栄光のランナー 1936ベルリンのレビュー・感想・評価
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時間を感じさせない、様々な人の思いの詰まった良作。
いままさにリオデジャネイロオリンピックたけなわですが、1936年、ナチス政権下で行われたベルリンオリンピックにおいて、史上初の4冠を達成したジェシー・オーエンスの半生を描いた作品。
134分と、二時間を超える長い作品ですが、時間を感じさせないほど中身に引きこまれました。単に“努力しました”と言う話だけじゃ無い気がするんですよね。確かに、ジェシー自身は努力しました。ただ、それだと、物語が薄っぺらくなってしまう気がするんですよね。
ベルリンオリンピックでのジェシーの活躍は、ジェシー自身の出場するかボイコットするかの悩み、ジェシーのコーチのラリーのオリンピックへの思い、ベルリンオリンピックの走り幅跳び決勝で戦ったルッツ・ロングとのやり取りやルッツの思いなど、それ意外の様々な人の、様々な立場での、様々な思いの結集なんだと思います。
特にルッツ・ロングには感動しました。まともなドイツ人も居たんだなと。あの時代、あのような考え方をドイツ国内でするのは、相手がアメリカ人であったとはいえ、中々勇気の要ることだったと思います。結構衝撃的でしたよ。
あと改めて感じたのが、月並みで薄っぺらいですが、ジェシー・オーエンスは、アメリカ国内でも人種差別と戦っていたんですよね。戦前の出来事なので、まだ差別の残る時代と言ってしまえばそうなのかもしれません。でも、そう言う時代に、構成に残る業績を残したジェシーは、強い人なんだったと思います。まぁその強さは、ルースとの結婚を巡っても発揮されたようですが(苦笑)
単に感動じゃないですね。色々と考えさせられ、心に残る作品でした。
この夏感動した作品!
1936年。
ヒトラーの独裁政治が徐々に色濃く出始めた時代。
ユダヤ人を差別するドイツでは、オリンピックでもユダヤ人と同様に、有色人種の差別が行われていました。
オリンピックという人種を越えた平等な場所にも関わらず、差別されてしまう人たち…。
それでも彼らの声を遮断し、メダル獲得に向けてひたすら練習に励む一人の黒人の姿に感動しました!
それと同時に、政治を絡めたオリンピックが存在していたことに悲しみと怒りを感じます!
戦争から70年経った現在でも、難民の人々が自国から出場出来ず、特別枠として2016年のオリンピックに出場しているようです。
彼らが1日も早く平等に安心してオリンピックに参加できる世の中になることを祈っています。
エンド・ロールで、拍手喝采の感動作
中途半端な小細工が、どうでも良くなってしまう、清々しい気分になれる作品でした。
制作スタッフさんたちが伝えたかったことが、原題である“RACE(日本語では、競技・競争、流れ、出自、人種 etc.が当てられます)”、のひとことに、凝縮されている・・・・・、重たいテーマの実話をベースにしているのですが、これらが、受け容れ易い順番で、とても丁寧に積み上げられていました。
また、映画を観る前と、観た後で、フライヤーに記載されている作品紹介文の印象が、ガラッと変わってしまう、とても、奥の深い作品でした。
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