「アルモドバル映画あんまり見たことない人には十分」ジュリエッタ レインオさんの映画レビュー(感想・評価)
アルモドバル映画あんまり見たことない人には十分
映画批評には結構賛否両論だが、
アルモドバル好きな人の期待過ぎじゃないかなと。
確かにコメントの通り時間を置いて再考する必要があるかも!
中年のジュリエッタ役はその心弱さを演じ切ったとも言えるだろう。娘アンティアが髪の毛を拭いてくれるシーンは衝撃的だった。
親子関係について繊細な描写で色々考えさせられる。まず親に対する子の執拗。娘に「捨てられる」女主人公は悲惨な三年を過ごしたが、彼女もまた自分の父をも責めている。妻は病気で眠ってる男と結婚したのに、父の再婚は許せないと。
一方で、親はどんなことあっても子のことを思っている。ジュリエッタは三年間娘の誕生日を祝う。特にここでケーキを食べずに捨て、娘の痕跡のないところに引っ越すなど、母としての心理感情を丸ごとに出した。また、再婚した父はジュリエッタにも電話する。
そして、罪悪感も一つの糸となる。女三人とも罪悪感を持っている。特に列車で一人の男が自殺したことも、全体的にはどんな役かよく分からないが、一種の解釈はあの時にもジュリエッタには罪悪感も生じた。人が死んだのは自分のせいだとー
心細いところが見える。
娘の気持ちもよくわかる。一回家に帰って真相を知ったむすめは相変わらずジュリエッタの世話を見続ける。それは自分にも罪悪感を感じる娘は鬱病のある母への最後の親孝行だろう。自分をも母をも許せない娘もずっと我慢していた。それで修行に行って信仰を見つけて母から離れたのだ。
でもこの映画で彼女は娘の家出で立て直せなくなったのが最も悲劇的だろうが、これもまた彼女は自分の父と違って全ての希望を娘に託した原因だろう。最後に自分の幸福を見つけた時点で、不幸から抜き出したのだろう。
ここで考えたいのは娘が母になるとようやく母の気持ちがわかるようになったが、結局ジュリエッタはじぶんに自分の父の再婚を理解できたのだろう。
最後はいいエンディングになってると思うけど....
見終わったら少し重い思いをさせられたのは確実。