「骸骨という取っ付きにくさ」リメンバー・ミー クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
骸骨という取っ付きにくさ
上映当時は、ピクサーの熱意の込め具合、他国での高評価はあったにしても、やはり見た目の骸骨と、恐らく直訳した「死者の日」という、ダイレクトな内容が、自分には観る気を失わせた。
それでも観たのは、滅多にアニメを誉める事の無い友人の勧め。
結果その勧めに乗って良かった。
早々にデラクルスが身内ではないか(子孫たちの顔の造作も似せ過ぎ)という振りから、デラクルス会うまでにヘクターと偶然出会い、次第に明かされるヘクターの成り行き、最期、遺した家族、そしてどんでん返しと。
途中デラクルスに会うまでは結構間延び感あって、何故にデラクルスがミゲルを助けるのか、初めは身内だし英雄だし、とか思ったが、後から考えると理由が無い。
犬の件とかもツッコミたい。
しかし、ヘクターの拘りとそれから流れる「リメンバーミー」と原題の意味を振り返って考えた時は、素晴らしい胸アツのポイントで涙腺決壊でした。
昨今、墓じまいとか仏壇供養とか、葬式自体の簡略化もあって、家族の、一族の結び付きが崩壊しかかってる日本に於いて、この作品のテーマを「ウザい」「余計なお世話」で片付けてしまう方も多いと思いますが、
世界的には普遍な事であり、祖先を祀る事が大事ではなく当たり前だという事を、改めて示したピクサー渾身の一作でした。
ズートピアといい、世界的に共感を得られるピクサーの熱意、たまげました。
でも、トイストーリー3が一番好き(^^;
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