「赤に魅入られ、彩られた激動の人間ドラマがそこにあった」スター・ウォーズ 最後のジェダイ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
赤に魅入られ、彩られた激動の人間ドラマがそこにあった
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かつて高校が舞台のハードボイルド『ブリック』を観たときから、映画ファンは「こいつは一味違う!」と目をつけてきたはず。その才能がついに大舞台へと解き放たれる。最高の題材、豊富な予算。ライアン・ジョンソンは今回もしっかりと期待に応えてくれた。SWの世界観を崩さず、小気味良い笑いを加え、過去のどの作品よりも個々のキャラクターを際立てたせてみせる。そう、ここでは誰もが表と裏を行き来し、「あるべき自分」へと進化していくのだ。やがてあぶり出されるのは、暗黒色でも光でもない、赤というカラー。前作ではカイロ・レンのライトセーバーに集約されていたその色が、今回は大立ち回りの見せ場となる「スヌークの部屋」にブルーバックならぬレッドバックが映え、最終決戦の地では白い大地が真っ赤に染まる。まるで赤子の誕生のごとく誰もが血に染まり、生まれ変わっていくかのよう。うねるような激動のドラマを心から堪能した2時間半だった。
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