劇場公開日 2016年9月10日

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「どこにでも誰にでも起こりうる身近な出来事。」だれかの木琴 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5どこにでも誰にでも起こりうる身近な出来事。

2016年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

あれはストーカー。恐いよ、本人に悪意がないのだから。いや善意さえも感じてこない。気味の悪いくらい、心に血が通っていないのだ。そんな妻の小夜子(常盤)の心の変化のそもそもの元凶は、無関心のくせに、さも物分かりのいい夫のつもりの光太郎(勝村)だ。
付け狙われた海斗(池松)こそいい迷惑だわ。全然いい奴じゃないか。いつも池松(もちろんその役に)に嫉妬してしまうことが多いが、今回に限っては無条件に池松に同情してしまう。
もっとドロドロした不倫劇なのかと案じていたが、一安心。
だけど思い起こせば、これより小さな、よじれた人間関係なんて日常にいくらでもあるな。それらはちょっとしたきっかけでこの話と同等の出来事になり得るのか。気をつけよう。自分がまきこまれないように。
いや、いつのまにか自分がそういうことをしないようにか?

栗太郎