劇場公開日 2018年3月16日

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「ディズニー流「幸せ」更新中」リメンバー・ミー m_atmarkさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ディズニー流「幸せ」更新中

2018年4月27日
Androidアプリから投稿

メキシコの陽気さと死者の国の美しい描写で死後の世界と言う暗くなりがちなネタをうまく中和しテンポよく楽しませてくれる
(ママココを除く)登場人物それぞれが考える幸せの違いがぶつかってしまったがために生まれる物語
ある程度展開は読めるけどそれがどうしたと言うクオリティの高さ
ラストシーンでもついつい自分の祖母と重なってしまい泣いてしまう
素直に観て良かったと思える映画

ディズニー映画はハッピーエンドですが
幸せの定義は変わります
昔のプリンセスものは結婚こそ女性の幸せであり、幸せ(王子様)は待っていればいつかやってくるものでしたが
女性の自立による価値観の変化に伴いラプンツェルの様な自発的なプリンセスを生みました
更にアナ雪前後からは男女愛より家族こそが幸せという過去のプリンセスの否定を行っています
(マレフィセントにいたっては原作を破壊、改変する程の否定をしていますね)
ディズニー作品はその時代の「幸せ」を提示し、後年に過去の「幸せ」の否定と新しい「幸せ」の再提示を繰り返しています

某仮面ライダーにて「夢というものは叶えないといつまでたっても消えない呪い」と言っていましたが本作でも夢という呪いに縛られ家族を捨てようとしたひいひいじいちゃんや
夢という呪いにかからないようルールを作り、一族の安定のために将来の自由を奪う家族という新しい呪いに縛られている主人公が中心になっています
そして夢のために突き進んだ人、家族のために突き進んだ人は悪役、障壁となっています
本作においては夢や家族の負の一面を見せ「幸せ」に向かって突き進むことは「幸せ」にはたどり着かないと明確に否定しています
ここまで来ると禅問答ですね

結果として夢も家族もとご都合主義的に両方得てしまうわけですが
否定はするが明確な答えは出せずディズニーの「幸せ」が再定義しきれていない葛藤を見せられたのではないでしょうか?

m_atmark