劇場公開日 2017年3月17日

  • 予告編を見る

「映画も登場人物も歌に救われた」SING シング Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画も登場人物も歌に救われた

2017年3月19日
iPhoneアプリから投稿

みんな大好き オーディションもの を映画で、しかもCGアニメで動物でやる ということで見て来た
動物への置き換えは生かされたキャラもいたけど見終わった印象としては この設定必要だったのか? という感じ ズートピア はギャグ、メッセージ、動物の種類の配置とかありとあらゆる要素に動物である意味がきちんと含まれていていたのに対し、この映画では なぜこの歌を歌うのがこの動物なのか この葛藤を抱えるのはなぜこの動物なのか という点が弱いキャラクターが半分近くいてそれだけで魅力が乏しくなってしまっているのが 残念 態度がとにかくでかい まさしくビッグマウスなネズミと図体はとにかくでかいが緊張しいの象の対比とか 上手いなぁ という場面はあるんだけど、どうしてもズートピアと比べちゃう視点が拭えなくて もっと上手くやれたのではないか という滅茶苦茶勝手な印象が残ってしまった
あとはストーリーテリングにも一部かなり納得しづらいところがあり中々話に入って行けなかった
具体的には
・バスタームーンの適当さ
・ゴリラギャングと息子の絆回復
の2点ははなりノイズになった
バスタームーンは幼い時にショウビズに魅せられ親の助けもありつつ劇場を持ったという設定なのだけど、とにかくショウビズへの情熱が著しく欠けているのではないかという気がして仕方ないキャラだった。 特に一度オーディションで合格させたキリンを 話しづらい という理由のみでサクッと落とすシーンは お前ずっとその感じだったから劇場に客入ってないんじゃねーか と言いたくなるぐらいの適当さでキャラクターどころが物語を成立させる重要な要素を損なうぐらいだった(笑えるけど) 他にも光るイカを連れてきたりして演出のアイデア力は中々あるみたいだったけど、まだ歌がうまいかどうかもわからない象さんを欠員が出たからという理由で数合わせ的にステージに出そうとしたりととにかくずっと適当 お金のくだりはオッチョコチョイでチラシがばら撒かれるまでのアイデアは凄くいいんだけど、いざ真相が発覚すると恐ろしくあっさり許されてしまうの妙にトントン拍子すぎてうーん という感じ みんないい人で良かったね
あとはゴリラ親子の絆回復のくだり テレビ出て歌ってたら急に あいつは俺の息子だ とテンションアップ&急激な反省の流れが完全に置いてけぼりだった
i'm still standing の歌詞をもっとキチンと聞いた上で息子の思いに気づくとかいう描写が見た限り全くないので テレビ出てる⇨許す という感情の流れとしか思えず それでいいんかい! と思ってしまった
他にも スーパーで少し踊っただけでなぜか覚醒する主婦の豚さんとかもかなり納得し辛いが大きく分けるとこの二つがかなり気になる ノイズなしで観れたのはハリネズのアッシュぐらいだった
とはいえ とにかく歌唱シーンはは役者陣の歌唱力もあって全部素晴らしくてとても良い 作り手が一番やりたかったであろうオーディションシーンもかなり良く出来ていてこのシーンだけでも見る価値はあるかもしれない 選曲が個人的な趣味と合致してたのもあってラストのショーもお気に入り
と とにかく歌だけは glee にも引けを取らない確かな力で押し切ってくれるので全体的な納得度はそこまで激しく損なわれずに済んでいた
キャラクター達が歌うことで救われた映画だったけど、この映画自体も 歌の力 でなんとか少し救われていた そんな映画だった

Movieアパート