「文化と革新が融合した新たなMCUの象徴」ブラックパンサー アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
文化と革新が融合した新たなMCUの象徴
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『ブラックパンサー』は、MCUの中でも独自の世界観と文化的背景を色濃く描いた特異な一作として際立っています。アフリカの神話や伝統、そしてテクノロジーが共存する「ワカンダ」という国家の描写は実に魅力的で、映像・衣装・音楽すべてにおいて高い完成度を誇っています。
チャドウィック・ボーズマン演じるティ・チャラは、王として、ヒーローとして葛藤する姿が丁寧に描かれ、誠実で内省的なヒーロー像が印象的。さらに、マイケル・B・ジョーダン演じるキルモンガーが、単なる悪役ではなく、社会的なメッセージを体現した「悲しきヴィラン」として強烈な存在感を放っているのも本作の大きな魅力です。
一方で、MCU作品としてはアクション面でやや抑えめであり、後半のCGバトルや列車のシーンがややチープに見えてしまう場面も。また、ストーリー展開も王道で、驚きや意外性には乏しいため、熱狂的なエンタメ性を求める人には物足りなさを感じるかもしれません。
それでも本作は、スーパーヒーロー映画に「文化的誇り」や「社会的テーマ」を真っ向から取り入れた先駆的作品であり、その意義と美学は非常に評価すべきです。MCUの枠を超えて、映画としての価値を持つ一作だと感じました。
総じて、『ブラックパンサー』は4.0評価にふさわしい、文化・政治・娯楽が融合した見応えある一作です。
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