LISTEN リッスンのレビュー・感想・評価
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違う文化?
手話の知識のない者です
正直、映画を見終わった時点では何が言いたいのかよくわかりませんでした。
「ろう者の音楽」と謳っているけれど、何故それはダンスとかリズムではいけないのか。映画の中で、聴者と同じ「音楽」を強要されたという話が出てきたけれどそれに対する反発なのか?ぴんとこないまま映画は終わってしまったのですが、映画の後に行われた監督やダンサーの方のトークで自分なりに多少腑に落ちた気持ちがしました。
私はろう者というものを、耳が聞こえないだけのごく普通の人々、と思っていたけれど、ろう者にはろう者の文化というべきものがあって、彼らはその独自性に誇りを持っているということ。日本語が主な地域の中で暮らしていても、手話という言語体系を母語とする違う感覚を持つ集団であるということ。ろう者という言葉も聴者という言葉も知らなかった私にはそれ自体新しい発見でした。
違う文字を使う国や違う宗教、歴史を持つ国の映画を見るときには違和感を文化の違いとして楽しんで見、よくわからなかったらそのこと自体を違いを知るという勉強になったと感じるけれど、この映画は無意識に同じ文化の人の作ったものだから感覚が共有できて当然、それなのによくわからなくてもやもやする、と感じていた気がします。
ダンサーの方が、トーク中で質問に答えて「動きだけではなく間も含めて音楽」だと話されていた、それも私たち聴者の知る音楽でなく彼らの音楽なのだと考えるとなるほどそうなのかと素直に思えます。
そもそもろう者・聴者という言葉すら知らなかった無知なので誤解や読み違いがあったら申し訳ないけれど、少なくとも一つ考えさせられたという意味で私にとっては見た価値のある映画ではありました。
ひとつの試みに過ぎない
聴覚障害者にとっての音楽を映像だけで表現しようという難題に真摯に向き合っていると思うが、伝わってくる部分があまりにも少なかったように感じる。
障害者目線に立っての制作姿勢なのだと思うが、広く伝えようという基本的映像制作を忘れないで欲しかった。
淡々と聴覚障害者の音楽を並べ立てるというのならば、それはそれで潔しと見ることができたが、しっかりと字幕も入るし、よく分からない詩のような字幕もいきなり入ってくるし、であるならば、あの音楽やそれを奏でる人の背景なども丁寧に説明してもよかったのではと思ってしまう。
厳しくいってしまうと、立派な大義名分だけがあって、出来上がった作品は作品として成立していないと言わざるを得ない。奇麗事だけで済まされている。もっともっとこねくり回して、あらゆる手段を使って、もっとこのテーマの本質がストレートに伝わってくるような作品を期待していたのだが…
音楽とは。
私自身は手話を知っており、
同行者は手話をあまり知らずに見ました。
私は途中出てくる手話ポエムのニュアンスを理解出来ましたが、同行者にはさっぱり分からない、だったようです。
サイレント映画なので、ろう者の語りの部分は手話です。そこには字幕が入っています。
音楽を身体で表現してみたもののようです。
オーケストラとはいきませんが、ポップスだったり、クラシックだったりします。
創作ダンス、あるいはコンテンポラリーダンスの感じでしょうか。
そこから音楽の感じを視覚で捉える感じですね。
ゆったりした動きの時は失礼ながら途中で寝てしまいました。それだけこの映画が心地よいものだったのかなと思います。音楽でも気持ち良いものだと寝てしまいますしね!
メリハリもありますので、動きが激しいところは目がしっかり覚めます。
先ほどの手話ポエムはコンテンポラリーではありませんが、手話でもない。どちらかというと腕の中に世界を手で表現する感じでしょうか。
手話がわからない人のためにはじめのとっかかり部分をアニメーションで合成しても良いのでは、と思いました。補助輪があれば、ストーリーを予測出来ますね?字幕と同じつもりで、表示が出来たら良いのにと思いました。
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