「テンポの良さが素晴らしい」ジェイソン・ボーン M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポの良さが素晴らしい
2作目の「ボーン・スプレマシー」に顕著だった(と思っている)「この人があの人とつながっていたのか!」的な複雑な人物関係は希薄。ストーリーも至ってシンプル。「スノーデン事件」に象徴される「国家による個人の監視」が裏テーマのようになっているものの,それはあくまでもスパイスだ。主軸はジェイソン・ボーンの物語。自分の人生を大きく捻じ曲げることになる「トレッド・ストーン」と彼の父親の関係,そしてその父親の死の真相。それらを明らかにするためにCIAを相手に戦うジェイソン・ボーン。その姿こそがこの映画のテーマにほかならない。
世界各地を舞台にした様々なシーンが小気味よく切り替わりつつ進む緊迫感あふれるストーリーは実にスリリングでテンポが良い。派手で迫力満点のアクションシーンにも目を見張るが,作品の肝はこの展開の速さにあると思う。スケールの大きさよりもスピード感重視。約2時間とそこそこの長さの作品だが冗長な要素は皆無。最初から最後まで一気に観させる作風に好感が持てる。
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