「設定が重いが映像は軽い」ゾンビ・サファリパーク 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
設定が重いが映像は軽い
自由にゾンビ狩り出来るレジャー施設『リゾート』のシステムがダウンして人間が狩られる立場に逆転という発想はとてもフレッシュだが、過去に大きな戦争があって・・・という背景をヘヴィに押し出してしまっているのでB級ゾンビ映画としてライトに楽しめない。噛まれてちょっと出血するだけという映像ばかりライトなゾンビ映画。
ゾンビの権利保護団体の一員みたいな女が大した理解と覚悟もなくUSB突っ込んでデータハックしたらウイルスが入っていて自分も窮地に追い込まれる、という単純明快自業自得もいいところ!なんだけど、重い背景がセットになるとこのバカさ加減をすんなり受け入れられなくなってしまう。
キュートでセクシー、羨ましい限りの主人公もネチネチ過去を引きずるその割に、ゾンビに襲撃された時には他人に対して「撃て、撃ち殺せ~!」と急かすキャラのブレっぷり。自分はほとんど何も働かないのにフィアンセの行動には批判的。マジすかパイセン、いい度胸っすね!
結局、可愛らしい彼女が過去を乗り越えウォォォァァッ!!とマシンガンをぶっ放すような爽快なシーンは見られず無念。
リゾート参加者達はそれぞれ個性的でキャラ立ちしていて良かった。
ヘヴィで攻めるならもっと緻密に設定やキャラ作りがあっていいと思ったし、どちらかと言えばもっと単純な設定で固めて人間がゾンビに狩られるシーンをコミカルかつ凄惨にするとか、もっと血肉を極めてくれた方が面白かったんじゃなかろうか。
助けていた筈の難民をゾンビにしてたっていうのはめちゃくちゃショッキングだった。ぬいぐるみ持ってた可愛らしい子供がゾンビ生産所(?)にいたシーンは驚いたし。なんかさらっとそのシーン流れて終わっちゃったけど。
個人的には色々勿体ない映画だと感じたけど、ゾンビ映画初心者には良いのかもしれません。グロや爽快さを求めてはNG。