「1と11はすごく近い」イーグル・ジャンプ ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
1と11はすごく近い
スキージャンプって、見てるのはいいけど、怖くて自分で飛びたいと思わないなー。エディは、怪我してでも飛びたいって、どうして思えるのだろうか。風を切り、空に浮かぶ、その瞬間の気持ち良さ、そんなに癖になるもの? うーん、想像したいような、したくないような…。
憧れに向かって、しゃにむに突き進む、熱い思い。呆れられ、馬鹿にされ、意地悪されても、冷めない。いや、ほんとすごい。ある意味、これくらいしつこくないと、夢はかなわないね。
印象的だったのは、優勝候補の美少年マッチの言葉。記録からすれば、彼とエディは雲泥の差だが、ジャンプへの気持ちは、時計の針の1と11くらい近い。なんと清らかな。一流の人は、やはり心ばえが違う。エディが開会式に出られないように、嫌がらせした選手達のせこいこと。奴らは間違いなく、アスリートとしては三流だね。
未体験なのに、90mのジャンプ台から滑走するエディ。ちょっとバランス崩したら、死ぬかもしれない。が、恐怖を乗り越えて、飲んだくれコーチ・ピアリーの教えを忠実に守り、見事に着地する。そこに流れるのは、あの超有名な曲。JUMP! しかし、ピアリーは、なぜこんなに薄着なの? 寒くないのか!?
情熱だけでオリンピックに行けた時代。今やエディのようなケースはありえなくなった。高度なレベルの競技は見応えあるんだけど、エディみたいな存在も、ほっこりしていいなぁ。近代オリンピックの祖、クーベルタン男爵は「参加することに意義がある」と言ってたよね。メダルを取るのだけが、オリンピックじゃない。エディはオリンピック出場を望んだけど、成績アップのためにドーピングはしなかった。純粋で謙虚だった。だから見てる方も感動する。人為的に増強した、ロボットみたいな人間が、どんなに強くても、こっちは引くんだよ。なんか、そんなことを考えながら見ていたら、想定外に泣けてしまった。愚直って琴線に響くのだよ。
意外にもいい映画だった。NHKの放送にて。
ぷにゃぷにゃさん
コメントへの返信有難うございます。
タロン・エジャトン、この作品で初めて知りました ☺️
まさか本当に軍事侵攻するとは。。
時代が逆行しているようで、恐ろしいですよね。
国境を越えて集った北京オリンピックの余韻を蹴散らすような蛮行が、今まさに行われているとは。
世界はどう動いていくのでしょう。。
ぷにゃぷにゃさん
ぷにゃぷにゃさんがレビューに書かれているマッチ選手とのシーン以降、録画を消せずに残しています ☺️ 二人のやり取りと表情が美しい印象的なシーンでしたね。
北京オリンピックで、より高みを目指す選手達の姿と重なる感動作でした。