「悲しいけど晴れ晴れ」あなた、その川を渡らないで sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しいけど晴れ晴れ
老人ものに目がないので観ました。
韓国人の感情表現って、日本人にとってはかなり激しいと感じるので、そのあたり共感できるかしらという不安もありつつ、だったのですが
夫婦の愛情は万国共通。すっかり感動させられました。
映画の序盤は正直、演出?演技?と思ってしまうくらいラブラブで子供みたいで生活感も感じなかった。笑
セリフもいちいちドラマチックで。笑
でもふとした拍子に映る、二人のゴツゴツで黒い手だったり、顔の皺だったり、端がめくれるビニールの床だったり。何をしていても二人の仲睦まじい距離感や会話に揺るぎはなく、あぁ、この二人は苦労して生活してきて今があるんだなと、しみじみ思わされました。
日本ではよく美しいとされる、慎ましい、というか態度で察しろ、的な愛情表現にも美学はあるし、その美しさもわかるし、それに馴れている日本人の私だけど。
のびのびと、誰にも憚ることなく愛情を伝え合い、死が二人を分かつまでお互いを支え合う姿は本当に、本当に美しかった。
素直に泣き笑い喜び悲しみ、伴侶にそれを恥じる必要なんてどこにもないんだ、と晴れ晴れとした。
けして美しいものばかり描いているわけではなく、生と死の対比、家族のありかたを問いかけている
現代のすばらしいおとぎ話でした。
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