんなイベント、いかにもいかがわしい。
ただ、そこから始まるタカシ(犬飼直紀)の冒険がめっぽうおもしろい。
あの頃もいまも、中学3年生はもう少し進路のことを考えていると思うのだが。
あれは中学2年の頃…
あれは中学2年の頃、同級生が同じく同級生の彼女とやったという噂が流れ、それを聞いて何とも言えぬ虚無感に襲われたのを思い出した。
中学校の頃に自分は何を考えていたのか、この映画を見て少し思い出したような気がする。
男子中学生ってホント愛おしい。
うーん。
前のめりになりすぎての鑑賞。
自分とのドンピシャ世代にて鑑賞に臨んだが、なんかピンとこなかった。
時代小物は随所に見られたが、なんか狙いすぎでの違和感。
若い役者の演技には感じられる部分もあったが、やはり脚本の問題か?
全く感情移入に至らず。
期待値が高すぎた為、非常に残念だ。
少しの勇気
あんなに田舎育ちじゃなかったから、描写が異なる箇所は多々あるけれど、当事同世代だった自分にはかなり懐かしく、みていて「がんばれ少年」と言いたくなる甘酸っぱく爽やかな青春映画。
主人公の少年は明日から少し違う学校生活が待っていそう。
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