劇場公開日 2017年7月22日

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「妄信と家族崩壊」ウィッチ bionさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5妄信と家族崩壊

2021年7月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 『ライトハウス』公開記念リバイバル上映にて鑑賞。

 これが初監督とは思えない仕上がりで、数多くの賞を取ったというのも納得。ただ、キリスト教徒じゃないと、ほんとの意味で恐さは感じないんじゃないかな。自分なんか悪魔に対する恐怖がほとんどないもの。

 敬虔な、もとい妄信的なキリスト教徒の一家が、村を指導する教会に逆らってしまい、村はずれでの生活を余儀なくされる。一家の長であるウィリアムは、不幸な事が起きるたびに、信心が足りない事に置き換えてしまう。

 徐々に家族が崩壊していく様子が、家族それぞれを起点として描かれているので、精神的にきつい。特に双子とトマシンの関係性がそう。結局は悪魔は、人間の心に潜んでいると言うことかな。

 ケイレブは、思春期を迎える男の子らしく、トマシンの胸の膨らみを意識してしまうが、このシーンが後になって悲劇を加速させる要素になっている。こういった、巧みなシナリオが随所に見られるのだが、そんなに怖くないことがこの作品の欠点かな。これで身震いするくらいの恐怖があったら、大傑作なんだけど。

bion