「女が美容室に行く時」だれかの木琴 libraさんの映画レビュー(感想・評価)
女が美容室に行く時
中学生くらいになれば、女の子は一人で美容室に行くようになる。多くの店は指名制なので、年上の素敵なお兄さんにカットをお願いするうち、憧れた経験がある人は多いのではないか。中年になればなったで、年下の感じの良い男性スタイリストに髪の毛を触られるうちに恋愛感情を持つこともあるだろう。郊外に引っ越してきたばかりの専業主婦の小夜子が、美容師の海斗に執心していくのはよく理解できる。夫は働き盛り、娘も中学生でどうやら男の子の友達もいるようだ。生活には満足しているけれど、心を満たす何かを海斗に求めたのか。
美容師役の池松壮亮くん、好演。カットをする時の眼差しが,美容師のそれだ。中学生を子ども扱いせず、ストーカーの主婦を変なオバさん扱いしない。水泳やサイクリングをし、朝食もしっかり作り、コンテストを目指す、志のある若者だ。
私が好きなのは、海斗が恋人をなじる場面と、故郷の母親と電話で話す場面で、どちらも博多弁だ。海斗も故郷を離れ、孤独を抱えているのだろう。
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