「なんか違うなーとは思った。」スター・ウォーズ 最後のジェダイ 宮さんさんの映画レビュー(感想・評価)
なんか違うなーとは思った。
この作品は難しい。
だからこそ賛否が別れる。
まず、いい所から評価するならば、レンの葛藤。彼がいかに、ベイダーから遠く不完全であるか。その葛藤故に胸に秘める思いとは?
上手く突いていて、エモい。
レイも自分がするべきこと、これが自分の道だ!というのも切り開けてる。彼女の運命と銀河系の命運、その全てが収束していく感じに、次回作の高揚感が湧き出る。
次に悪いかなと思ったのが、ポー(反乱軍のエースパイロット)がもの凄く感情的だった。仲間に熱い彼だったが、初っぱなから命令無視で仲間を死なせたり、終盤辺りにちょっとした反逆もあった。 その反逆した理由も納得できるにしても違和感があった。
次にレイアが、突然フォースを操れたこと。まぁエピソード6でその可能性が秘めているのはご存知でしょう。その伏線回収かなーとは思いますが、そんな突然本格的なフォースを、ほぼ素人同然のレイアが使えるってどうよ?と納得できなかった。
次にフィン。彼が目覚めてから、レイの事しか頭になかったことが気に入らない。確かに、前作でレイをやたら気にしていたが、目の前の事態を差し置いてレイを優先したのが解せない。
作品の終盤で、命を投げ出してまで仲間を守ろうするシーンがあるのだが、その心意気があったのなら作品の序盤で見せてほしかった。
それにそのシーンでは、ローズという反乱軍の整備士とのキスシーンがある。ある程度フィンとの間に絆があるにしても、キスではないと思う。ここだけ演出が過ぎたと思う。
それとレイのバックストーリが、あまりに雑。個人的に前作では、なかなかの期待値だったので余計にショックを受けた。ここだけ本当にどうにもならないのか…。
最後にいい所が一つ。ルークはかの島で、ジェダイは滅ぶべきと言いつつ、最後まで引導を渡すことができず、反面教師としてレンの前に出るシーンも良かったと個人的に思う。どれほどのジェダイといえど、善悪の間で揺れる。これもスターウォーズならではの醍醐味ではないか?
総じて言わせて貰うと、個人的には「あり」な作品。ご都合主義な感じも含めて、私はこの作品を愛せる自信がある。