劇場公開日 2017年12月15日

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「SWのいいところを捨てて、エモくして、暗くして、ポリコレ配慮にした感じ。記憶には残らないですね。」スター・ウォーズ 最後のジェダイ nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0SWのいいところを捨てて、エモくして、暗くして、ポリコレ配慮にした感じ。記憶には残らないですね。

2022年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 エピソード5,6の焼き直しをして、ポリコレ風味にしました、という感じですね。
 そこに何か意味性を持たせようとしたのでしょうか。なんか悪い意味でエモいシーンを入れてくるのがものすごくノイズになって見辛かったです。

 爆弾を落とすシーンとかもっと爽快にやればいいのに、なぜあんな感じにしたのか?そのせいでドロイドがああなるシーンでまったくワクワクしませんでした。
 カイロレンが赤い親衛隊?近衛兵?と戦うのももっと見せ場にすればいいのに。
 ローグワンの感じを引きずっている?でもあれは悲惨な話を見せるための話なので、ああいう雰囲気だったのであって、ちょっと暗すぎます。
 レイアが戻るシーン。本作のオリジナルな表現で、無茶苦茶ですけど面白い視点だったと思います。

 スターウォーズはもともとB級的な魅力を大の大人が大真面目に作っていたのが、いいところだったと思います。スペースオペラ的なご都合主義は望むところではありますが、なんなんでしょうか、まったくワクワクしませんでした。

 たとえばエピソード6ジェダイの復讐のラストのアクバー提督率いる艦隊がデススターに突っ込むところ。あれは多分一生覚えているくらい興奮しました。何度も見ているのもありますが、すべてのシーン、セリフの細部まで記憶に残っています。
 それに比較して本作のどこに一生記憶に残るようなシーンがあったでしょうか?エピソード5,6の劣化焼き直しなので、チャレンジ精神もセンスオブワンダーもまったく感じられません。過去の遺産を食いつぶしている道楽息子ですね。

 BB8の電子部品を修理するシーンもR2D2のオマージュなんでしょうけど、あのR2D2のユニークさが全然再現できていませんでした。

 映像もCGが良くなりすぎて、逆に表現の幅がせまくなっていまいた。飛びぬけた演出や画面がまったく作れてませんでした。スターデストロイヤーがワープアウトするシーンのなんか間抜けでしたし、ルークの島の動物たちもまったく良さを感じませんでした。

 それと最終的にはキャラにまったく魅力を感じなかったなあ。ダースベイダー、ハンソロにチューバッカ、R2D2にC3PO、アクバー提督にボバフェット、ヨーダそしてジャバ・ザ・ハット。初めて見たときの魅力がみんなすごかったですね。
 対して、新シリーズ。うーん。だれか記憶に残りそうでしょうか?

 話がどうとか、設定がどうとか言う前に、オリジナリティがなさすぎました。それがキャラの魅力の無さ、エピソードの焼き直し感の原因になってワクワクしませんでした。また、画面もまったく新しさを感じないし、雰囲気も暗すぎます。つまり、本来のスターウォーズのいいところを全部捨てた感じです。
 だったら、5,6を見直したほうがよほど面白いと思います。

nyaro