「異国感感じる新たな物語」リメンバー・ミー rakoponさんの映画レビュー(感想・評価)
異国感感じる新たな物語
メキシコが舞台ということで、セリフにもスペイン語が混じる。
その異国感は新鮮。
そして何より主人公のミゲルは愛らしくて共感できる。
メッセージとしてはそんなに真新しくない。
ドリーマーに対する応援、そして家族を大切にすることを謳っている。
しかし、「死者を忘れない」というテーマは…新しくはないものの、「死ぬことは自然なんだし、なぜ人間は大金をかけてお葬式をするんだろう」と考えていた最近の私にとって、思い直すところがあった。
死者の国があるならば、きっとあんなにキラキラして文明が発達しているわけがない。
(罪が償われず、生前の名声がそのまま引き継がれてるなんて現世と変わらないじゃん…)
実際にはあんな死者の国が存在しなくても、「死者を想う」、「死者を語る」というのは、生きている私たちにこそ必要なことであって、自分の命の背景に流れるストーリーを想うことは、精神の支えとなる。
死者がいるからこそ、死に対して心構えもできる。
そんな原始的なことを、愛を持って描き切ったピクサー。
劇場で涙しながら見れてよかった。
ただ一点重箱の隅を突くとすると、「家族が一番大事」というメッセージが強すぎること。家族が好きではない人もいれば、子供が欲しくても恵まれない人もいる。本作では「血の繋がりとしての家族」の色を強く感じたが、あらゆる形の家族を描けていれば、もっと良かったように思う。
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