「レイとカイロ・レンのドラマ」スター・ウォーズ 最後のジェダイ えむさんの映画レビュー(感想・評価)
レイとカイロ・レンのドラマ
~レビューより感想寄り~
レイとカイロ・レンの駆け引きが面白かった!
男女というバランスもドキドキするけれど、
ジェダイの血筋の中の、兄弟の対立を見る緊張感があった。
レイアへ向けて、引き金を引くか迷うカイロ・レンを見ると、巨大悪の行方より、自分の中の暗黒面にどうやって向き合うのか気になる。
ダースベイダーは6作を通して、平和や愛は尊いと感じさせてくれた悪役だった。カイロ・レンは悪のツケをどう払うんだろう。
それから、ルークは寝込みを襲ったりしないよ!
オビ=ワンも、確かに弟弟子に剣先を向けることになって、因果が巡っているけれど、
ルークは寝込みは襲ったりしない!騎士だから、正々堂々と勝負するよ!
後半の画の中に、ドンと赤が入っていて印象的だった。二人や、ルークとカイロ・レンのアンバランスさを引き立てるような、怖い鮮やかな色だった。
最終決戦は、前作が雪の森で、今作は塩の広大な更地で、白の色の使い方も面白かった。
レイ、カイロ・レン、ルークが暗いので、どんな話になるか最後まで心配だった。苦しい戦いが長くて、過去作のような熱く燃える展開とは違った。でも覚悟を持って戦う姿は綺麗でかっこよかった。悪役の台詞も意地悪で、誘惑的で楽しめた。
フォースの能力が拡張されているのが興味深かった。
子供の頃に、ルークとの修行中のヨーダが、岩を持ち上げるシーンを見たとき、「フォースは自分の強い思念を叶える力があるんだ!かっこいい!」と、少年漫画のようにワクワクした。
宇宙空間から船内に戻ってきたレイアには仰天した。各キャラクターの力量や、修行の必要性についてが気になる。こんなに面白いパワーがあるので、フォースについての語りや描写を、ぜひ昔のように聞いたり見たりしたいな。
キャラクターが増えて群像劇の楽しみ方が増えた。
でも人数は多かった!覚えるように見ていないと、全員の名前は思い出せない。
こうなるとC-3POたち旧作勢の活躍の尺も見たい!
新たな宇宙の動物たちは、かわいかった。
新しいスターウォーズは、クリーチャーはあまり出さない脚本のよう。やや淋しい!
役名を覚えていないと、ストーリーが追いにくいキャラクターも増えたので、ルーカス監督の時代より、対象の年齢層は大人向けになった印象。
過去作の大きな楽しみ方の一つだった、観ている私たちが「宇宙の探索」をする、アドベンチャーのジャンルとは、だんだん異なってきている。ワクワクが減ったのはまだ惜しいし懐かしいけど、個人間の確執が多く描かれていて、自然と愛憎ドラマに注目していた。
スターウォーズは、殺生する人の因果が何度も巡っていて、続きが気になる。来作も、反乱軍を応援しに観に行きたい。